発達障害のお子さんの宿題、スムーズに進んでいますか?私の息子は自閉スペクトラム症(ASD)です。何を言っても宿題を拒否し続け、家で宿題をしない息子。そんな息子に対して私もいつもイライラしていました。しかし、あることがきっかけで、息子は宿題を意欲的にするように…。本記事では、息子が宿題をするようになったきっかけをご紹介します!
1.宿題をしない発達障害の子どもにイライラしていませんか?
発達障害のお子さんの宿題は、ママのサポートが必要な場合が多いと思います。
お子さんは、スムーズに取り掛かることができていますか?
宿題をやらないお子さんに対して「宿題しなさい!」「早く終わらせて!」と毎日叱ってしまい、イライラしているママはいませんか?
普段から気持ちの浮き沈みが激しかったり、こだわりがあったり、苦手なことが多い発達障害の子どもたち。
「宿題をしよう」とやる気にさせるのは、結構、難しいことですよね…。
本記事では、お子さんの宿題問題にイライラしてしまうママへ、発達障害の子どものやる気をUPさせる秘訣をご紹介します。
2.なかなか宿題をしない自閉スペクトラム症(ASD)の息子にイライラしていました…。
私の息子は、自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けています。
小学校1年生の夏休み明けから登校しぶりが始まり、母子登校を続けていましたが、小学校3年生から支援学級へと転籍をしました。
小学校に入った時から、ずっと抱えていた悩みが宿題をしないことでした。
登校しぶりがひどかった頃は、分離不安が強く、私にべったりで離れることができなかったため、勉強なんて二の次で、心のケアに集中していたのですが、
徐々に分離不安の症状が和らいできた頃から、学校で授業も受けられるようになり、少しずつですが勉強もする時間が増えていきました。
当然、授業に参加するということは、先生から宿題も出されるように…
持って帰ってきた宿題を家でするように私が促すと、息子は宿題という言葉を聞いただけで嫌悪感を示し「嫌だ!」「しない」といつも拒否をしていました。
「ただでさえ、学校の勉強が遅れているのに…」
宿題をすることで少しでも学校の勉強に追いつこうと必死だった私は、嫌がる息子に厳しい態度で毎日「宿題をしなさい!」と口癖のように言ってしまっていました。
勉強のサポートをしようとこちらが必死になればなるほど、息子は嫌がり、うまくいきませんでした。
最終的に、私のイライラが爆発し「いい加減にしなさい!」「宿題なんだから、やりなさい!」と叱っていました。
3.発達障害(ASDタイプ)の子どもが宿題にとりかかれない理由
発達障害の子どもが宿題にとりかかれない理由として、「気が散りやすい」「集中ができない」などの様々な理由がありますが、
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、発達段階や状況によりますが、疲れを感じやすい特性が関係していることがあります。
学校は、見通しが立たない状況で生活をしたり、新しいことへ挑戦したり、周りとの協調性を求められたりする場です。
ASDの子どもは、これらの状況を苦手とするお子さんが多いと思います。
ASDの子どもは、学校生活で想像以上に疲れを感じてるのです。
一日中学校で生活し、疲れて帰ってきて、ゆっくりリラックスしたい時に、ママからイライラした声で「宿題やりなさい!」と叱られる…。
子どもにとっては最悪ですよね…。
私たち大人の生活に例えるなら…
今日の予定が立たない状況で仕事に行き、突然新たなプロジェクトに参加して意見を求められ、様々な人との意見交換会に参加する
どっと疲れて家に帰ってきたら、持ち帰りの仕事がどっさり残っている。
そんな時にご主人から「残りの仕事、早くしろ!」なんて言われたら?
想像するだけで、げっそりしてしまいます…。
4.スモールステップで進める『宿題の量』がカギ
そうは言っても、ほとんどの学校で、宿題はほぼ毎日出されます。
宿題をする?しない?発達障害の子どもの宿題問題にどう対応すればいいのでしょうか?
家庭での宿題問題を解決するポイントは『宿題の量』です!
担任の先生に思い切って相談し、宿題の量を調節してもらいましょう。
発達障害の子どもの宿題は、先生が適切な難易度と宿題にかかる時間などを鑑み、その子の状況に応じて出してくれています。
ですが、学校の先生は、家庭で取り掛かることに時間がかかったり、親子バトルに発展してしまっている状況は知らないはずです。
家庭で宿題が進まないことや、親が対応に困っていることを相談してみてください。
そして、宿題をスモールステップでやっていきたいと相談してみましょう。
例えば、
・音読であれば1行読むところからスタートしたい
・プリントが裏表あるのであれば、表だけ、裏は翌日の課題にしたい
・日記は、本人が口頭で伝えたことをママが書いて提出します など
必ずクリアできる宿題の量にしてもらい、スモールステップでクリアしていく工夫が大切です。
なぜならば「これならできそう!簡単だよ!」というくらいが子どもも取り掛かりやすく『小さなできた!』が積み重なっていくからです。
この『小さなできた!』が積み重なっていけば、それが自信へ繋がり、次への意欲を生みます。
5.ずっと宿題をしなかった息子の変化
いつも親子で、宿題バトルを繰り返していた我が家ですが、先生との連携を強化して、宿題について相談をする時間を作りました。
現状をお伝えし、こうやっていきたいと話しました。
・音読は一行からスタートさせて欲しい
・プリントは、必ず解けるレベルのものを出して欲しい
・日記はママが書いていく
以上の3点をお願いして了承いただき、実践しました。
我が家の変化は、まず宿題バトルが無くなりました。
音読は、一行からスタートしましたが、日毎に行数が増え、「十行読むから聞いて!」と本人が言い始め、すぐに十行が定着しました。
プリントは「これはできる!簡単!」と思うくらいのレベルを出してもらいました。
「お!いいね!」
「もう半分終わったの?」
「順調だよ〜」
と声かけが変わることで、息子の「やりたい」を引き出すことができました。
今では、「宿題やろうか〜」というと、すぐに取り掛かるように変化しました。
日記は、書くことが苦手な息子にとって難題でした。
「うーん」「なんだろう」となかなか言葉が出てこないこともありましたが、会話をしながら進め、本人が言ったことをそのまま、私が書いていくようにしました。
悩みながら発言をしていたのが、最近ではスラスラと言葉が出るようになりました。
思い切って先生に相談してよかったと思いますし、先生からも「十行読めたのすごいね」「プリント毎日頑張っているね」とできたことを褒めてもらい息子の自信になっています。
発達障害の子どもの宿題問題は、ママだけで抱え込まずに、担任の先生と相談をしながら、お互いに頑張りすぎないサポートができることがベストです。
宿題が嫌なイメージとして記憶に残らないように、サポートし「小さなできた!」を積み重ねていきましょう。
執筆者:堀このみ
発達科学コミュニケーション トレーナー