笑っただけなのに「笑うな!」と怒る子どもに戸惑っていませんか?実はそれ、恥ずかしさや傷つきやすさのサインかもしれません。「笑われるのが嫌いな子ども」の心理と、自己肯定感を守る親の対応を具体例つきで解説します。
1.笑っただけなのに、なぜ怒る?「笑われるのが嫌いな子ども」の本音
子どもの何気ない言動に、思わずクスッと笑ってしまうこと、ありますよね。
かわいらしい仕草や、一生懸命な言い方を見て、つい微笑んでしまう──親としてはごく自然な反応です。
でも、その瞬間に子どもが急に不機嫌になり、「笑うな!」と怒り出したことはありませんか?
「そんなつもりじゃなかったのに…」
「どうして怒ったの?」
戸惑いや、少しの罪悪感を感じたママもいるかもしれません。
実は『笑われるのが嫌いな子ども』は、親に笑われたことで 「バカにされた気がした」「恥ずかしくて傷ついた」と感じていることがあります。
それはわがままでも、気にしすぎでもなく、子どもなりに自分を守ろうとする心の反応なのです。
まずは、子どもが「笑われるのが嫌」と感じる背景から、一緒に見ていきましょう。

2.なぜ「笑われるのが嫌」と感じるの?子どもの心に起きていること
子どもが「笑われた」と感じて怒ったり、傷ついたりするのには、ちゃんと理由があります。
それは性格の問題でも、親の関わり方の失敗でもありません。
子どもは大人よりも、表情や声のトーン、まわりの空気の変化にとても敏感です。
親が「かわいいな」「微笑ましいな」と思って笑ったつもりでも、子どもにとっては 「からかわれた」「否定された」 と受け取られてしまうことがあります。
特に、感受性が高く繊細さを持つ子どもは、人に笑われる場面で「恥ずかしい」「傷ついた」という気持ちが一気に強くなりやすいといわれています。
●理由1:不安に反応しやすい心のしくみ
繊細な傾向のある子どもは、不安や恐怖を感じると心が強く反応しやすいと考えられています。
たとえば、
人に笑われる
↓
「自分が否定された」「バカにされた気がする」
↓
不安や緊張が一気に高まり、怒りとして表に出る
という流れが起きることがあります。
この怒りは、わがままではなく、自分の心を守ろうとする反応。
「やめてほしい」「傷ついた」という気持ちを、まだ言葉でうまく伝えられないために起きているのです。
●理由2:成長のあらわれ(他人の目を意識できるようになった)
「笑われて恥ずかしい」 「変に思われたかもしれない」
こうした感覚が芽生えるのは、心の成長が進んでいる証拠でもあります。
心理学では、「自分を客観的に見る力」を『メタ認知』と呼び、小学校中学年ごろから発達するといわれています。
ただし、気持ちを感じ取る力が育っても、それを整理したり、言葉で伝えたりする力はまだ発達途中。
そのため、
「恥ずかしい」
↓
「嫌だった」
↓
「怒る」
という形でしか表現できないこともあるのです。

『ひといちばい敏感な子(HSC)』について、もう少し知りたい方へ
こうした繊細さは、『HSC』という気質の特徴として語られることもあります。
「もしかして、うちの子もそうかも?」 と感じた方は、 HSCの特性をチェックできるこちらの記事も参考にしてみてください👇
子どもが「笑われるのが嫌」と感じる背景は、
タイプによって少しずつ違います。
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子どもの感じ方の傾向がわかるチェックBOOKも
よかったら参考にしてみてくださいね。
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3.息子の気持ちに気づいてあげられなかった過去
子どもが「笑われるのが嫌」と感じる理由を知っていても、実際にその場に立つと、どう関わればいいのか戸惑ってしまう── そんなことはありませんか?
私自身も、頭ではわかっているつもりでも、いざ目の前で子どもが怒ったり泣いたりすると、「え、どうして?」と気持ちが追いつかなかった経験があります。
ここで、わが家の息子とのエピソードをご紹介します
ある日、息子が「ママ、聴いて!」とオリジナルの替え歌を披露してくれたことがありました。
私はその姿がかわいくて、思わず笑いながら「おもしろいね!よく考えたね」と伝えました。
ところが息子は急に不機嫌になり、「笑うな!」と怒り出したのです。
私は慌てて「すごいと思ったんだよ」「かわいかったから笑っちゃったんだよ」と伝えましたが、息子の怒りはおさまらず、とうとう泣いてしまいました。
「これはきっと、ひといちばい敏感な子ども(HSC)の特徴が出たんだな」と、改めて息子の敏感さを感じた出来事でした。

4.「笑われるのが嫌いな子ども」に安心を伝える声かけ・接し方
子どもが怒ったり泣いたりすると、つい「なんでそんなことで?」と言いたくなることもありますよね。
でも、「笑われるのが嫌」と感じたときの反応は、子どもなりに傷ついた気持ちを必死に伝えようとしているサイン。
大切なのは、その行動を止めることよりも、まず気持ちに安心を届けることです。
私は、息子がHSCであることを理解していたので、そのときは、「なんでそんなことで怒るの?」と責めず、息子の気持ちに寄り添うことを心がけました。
まず、「笑ってごめんね」と素直に謝り、息子の気持ちを代弁しながら、一緒に気持ちの整理をしました。
その時の親子の会話
私:「笑ったら嫌だったんだね(代弁)。ごめんね。どんな気持ちだった?」
息子:「嫌だった」
私:「そうかぁ、嫌だったんだね(共感)。
かわいいと思って笑っちゃったけど、イヤだったんだね。」
息子:「うん、嫌だった」
私:「じゃ、どうだったら良かった?(どうしてほしい?)」
息子:「かっこいいならいいかも」
私:「そっかー。“かっこいいね”って言ったらよかったのか」
息子:「うん」
この会話から、息子が「かっこいい」と認められたかったことに気づけました。
他人から見た自分の評価が、自分の気持ちと微妙に違うことに気づき、嫌だと感じてしまったのでしょう。
親が良かれと思った“かわいい”という言葉も、子どもにとっては「恥ずかしい」「バカにされた」と感じてしまうことがあります。
だからこそ大切なのは、親の気持ちを伝える前に、子どもがどう受け取ったかに目を向けることなのだと感じました。

5.子どもが「笑われても大丈夫」と思えるようになるために
「笑われるのが嫌」という気持ちは、子どもにとってとても繊細で大切な感情です。
HSCの子どもにとっては、自分を守るための反応であり、成長のあらわれでもあります。
親としてできるのは、その感情を否定せずに受けとめること。
そして、子ども自身が「大丈夫」「自分には価値がある」と思えるように、自己肯定感を育んでいくことです。
自己肯定感は一朝一夕に育まれるものではありませんが、幼児期は育みやすい時期でもあります。
日々のちょっとした共感や前向きな声かけが、その土台になります。
HSCの子どもは、繊細だからこそ、豊かな感受性と深い優しさを持っています。
「笑われるのが嫌い」と感じる子どもの背景を知り、寄り添う関わりを続けることで、子どもが少しずつ「大丈夫」と思える力が育まれますよ。

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我が子のタイプを知ることが助けになります。
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