自閉スペクトラム症傾向の白黒思考にどう対応する?アスペルガータイプの子どもへの上手な関わり方

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自閉スペクトラム症(ASD)・アスペルガータイプのお子さんの『白黒思考』にどう対応したらいいかわからず、悩んでいるママはいませんか?『白黒思考』は、自閉スペクトラム症(ASD)・アスペルガータイプの子どもによくある特性です。本記事では、白黒思考によりネガティブな感情を溜めさせない!ママの上手な関わり方についてご紹介します。
 
 

1.子どもの白黒思考にどう対応したらいいかわからずにずっと悩んでいました…。

 
 
私の息子は自閉スペクトラム症の傾向があり、アスペルガータイプの特性を持っています。
 
 
そんな息子の行動で、どう対応したらいいのか、ずっと困っていたことがありました。
 
 
それは、とっても楽しい日を過ごしたのに、少し嫌なことがあると、ネガティブな思考に引っ張られ、結果楽しくない日として思い出を残してしまうことでした。
 
 
例えば…
 
 
以前、春休みに家族で子どもたちがずっと行きたがっていた大きな公園に連れて行った時のことです。
 
 
ずっと楽しみにしていたお出かけだったので、息子は朝から上機嫌で、とても早く起きて準備を、ルンルン気分で出発しました。
 
 
いろんな遊具で遊んだり、ピクニックやサイクリングをしたりと、子ども達のやりたいことを思いっきり叶えた1日でした。
 
 
息子自身も終始笑顔で、とても楽しいお出かけになるはずだったのですが…
 
 
事件は帰り道で起こりました。
 
 
息子が帰宅中の車の中から、クレープ屋さんを見つけ「クレープを食べたい」と言い出したのです。
 
 
反対車線にあるお店でしたし、時間もなかったことから、クレープ屋さんには行くことができませんでした。
 
 
「遅くなるから、またにしようね」と息子をなだめ、家に帰ってきたのですが…。
 
 
その後、息子の機嫌は一気に悪くなり「今日はつまらない日だった。オレは来なければよかった。最悪な日だった」
 
 
と言い出し、車中でもずっとそれを言い続けたため、せっかくの楽しい1日が、どんより暗い雰囲気になってしまいました。
 
 
この日のことは一例で、これまでこういったことが度々起こるので
 
 
「なんでこの子はこんな極端な考えしかできないのだろう?」とずっと悶々としていました。
 
 
考える女性
 
 

2.白黒思考は自閉スペクトラム症(ASD)アスペルガータイプの特性だった!

 
 
このような特有な考え方は、『白黒思考』と言い、自閉スペクトラム症(ASD)アスペルガータイプの子どもによくある特性です。
 
 
現在はアスペルガーという正式な診断名ではありませんが、知的障害やことばの遅れはないものの、コミュニケーションでうまくいかないことが多いという特徴を強く持つ意味で、現在でも状態を表す言葉として使われることがあります。
 
 
自閉スペクトラム症(ASD)・アスペルガータイプの子は他に、ネガティブな感情を溜め込みやすく、こだわりが強いという脳の特性もあるため、白黒思考を助長させていると考えられています。
 
 
白黒思考の例として
 
・失敗を極端に恐れる
・0か100かで物事や他人をとらえてしまう
・なんでも一番でないと気に食わない
・人の好き嫌いがハッキリしている
・興味・関心ごとのある無しが明確である
・ルール通りやらないと気が済まない
 
などがあげられます。
 
 
白黒思考の子どもは、少しでも間違ったことをしてしまうなど、ネガティブな経験をすることで、マイナス思考に陥りやすい傾向があります。
 
 
また、白黒思考により、自分の思いや正しいと思ったことに固執する傾向があります。
 
 
「やりたい!」と思う気持ちが通らなかった時、家族との意見が食い違ったりすると、相手の考え方を理解できないため、親に反抗的な態度をとることもあるかもしれません。
 
 
さらに、アスペルガータイプの子どもは特に、まだ脳が未熟なため、感情を上手に処理することができません
 
 
白黒思考によって芽生えたネガティブな感情を上手く処理できず、どんどんマイナス思考になってしまうこともよくあります。
 
 
ASD
 
 

3.ネガティブな感情を溜めさせない!ママの上手な関わり方

 
 
白黒思考は自閉スペクトラム症・アスペルガータイプの脳の特性から起こるものです。
 
 
子どもの白黒思考に親が対応するためには、脳の特性を理解する必要があります。
 
 
そして、脳の特性を理解し、その子どもに合った関わりをすることで、子どもの脳を伸ばすことができ、白黒思考と上手に付き合うことができるようになります。
 
 
白黒思考のお子さんの思考の癖を治すことは、難しいかもしれませんが、白黒思考によって芽生えたネガティブな感情を溜め込まない工夫は、普段の関わりの中でできることです!
 
 
まずは、ネガティブな感情を溜め込まないよう親子の関わりを見直していきましょう。
 
 
方法はとてもシンプルです!
 
 
子どもの脳がネガティブな感情を溜め込まないためには、周りの大人が肯定的な関わりを継続して行い、子どもに自信をつけさせることが重要です。
 
 
普段の生活では常に肯定的な声かけをし、子どもにとってママは安心できる存在であることを態度や行動で示していきましょう。
 
 
例えば
 
 
「起きてすぐ着替えたね!」
 
 
「お皿下げてくれたんだね。ママ助かるよ。ありがとう!」
 
 
など、「今できていること」に目を向けて、それを言葉にすること、
 
 
そこにプラスして、ママの嬉しい気持ちも伝えることが効果的です!
 
 
万が一、ネガティブな感情が出た時は、それをとがめることはせず、「大丈夫だよ」「安心してね」と大きな心で受け入れるように心がけてください。
 
 
意識しないと、つい「よくない行動」には口を出したくなりますが…否定的な言葉かけは、子どもの自信を奪ってしまうことに繋がります。
 
 
特に白黒思考の子どもは否定的な言葉かけにより、ネガティブな感情を溜め込んでしまうので注意が必要です。
 
 
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4.白黒思考とうまく付き合えるようになりました!

 
 
このような関わりを続けた結果、我が家では、息子の白黒思考によるネガティブ感情に振り回されることがぐっと減っていきました
 
 
現在は、以前なら機嫌が悪くなってしまっただろう状況が起こっても、マイナス思考に陥ることなく、1日楽しく過ごすことができています。
 
 
子どもの脳の特性を知ることで、ママの関わりによって改善できるものであることを、結果として実感できたことが嬉しく、関わりを見直したことで親子関係も深まったように感じています。
 
 
お子さんの白黒思考にお困りの方はぜひ実践していただき、ママの関わりを変えることでお子さん自身が変わっていくことを実感していただきたいと思います。
 
 
親子
 
 
執筆者:いいだ まや
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
 
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