家の中でお母さんが少しでも見えなくなると泣いてしまう、お母さんを独占したがる、園や学校を行き渋るようになるなど子どもにこんな様子が見られたらそれは母子分離不安かもしれません。放っておくとストレスや不安が強まり、母子分離不安は進行してしまいます。ここでは母子分離不安を進行させない為の対処法をお伝えします。
1.母子分離不安とは?
母子分離不安とは、子どもが保護者など愛着を持っている人から離れることに強く不安を感じることをいいます。
生後8ヶ月頃から始まり、10ヶ月から1歳に最も強くなり2歳になる頃には減っていくという子どもの発達段階の一つとして起きます。
しかし、3歳以降に見られる母子分離不安は子どもによって異なるものの、様々なきっかけが積み重なりストレスや不安が強まって引き起こされます。
症状としては、
✔︎家の中でお母さんが少しでも見えなくなると不安になる
✔︎常にお母さんのそばにいたがる
✔︎お母さんを独占したがる
✔︎兄弟を敵視する
✔︎暴言暴力がでる
✔︎園や学校への行き渋り
などの症状が見られます。
2.強いストレスが引き金となる分離不安症
強いストレスが取り除かれずに長期化した場合、不登校やひきこもり、頭痛や腹痛などの身体的な症状も強く出て日常生活にかなりの支障が出てしまう分離不安症へと発展していきます。
分離不安症の原因は様々な要因が積み重なって起こります。
ですから少しでも子どもの様子が変だなと感じたらすぐに対応してほしいのです。
決して甘えではなく、子どもからのSOSのサインなのです。
3.息子のSOSを放っておいた私の後悔
私の息子は幼稚園に入園してから毎日のように登園を嫌がりました。
私も仕事に復帰したばかりだったので、職場に迷惑をかけてはいけないと無理矢理にでも幼稚園へ連れて行く毎日でした。
園では楽しく過ごしているようだったのでいつか慣れてくるだろうと期待していました。
しかし、息子が卒園するまで朝の行き渋りは続きました。
そして小学校に入学。
1年生の秋頃から母子分離不安がひどくなり、精神的にもどんどん荒れていきました。
私から離れることに強い不安を抱き、泣く、暴れる、攻撃するなどの姿が頻繁に見られるようになったのです。
私は息子の症状が酷くなるまで「母子分離不安」という言葉すら知らず、正しい対応をしてきませんでした。
もっと早く息子に対応出来ていたら…と考えると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
4.母子分離不安を進行させないために大切な3つのポイント
母子分離不安を進行させないために大切な3つのポイントをお伝えします。
◆日常生活の中で親子の時間を増やし子どもを安心させてあげる
一緒にお散歩に出かけたり、公園などでおもいきり体を動かしましょう。
外に出ることを嫌がるのであれば、一緒に料理をしたり、テレビを見たり、工作をしたりなど、子どもと一緒に遊び、子どもの欲求を満たして安心させてあげることが大切です。
◆お母さんや周りの大人が不安になるような言葉を使わない
「学校に行かないと勉強が分からなくなっちゃうよ」など「〇〇しないと〇〇できない」という言い方は子どもの心をさらに不安にさせてしまいます。
「〇〇すると〇〇できるよ」という言い方で伝え、お母さんが不安な様子を見せないことが大切です。
◆子どもが自分で決定し行動する
ゆっくりでも子どもが自分で考えて決定し、行動に移すまで待ってあげましょう。
そして子どもが自分で決められたことを認めてあげましょう。
自分で決められたという体験とお母さんの肯定の言葉の積み重ねが成功体験となり自信をつけていきます。
母子分離不安の子ども達は大きな不安と戦っています。
日常生活の中で子どもが自信となるような声かけや関わりをしていきたいですね。
執筆者 発達科学コミュニケーショントレーナー
たなだりみ