分離不安の子どもに本当に伝わる褒め方。 みんな自然と使っているノンバーバルコミュニケーションとは? 

褒めているのに分離不安っ子にはいまいち伝わってない?分離不安の子どもにはノンバーバルコミュニケーションを意識的に使うことで、褒め効果をアップさせましょう。
 
 

1.分離不安の子どもが褒められると怒るとき

 
 
分離不安の子どもへの関わりで共感して寄り添うことを心がけてきたけれど、何だか子どもに伝わらないと感じているママはいませんか?
 
 
✔️子どもの発言に「いいね」「そうだね」共感しているつもりで返事をしたつもりが「そんなこと言わないで!」と子どもが怒り出す
 
 
✔️同じ声かけをしているのに、怒り出す時とそうでない時がある
 
 
子どもがこんな反応をするようであれば「え?機嫌が悪いの?なんで怒るの?私の声かけ間違ってる?」と関わり方がわからなくなってしまいますよね。
 
 
それはもしかしたら、言葉ではなく、ノンバーバルコミュニケーションが足りないのかもしれません。
 
 
 
 

2.ノンバーバルコミュニケーションが足りない

 
 
大人に比べて子どもは、まだ自分の気持ちを言葉にのせて表すことが難しい反面、言葉以外の部分、表情や声色を読み取る力に長けています
 
 
その言葉以外の部分のことを非言語的、ノンバーバルコミュニケーションと言います。
 
 
私たちは会話をするとき、自然と相手にあわせて、声色を変えたり、身振り手振りを交えたり、頷いたり、笑いかけたりしていますよね。
 
 
これは、視覚、聴覚、感覚などにアプローチすることで、自然に、相手との距離を縮めようとしているのです。
 
 
特に、分離不安の子どもはとても繊細です。
 
 
それは、脳のストレスを処理する扁桃体という部分が活発で、不安や恐怖を感じやすい特性があるからです。
 
 
それによって、ちょっとしたノンバーバルな部分、表情の変化や声色に敏感で、言葉以上にそのノンバーバルな部分を受け取ってしまうことがあります。
 
 
「いいね」という共感の言葉でも、言い方や表情を見て、本当はいいねと思っていないのでは?と感じて不安になり、怒ってしまうのです。
 
 
 
 

3.視覚野と聴覚野の感受性期は7~8歳頃まで

 
 
ここで、脳の発達について少しお伝えしたいと思います。
 
 
脳の発達には環境の影響を特に受けやすい特別な時期があります。
 
 
それは7~8歳頃までと言われています。
 
 
環境に適応して、脳のネットワークをどんどん作っていく「感受性期」と呼ばれる時期です。
 
 
人は、脳のネットワークの伸びと広がりがあって、視覚野「見ること」、聴覚野「聞くこと」から情報を得、記憶と照らし合わせ、意味を理解することができます。
 
 
視覚野と聴覚野の感受性期は就学頃には成熟に達し、その後はどんどん環境の影響を受けにくくなっていきます。
 
 
幼児期はちょうどこの感受性期にあたるため、わかりやすいノンバーバルコミュニケーションを使うことで、脳のネットワークの伸びを広げるのに最適な時期なのです。
 
 
 
 

4.褒めると怒る息子

 
 
年長の頃から分離不安のある私の息子は、普通に私が話しただけなのに怒って不機嫌になることがよくありました。
 
 
例えば、息子が食事中に苦手なものを「これ食べない!」と拒否した時のことです。
 
 
私:「いいよ、食べなくても。」
 
息子:「ママが怒るから嫌だ!怒っても食べないから!」
 
私:「いやいや、ママ怒ってないよ。食べなくていいって言ってるよ」
 
息子:「嫌だ!食べない!」
 
私:「だから、別に食べなくてもいいって言ってるでしょ」
 
 
そんなやりとりが続き、私も息子もだんだん不機嫌に…
 
 
声色も表情も「食べてほしかった」という私の心が表れていたのでしょうか。
 
 
もういっそのこと「食べてほしい」と言った方が良かったのかな。
 
 
でも、無理強いはよくないし…
 
 
本にもネットにもそう書いてあるし…
 
 
そのようなことが度々あり、私は、何と声掛けして良いかわからなくなっていきました。
 
 
 
 

5.発コミュ的ノンバーバルコミュニケーション

 
 
そこで、発達科学コミュニケーションを学んだ私は、分離不安のある私の息子は、その繊細さゆえに、言葉だけでなく、ちょっとしたノンバーバル(非言語)な部分に反応する、まさに典型的なパターンなのだと気付きました。
 
 
そこで、発達科学コミュニケーションの基礎中の基礎である、3Sを使ってみました。
 
 
これこそまさに、ノンバーバルコミュニケーション!
 
 
3Sとは、子どもに話しかけるとき、Smile笑顔で(視覚)、Slowlyゆっくり間を取って、Sweet優しい声掛け(聴覚)を行うことです。
 
 
「え?そんなこと?」と思う方もいるかもしれませんが…意外とやっているようで出来ていないのです。
 
 
特に出来ていないのが、Slowlyゆっくり間を取って。
 
 
皆、子どもには笑顔で優しく接しているつもりでも、時間がない、余裕がない時など、笑顔で優しくは出来ていても、ついつい早口になっているものです。
 
 
以前は、私の言葉を「ママの言い方、四角で嫌だった。まぁるく言って!」と言っていた息子。
 
 
3Sで声掛けすると、「まぁるくていい」と息子から合格をもらいました!
 
 
最初にお話ししたとおり、ノンバーバルコミュニケーションは、皆、自然と相手に合わせて使っているので「伝わるように」意識するだけです。
 
 
時には「いいね」と一緒にグッジョブサインをしたり、ハイタッチをしたり。
 
 
どんな言葉で褒めよう?どう褒めよう?難しく考えるよりも、ノンバーバルコミュニケーションの3Sを意識して、脳のネットワークを広げましょう!
 
 
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
増満咲奈
 
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