母子分離不安の子どもの癇癪や暴言には真正面から応戦しないこと!

母子分離不安の子ども、あるある??「ママ、ママ」と家中ついて回るくらいママと離れるたくないのに、すぐに癇癪を起こし「ママなんて嫌い、あっち行け」と暴言を吐いたり叩いたり蹴ったり…その対処法についてお伝えします。
 
 

1.母子分離不安の子どもの癇癪や暴言に困っていませんか?

 
 
同じ部屋にいても、姿が見えないとすぐ「ママ」と呼ぶ。
 
 
2階はもとより、トイレにまでついてくる。
 
 
寝るときはもちろんママと一緒。
 
 
そんな、ママ大好き母子分離不安の子ども。
 
 
それなのにちょっとしたことで、すぐ癇癪を起こしたり、泣きながら「ママなんか嫌い。あっち行け!」「ママのバカ」など暴言を吐き、叩く、蹴るなど暴力も。
 
 
そんな矛盾した言動に、ママは困惑し、「何でそんなこと言うの!」と怒ったり、「そんなこと言われたら悲しい」と伝えたり。
 
 
もういったいどうすればいいの?と途方にくれている方もいらっしゃるかもしれません。
 
 
 
 

2.ママがいないと不安なのに「あっち行け!」という息子

 
 
私の息子の場合、小さいころから時々は行き渋りがあったものの、年長になる頃から酷い登園渋りがはじまりました。
 
 
何日か続いたと思ったら良くなったり、また1か月くらいすると行き渋ったり。
 
 
それを何度も繰り返すうちに、気付けば家の中でもママが見えないと「ママ!」と探し回るような、不安な状態になっていきました。
 
 
そして同時に、ちょっとしたことで癇癪を起こし「ママ嫌い」と暴言、姿が見えないだけで「勝手にいなくなるな」と叩くなどの困った行動が多くなってきました。
 
 
しまいには、トイレにまでついてきて、私が1人になれる時間は1分もないという状態でした。
 
 
私は「いつもママ、ママっていうくせに、ママに酷い言葉言わないで!」と何度も伝えましたが、息子は「ママのせい」「ママが悪い」などと困りごとはひどくなるばかりでした。
 
 
このような毎日に「私の育て方が悪かったんじゃないか」「愛情が足りなかったんじゃないか」と、私自身の自己肯定感も下がり、息子の前でも泣いてしまうこともありました。
 
 
 
 

3.発達凸凹キッズや繊細な子どもに多く見られる母子分離不安症

 
 
幼児期であれば、ママが大好きで離れたくないと思う気持ちはまだまだ強いですし、ママにわがままを言えることは、正常な成長過程の証とも言えます。
 
 
それでも、ママの時間が全くないほどママべったりで、ママが不安や違和感を感じていらっしゃるとすれば、もしかすると分離不安症という状態かもしれません。
 
 
「分離不安症/分離不安障害」は、アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル「DSM-5」に以下のように記載されています。
 
 
“分離不安症の子どもは、親など愛着をもっている人と離れる際、苦痛を繰り返し経験します。就学前の子どもが親から離れることに不安や恐れを抱くことは正常ですが、それが極端に強く、持続している場合に「分離不安症」と診断されます。”
 
 
また、癇癪、暴言、暴力は、二次障害と言われるものです。
 
 
発達凸凹キッズや繊細な子どもは、動物が敵から身を守るために働く、脳の扁桃体と言う部分が活発に働くので、常に気を張り、不安も強い状態にあります。
 
 
お家でも、ママの言い方が嫌だった、笑っていなかった、怒られているような気がするなど、普通では気付かないような、気にしないようなところにまで、気が付いてしまいます。
 
 
そして、ちょっと注意しただけで、何倍も強く叱られたように感じるのです。
 
 
まるで小さな子犬が大型犬にワンワン吠えて飛び掛かるかのように癇癪や暴言、暴力は、本当は不安でいっぱいで自分を守ろうとしている言動なのです。
 
 
 
 

4.売り言葉に買い言葉とならないように!

 
 
そんな、癇癪や暴言、暴力には真に受けて、応戦しないこと
 
 
その時の感情に巻き込まれて、売り言葉に買い言葉とならないようにすることが大切です。
 
 
それでも、どうしても応戦したくなったときは、私は、頭をなでて、「バカって言いたいくらい悔しかったんだよね。ごめんね」とゆっくり優しく話しかけるようにしました。
 
 
それから「何が嫌だったの?」「そうなんだ」「それから?」と子どもの心に寄り添うことを心掛けました。
 
 
大人でも子供でも、話をきいてくれそうな人に心を開きます
 
 
大好きなママが、頭をなでて、優しく声掛けしてくれたら、ヒートアップした子どもの心も少しづつ落ち着いてきます。
 
 
ママの育て方が悪いわけでも、愛情不足でもありません。
 
 
子どもの脳の特性に合った対応の仕方をするだけで、困りごとは激減しますよ。
 
 
 
 
執筆者
 
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
増満咲奈
 
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