1.ASDの子どもがゲーム・YouTubeをやめない。その悩みに疲れていませんか?
✔️「そろそろやめようね」と声をかけても、まったく聞こえていないように画面を見続ける。
✔️タイマーをセットしても、時間が来た途端に不機嫌に。
✔️無理に終わらせようとすると、怒り出したり泣き叫んでしまう。
——そんな場面に困っているママはいませんか?
特に ASD(自閉スペクトラム症)傾向のある子どもは、好きなことに集中しやすく、いったん始めると止まらなくなることが多いものです。
ママは「やめなさい」「宿題は?」「もうご飯だよ!」と、1日に何度も声をかけることになりますよね。
しかし、言えば言うほどイライラは募り、子どもも疲れ、親子でヘトヘトに…。
でも、安心してください。
あなたが悪いのではありません。
そして、お子さんに我慢が足りないわけでもありません。
“やめられない”には ちゃんと理由があります。
その理由を知り、ASDの特性に合わせた関わり方ができると、切り替えが少しずつスムーズになります。

2.【実体験】我が家も“ゲーム三昧”で毎日ヘトヘトでした
私の息子も、小学生のころは ゲームとYouTubeに夢中でした。
学校から帰ると、ランドセルを投げて すぐ画面の前へ。
「宿題をしてからにしようね」と言っても、返事はなし。
何度声をかけても だんまり → 無視 → 逆ギレ…。
「時間を決めよう」と約束しても、タイマーが鳴った瞬間から戦いが始まります。
「まだ最後まで見てない!」
「あと一回だけ!」
「今やめろって言われたら無理!」
こちらだって言いたくなります。
「なんで約束が守れないの?」
「いい加減にしてよ!!」
すると息子は大声で泣き叫び、癇癪。私も泣きたくなりました。
その時は本気で思いました。
「私の育て方が悪いの?母親失格?」
「なんで普通にできないの…?」
でも、違いました。
息子が「やめられなかった」のは 息子のせいでも、私のせいでもなく、ASDの脳の特性の影響だったのです。
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3.ASDの子どもがYouTubeを“やめられない”本当の理由
理由①:時間の感覚がつかみにくい
ASDの子どもは
・「あと5分」
・「そろそろ終わり」
といった 抽象的な「時間の見通し」 を理解することが難しいことがあります。
そのため、「終わりの時間になるまで、終わりが来ることに気づけない」のです。
理由②:気持ちや活動の切り替えが苦手
YouTubeは楽しいことが連続で続きます。
楽しさ → 終わりに切り替えるのは 大きなストレス。
ASDの子どもにとって「切り替え」は、大人が思う以上に負担が大きいのです。
理由③:学校などでの疲れやストレスを回復している
ASDの子どもは、
・人間関係の気疲れ
・感覚の刺激
・集団生活の緊張
など、毎日かなりのストレスを抱えています。
そのため、家に帰ると YouTubeが心の回復の時間になっていることがあります。

4.まずはここから|“やめられない”を減らす親の実践ステップ
◆ステップ①:始める前に「終わり」を決めておく
やり始めてからやめさせるのは、最も難しい方法です。
始める前に「終わり方」を合意することが、子どもが気持ちよく終わらせることができる最大のコツです。
例:回数で決める(YouTubeに相性◎)
「今日は3本見たらおしまいにするね。見る動画は最初に一緒に決めよう。」
例:時間で決める
「タイマーが鳴ったら一緒におやつにしようね。」
ポイント:合意が大事
「守りなさい」ではなく→ “一緒に決めよう” の姿勢で。
◆ステップ②:「終わり」を目に見える形にする
言葉より 視覚 が効果的。
・タイマー
・砂時計
・「残り○本」と書いたカード
→ 子どもが 終わりを自分で確認できる ようにする。
◆ ステップ③:「終わりのあとは楽しみ」を用意する
終わりが「ただのガマン」だと、子どもは必ず反発してきます。
そこで、切り替えやすくするように、『次の楽しみ』を作りましょう。
例:
・おやつ
・ママとカードゲーム
・犬の散歩
・おしゃべりタイム
「終わりはイヤ」から→ 「終わったら次がある」 へ。
◆ステップ④:上手くできたらすぐ言葉で褒める
・「約束守れたね!」
・「切り替えできたね。」
・「自分で止まれたのすごいね。」
できた瞬間に言葉でしっかり伝えることが、次につながる力になります。

5.まとめ|“やめられない”は、工夫で“やめられる”に変わる
ASDの子どもがYouTubeをやめられないのは、
意志が弱いからでも
甘えているからでも
親のしつけが悪いからでもありません。
脳の特性と、心を守るための習慣が理由です。
だからこそ、
責めるのではなく、見通しと安心をセットにした関わりが必要なのです。
少しずつで大丈夫。
今日から、親子の「できた」を増やしていきましょう。
あなたとお子さんの毎日に、少しでも穏やかな時間が戻りますように。







