繊細な子の「あと一歩」を応援する声かけ:不安が強い小学生の自己肯定感を高める親の役割

できた!
繊細な小学生のお子さんに、新しい挑戦を促すにはどうすればいい?この記事では、あと一歩が踏み出せない不安の強い子への効果的な「声かけ」を解説。具体的な実例を通して、親がすべき「後押し」の役割と、子どもの自己肯定感を育てるためのヒントをお届けします。
 
 

1.「なんで、うちの子はあと一歩が踏み出せないんだろう…」

 
 

「なんで一歩が出ないだろう…」

 

 

繊細で不安が強いお子さんを持つ親御さんなら、誰もが一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。

 

 

新しい挑戦を前に「大丈夫だよ!」と励ましても、なかなか前に進めず、見ているこっちまでヤキモキしてしまいますよね。

 

 

でも、それは決して勇気がないわけではありません。繊細な子ほど、失敗や未知の物事に対する不安が強く、心の中で葛藤しているのです。

 

 

この記事では、同じように繊細で不安が強い小学生の娘を育ててきた筆者が、娘の「あと一歩」を後押しするために試した声かけのポイントを解説します。

 

 

読み終わる頃には、お子さんの心に寄り添い、自己肯定感を育むための具体的なヒントが見つかるはずです。

 
you can do it!
 
 

2.繊細で不安が強い子が「あと一歩」を踏み出せない理由

 
 

繊細さゆえに、何事にも慎重になってしまうお子さん。

 

 

・周りに聞くのをためらい、一人で悩みを抱えがち

・本当はやりたいのに、挑戦することを諦めてしまう

・「失敗したらどうしよう」という不安が常に付きまとう

 

 

このような傾向は、決して「甘え」や「ワガママ」ではありません。子どもの心の中で、強い葛藤が起きている証拠です。

 

 

人間は、失敗した経験を鮮明に記憶に残す習性を持っています。

これを「ツァイガルニク効果」といい、人は達成できなかったことや中断されたことを、達成したことよりも強く記憶に残す傾向があります。

 

 

この習性が、新しいことに挑戦する際の恐怖感をさらに強くしてしまうのです。繊細で不安が強い子は、この「失敗への恐怖」を人一倍強く感じています。

 

 

学校生活でも、失敗を恐れる場面はたくさんあります。

 

 

・聴覚過敏で、教室の大きな声に驚いた経験がある

・みんなの前で挙手や発表を促され、注目されるのが苦手になった

・無理やり集団に入れられ、居心地の悪さを感じた

・先生や友達に否定されたり、怒られたりしたことがある

 

 

これらのネガティブな経験が「挑戦は怖い」という気持ちを植え付け、子どもを足踏みさせてしまうのです。

 

 
 
理由がわかる
 
 

3.「あと一歩」が出ないHSCの娘にもどかしさを感じていました。

 
 

私の娘も、繊細で不安が強い子どもでした。

 

 

小学校高学年になり、委員会活動など初めての役割が増えると、さらに消極的になってしまいました。

 

 

特に苦手だったのが、みんなが集まって話し合う委員会活動です。

 

 

集団が苦手な上、挙手や発言など、注目されることへの抵抗がとても強く、委員会の仕事は一人でできるものだけをやっていました。

 

 

私は母子登校をしていたので、そばで娘の様子を見ていましたが、あと一歩が踏み出せない状況にもどかしさを感じていました。

 

 

そこで、私は「ある2つの声かけ」を試してみることにしたのです

 
 
もどかしい気持ち
 
 

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4.繊細な子の自己肯定感を高める具体的な声かけテクニック2選

 
 

繊細な子は、否定されたり怒られたりすると、そのダメージを何倍にも感じてしまいます。

逆に、褒め言葉は心に響きにくく、すぐ忘れてしまいがちです。

 

 

だからこそ、ただ「すごいね」「えらいね」と褒めるだけでは、あと一歩を踏み出す勇気には繋がりません。

 

 

大事なのは、「行動そのもの」を肯定する声かけです。

 

 

テクニック①:「実況中継」で行動を肯定する

 
 

子どもが「できるかな…やっぱりやめようかな…」と迷っている時こそ、その行動を言葉にして肯定してあげましょう。

 

 

「実況中継」のように、目に見える行動をそのまま伝えるのがポイントです。

 

 

・委員会の紙を見ながら悩んでいたら → 「委員会の紙をじっと見てるんだね」

・教室の前まで行ってウロウロしていたら → 「行こうと思って教室の前に立ったんだね」

・筆記用具を準備していたら → 「委員会の準備をしているんだね」

 

 

これは「すごい!」「えらい!」という評価ではなく、「あなたの行動は、ちゃんと見ているよ」というメッセージになります。

 

 

この「存在の肯定」が、子どもの心に安心感を与え、「やってみようかな」という小さな勇気を育んでくれます。

 

 

テクニック②:「前置き」で挑戦のハードルを下げる

 
 

「できるかどうかは別にとして」という魔法の言葉を前に置くことで、子どもの心の負担を軽くしてあげられます。

 

 

たとえば、委員会を決める時。

 

できるかどうかは別にとして、給食委員会と保健委員会、どっちに興味がある?」

 

 

こう聞かれると、「できなくてもいいから、何がしたい?」と聞かれているように感じませんか?

 

 

そして実際に委員会に参加するのをためらっていたら、
きっと○○ちゃんならできると思うんだけど、行ってみる?」と声をかけます。

 

 

このように「前置き」をすることで、不安の強い子でも「もしかしたら私にもできるかも?」と、挑戦へのハードルがグッと下がるのです。

 
 
できた!
 
 

この2つの声かけを実践した結果、娘は今まで躊躇していた「委員会の話し合いに参加する」という一歩を踏み出すことができました

 

 

このテクニックは、委員会活動だけでなく、家で宿題をなかなか始めない時や、学校に行き渋っている時、新しい習い事を怖がっている時など、「あと一歩」がほしいあらゆる場面で応用できます。

 

 

子どもの成長は、「できた!」という結果だけでなく、「やろうとした!」という過程を認めることから始まります。

 

 

ぜひ、お子さんの小さな一歩を「実況中継」で肯定し、「前置き」で背中をそっと押してあげてください。

 

 

きっと、お子さんの自己肯定感は高まり、やがて自分で力強く進んでいく未来が開けるはずです

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