分離不安っ子の朝のルーティンはテレビで解決!子どもが自分で気づいて動く力を身につけるおすすめのマル秘テクニック

朝の時間、子どもののんびりした様子に「早くして!」と言ってしまうことはありませんか?これは、分離不安っ子の中で「あと○分」という時間の感覚が掴みづらいことが原因です。今日は、我が家で実践している朝のルーティンの作り方をご紹介します。
 
 

1.繊細な分離不安っ子の朝に「早くしなさい!」は逆効果

 
 
「もう出発の時間になっちゃうよ」 「早くしないと学校に遅れちゃうよ」 朝の風景に、よく出てきそうなセリフですよね。
 
 
いつまで経っても準備が進まない我が子を見て、ヤキモキしたりイライラしてしまうママも多いのではないでしょうか。
 
 
分離不安があったり、発達に特性がある子どもの中には、時間の感覚が薄い子がいます。
 
 
時計は読めるけど、そこから「あと何分で準備しなきゃ」ということが実感として沸きづらいのです。
 
 
そんな子たちに「早くしなさい!」と叱ることは逆効果です。
 
 
分離不安の子たちは、ただでさえ朝は気を張っています。
 
 
登校する、登園するということが、一大事なのです。
 
 
そんな中、ママがピリピリした様子で「早くしなさい!」などと言って急かしてしまったら、頑張ろうとしている子どもに不安を与えてしまいます。
 
 
子どものやる気を奪ってしまいます。
 
 
 
 

2.毎朝、息子の機嫌を損ねまいと必死でした…

 
 
うちの子も、母子分離不安がある繊細っ子です。
 
 
朝、家を出るまでの時間がとにかく忙しくて大変で、本人の気持ちを損ねないように気を遣いながら、朝の準備をさせるのは一苦労でした。
 
 
一つでも気に入らない、うまくいかないことがあると、もう「今日は学校へ行かない」などと言い出しかねません。
 
 
息子の様子を見ながらの、時間との戦いでした。
 
 
一方で、ママが先回りして指示を出すことは、子どもが自分で考えて行動する機会を奪ってしまうことにもなります。
 
 
そんな先回りの指示の積み重ねで、自立できない指示待ちな子に育ってしまう可能性だってあるのです。
 
 
 
 

3.時間感覚が薄いのには理由があった!

 
 

♦︎①大人と子どもの時間感覚の違い

 
 
まず、子どもと大人では時間感覚がかなり違います。
 
 
大人が「遊ぶのはあとちょっとね」と言っても、その『ちょっと』がどれくらいなのか子どもはピンときません。
 
 
小学校低学年ごろまでの子どもは、そもそも時計という道具をまだ使い慣れていません。
 
 
「1時間がどれくらい」と言う感覚が薄いのです。
 
 
一般的に心理学で言われているのは、「昨日・今日」「明日・あさって」など、過去と未来の感覚がついてくるのが6歳くらいです。
 
 
もちろん個人差はあります。
 
 
小学校に上がって徐々に時計を基準とした生活習慣に慣れていくことで、9〜10歳くらいでやっと大人に近い感覚になると言われています。
 
 

♦︎②脳の発達の問題

 
 
また、発達に特性のある子の時間感覚の薄さには、「海馬」と呼ばれる脳の一部の発達の遅れが関係しています。
 
 
「海馬」の発達に遅れがあると、時間管理がうまくできないことが多いです。
 
 
また、「海馬」は物事の手順も処理するので、物事の見通しを立てることが苦手になります。
 
 
このように、脳の発達の凸凹が原因で、時間の感覚が薄い場合もあるのです。
 
 
 
 

4.テレビの力を借りて、時間管理能力を高めよう

 
 
では、どうしたらママが急かすことなく、分離不安っ子が自分で気づいて朝の準備を進められるようになるのでしょうか。
 
 
いろいろな方法があると思いますが、我が家で取り入れたのはこれです。
 
 
「Eテレの番組に合わせて動くこと」 Eテレとは、言わずと知れた、NHK教育テレビジョンのことです。
 
 
子どもが小さい頃は毎日のように親子で見ていても、小学校に上がる頃には見なくなる家が多いのではないでしょうか。
 
 
我が家も、子どもが入学してからはしばらくEテレからは遠ざかっていました。
 
 
ですが、不安が強い息子の朝の時間を少しでも楽しくするために、数年ぶりに視聴を再開したのです。
 
 
そうしたところ、息子にピッタリはまりました!
 
 
Eテレでは毎朝、決まった時間に決まった番組が放送されます。
 
 
そして、1番組10分前後と短い。
 
 
これを利用して、息子の朝のルーティンを決めることにしました。
 
 
初めは息子から言い出しました。
 
 
「この番組が始まったらトイレに行くよ」
 
 
それを数日続けていくと、その流れが当たり前になりました。
 
 
そこから次第に、やることの項目が増えていき
 
 
「この番組が終わるまでに朝ご飯を食べ終わる」
「この番組では歯磨き」
「このときは少し休憩時間」
「この番組が終わったら家を出て登校」
 
 
と、朝の一連の流れをEテレ番組に合わせて動くようにしたのです。
 
 
初めの頃は、私からも少し番組のタイミングに合わせて「歯磨きの時間じゃない?」などと声をかけていましたが、次第に私の声かけがなくても息子が自分で気づいて動けるようになっていきました。
 
 
それに伴い、息子が朝ぐずぐず言うこともなくなっていきました。
 
 
”自分で気づいて行動する力” 息子はそれをテレビ番組から得たのです。
 
 
これからもっと成長していけば、時計を見ながら動けるようになるでしょう。
 
 
Eテレを卒業する日も遠くないかもしれません。
 
 
他にも、タイマーや砂時計(視覚が得意な子にはおすすめ!)など、その子に合った時間の読み方があると思います。
 
 
うちの子には、テレビが合っていた、ということです。
 
 
1日のスタート、ママも子どもも気持ち良く過ごしたいですよね。
 
 
時間感覚が薄い分離不安っ子の朝の時間が、ママが叱ることなくスムーズに進めるように、過ごし方の参考にしてみてください。
 
 
 
 
執筆者
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ
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