学校が苦手、不安が強い。そんなお子さんに「頑張ってほしい!」と背中を押すつもりで「大丈夫だから!」と声かけしていませんか?実はこの「大丈夫」、不安が強い子に使う場合は要注意!使い方によっては逆効果となる言葉です。ではどう背中を押すか?不安が強い子をやる気にさせる、とてもシンプルな方法をお伝えします。
1.子どもの気持ちを否定する「大丈夫」は即やめて!
学校が苦手、不安が強い子に「頑張って欲しい!」と思う気持ちから、お子さんの背中を押すつもりで「大丈夫!」の声かけをしていませんか?
「大丈夫だから、〇〇しなさい!」
「そんなの大丈夫よ!」
実はこの「大丈夫」という声かけ、不安が強い子にとっては「自分の気持ちを否定された・・・」と感じてしまう、要注意!の声かけです。
お子さんからすると
「大丈夫じゃないから言っているのに・・・」
「怖くて不安なのに・・・」
「せっかく勇気を出して話したのに・・・」
自分の不安な気持ちが否定されたと感じてしまうことになるのです。
2.不安な気持ちは放っておくと強く大きくなる
『自分の気持ちを否定された』と感じたお子さんの不安は、そのままお子さんの中に残ってしまいます。
そして不安な気持ちは、1人で抱えることで強く大きくなっていきます。
「こんなことを怖がっている自分はダメな子だ・・・」
「不安な気持ちをわかってもらえない・・・」
「でも怖い・・・」
そう感じたお子さんは、どんどん自信を失っていきます。
背中を押すつもりで言った「大丈夫」の声かけが、むしろ逆効果になってしまうのです。
3.登校をしぶる息子に言い続けた「大丈夫だから!」の声かけ
私の息子は小2のゴールデンウィーク前に、登校しぶりがはじまりました。
小2の4月までは学校に通えていたのに、なぜ?
先月までは大丈夫だったのに、どうして?
そう考えていた私は、息子に「大丈夫!」の言葉をかけ続けました。
朝、息子に「おなかがいたい。学校行きたくない。」と言われれば、「おなかが痛いだけなら大丈夫!行こう!」と言う。
「教室に入るのが怖い」と言われれば、「怖くないよ!大丈夫!」と言う。
そんな毎日でした。
不安が強い息子にとって、「学校に行きたくない」「教室に入るのが怖い」と伝えてくれたことは、『もう限界だよ』というSOS。
そのSOSに対して私は、「大丈夫!」という声かけで、息子の気持ちを否定し続けてしまったのです。
その結果、ついには教室に入れなくなってしまった息子。
息子の背中を押すつもりの声かけが、逆効果になってしまいました。
4.絶対的な安心感で子どもをやる気にさせる!
不安が強い子どもが1歩踏みだすために必要なこと。
それは『絶対的な安心感』です。
不安が強い子は、自分が安心できてはじめて「やってみようかな?」という挑戦心が芽生えます。
では、どのように安心感を与えればいいのか?
それは、『お子さんの気持ちをそのまま受け止める』だけ!
「そうなんだね。不安なんだね。」
「〇〇が怖いんだね。」
「それはつらかったね。」
お子さんが口に出して教えてくれた不安を、そのまま繰り返して言うだけです。
そうすることでお子さんは
「自分の気持ちをわかってもらえた!」
「不安な気持ちを言っていいんだ!」
と思えるようになり、不安を1人で抱えることがなくなっていきます。
不安が少なくなり、絶対的な安心感があってこそ、「やってみよう!」と挑戦の1歩を踏みだすことが出来るのです。
お子さんが「やってみよう!」と思えたら、そのときこそ、「大丈夫!あなたなら出来る!」の「大丈夫」を伝えてあげてくださいね。
執筆者
発達科学コミュニケーション トレーナー
永瀬 未歩