子どもの癇癪に振り回され、お疲れのママはいませんか?すぐに癇癪を起こす子どもは、わがままに見えることもしばしばあり、厳しくしつけようと考える方もいると思います。この記事では、肩の力を抜いて、しつけない子育てのテクニックをご紹介します。
1.すぐに癇癪をおこす子どもに振り回されて疲れていませんか?
ちょっと嫌なことがあるとすぐに癇癪を起こしてしまう、
ママが注意をすると癇癪を起こす、
こんなお子さんに悩んでいるママはいませんか?
子どもがちょっとしたことですぐ癇癪を起こしたりすると、ママの感情も揺さぶられて、イライラしてしまったり、大きな声で怒ってしまったり、
あるいは癇癪が起きないように気を使ったりということもありますよね。
このような状態が毎日続けば、当然ママもヘトヘトになってしまいます。
実は、私もそんな悩みを持つ一人でしたが、ある対応を学び、とても楽になりました。
この記事では、私たち親子にも効果のあった、子どもの癇癪が落ち着き、穏やかになる、ママの対応をご紹介します。
2.癇癪=わがまま?厳しくしつけようとして空回りしていた過去
私の現在小学5年生の娘は、幼児期から気に入らないことや思い通りにならないことがあるとすぐに癇癪を起こしていました。
その頃私は、これは娘のわがままだと考え、小さいとは言え、甘やかしてはいけない、と我慢することをしつけようとしてきました。
もう少し大きくなれば、聞き分けられるようになるだろうという淡い期待もありました。
しかし、小学校に入っても癇癪は収まることはありませんでした。
それどころか、小学校に入って登校を渋るようになると、癇癪は更にひどくなっていきました。
特に、できていないこと、気の進まないことを指摘されるとすぐに「キー!」っとなって癇癪を起こしていました。
・朝起こすと、起きたくない!と怒る
・朝の身支度が進まないので注意すると怒る
・宿題をやりたくない!と怒る
・習い事に行きたくない!と怒る
・ご飯を食べに来ないので注意すると怒る
・お風呂に入らないので注意すると怒る
などなど、日常生活のあらゆる場面で癇癪を起こしていました。
こうした娘の姿に危機感を覚えた私は、もっと厳しくしつけなければ!と思い、娘に対して突き放すような態度を取ったり、娘の感情につられて大きな声で怒ってしまうという対応をしていました。
3.子どもの癇癪はただのわがままではない理由
自閉スペクトラム症(ASD)傾向のある子どもたちは、こだわりが強かったり、感情のコントロールが苦手という特性があるため、自分の想い通りにならないときに癇癪を起こしやすいと言えます。
ちょっとしたことで癇癪を起こしてしまう裏側には、こうした発達の特性が隠れているかもしれません。
また、ASDグレーゾーンの子どもたちは、
・行動の切り替えが苦手
・見通しを立てるのが苦手
・手先が不器用
・他の人のペースに合わせるのが苦手
など、様々な苦手を抱えていることが多いのです。
そのため、学校などおうちの外で上手くいかない経験をし、ストレスを抱えてしまうということもあります。
このような理由から、学校から帰った後もダラダラしているように見えたり、
学校への苦手意識から、朝起きるのが億劫になったり、朝の身支度が進まなかったりというようなことが起こります。
しかし、そこへママから「まだ〇〇してないの!?」「早くしなさい!」などと注意されると癇癪を起こしてしまうのです。
このように、子どもたちの癇癪や困った行動には、発達の特性が大きく関わっており、ただの「わがまま」ではありません。
ましてや、ママの育て方が悪いわけではありません。
子どもの特性や関わり方を知らなかったからです。
実際に私自身も子どもの発達特性について知識もなく、無理解だったことで、娘のこうした態度を「わがまま」や「甘え」と捉え、厳しくしつけて矯正しようという発想に陥ってしまっていました。
しかしASDグレーゾーンの子どもたちにとって厳しいしつけは、火に油を注ぐようなもので、逆効果になってしまうのです。
4.しつけない子育てのススメ
まずは、子どものできていることを見つけ、こまめに「〇〇できたね!」と認める声かけをしてあげましょう。
何かすごく良くできたことを褒めるわけではありません。
「お着換えしてるんだね!」、「歯磨きしてるんだね!」など、日常生活の中でできていること、今していることを言葉にしてあげます。
そして、それと同時に、できていないことについては、一旦スルーします。
今まで、ガミガミ言ってしまっていたママの中には、我慢するのが難しい…という方もいるかもしれません。
「本当に注意しなくて大丈夫なの?」と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、騙されたと思ってぜひやってみていただきたいです。
『行動を認める声かけとできていないことをスルーする』これをセットでやっていくと、驚くほど子どもの癇癪が減り、穏やかになっていきます。
そうすると、ママからの指示も素直に聞くことができるようになってくるのです。
私が厳しくしつけることを辞め、この対応を実践するようになって、たった2週間ほどで娘の癇癪は激減しました。
いつもムスッとした顔で怒っていた娘の表情も和らぎ、笑顔も増えました。
子どもの感情が穏やかになったことで、私自身にも余裕ができ、今では子どものできていないことに対しても「まぁ、いいか」と気楽に捉えることができるようになりました。
ママが対応を変えることで、子どもの反応は驚くほど変わります。
ガミガミ怒ったり、厳しくしつける子育ては終わりにして、しつけない子育てを試してみませんか。
執筆者:中川 まさみ
発達科学コミュニケーション リサーチャー