突然の行き渋りや登園拒否。何が正解かも分からず、不安定な子どもの対応で心をすり減らしているママはいませんか?この記事では、「行きたくない」という子どもを受け入れ、迷わず対応できるようになるとってもシンプルな2ステップをご紹介します。
1.毎朝の子どもの対応に困り、心をすり減らしていませんか?
子どもが保育園や幼稚園、学校に「行きたくない」と言ったとき、どんな対応をしていますか?
体調が悪くないのなら毎日行くのは当たり前。
一度でもずる休みしたらこのまま行かなくなってしまうのではないか?
行ってしまえば過ごせてるんだから大丈夫。など、様々な思いがめぐってしまいますよね。
とにかく行かせようと「今日の給食は大好きな唐揚げだよ~」と言ってみたり、
「お友だちや先生が待ってるよ」とその気になるような声かけを試みているのではないでしょうか?
または、泣いていようが無理やり引っ張って先生のところまで連れていく、という経験のあるお母さんもたくさんいらっしゃると思います。
毎朝のやりとりに心をすり減らしていませんか?
子どもの「行きたくない」をどうしても受け入れることができない。
一人でなんとかしようと必死に頑張っているお母さんに、私がその気持ちをどう乗り越えてきたかお伝えしたいと思います。
2.行き渋りから不登園になり、息子も私もボロボロでした
私には登園渋りから不登園になった年中の息子がいます。
年少の秋から「幼稚園行きたくない」と行き渋りが始まりました。
息子の思いを尊重したいと思いつつも
「シール帳だけ貼りに行こう」
「先生が心配するから会いに行って『今日はお休みします』って伝えてこよう」
などと、なんとか幼稚園に連れ出していました。
当時は、短時間でもいいから園で過ごせるようにと必死でした。
このままでは全く行かなくなってしまうという怖さが私の中にありました。
どうしても「ムリ!」とお休みした日は「明日は行くよ」という息子の言葉を信じて、ゆっくり家で過ごすようにしました。
ところが、朝を迎えると「行きたくない」という子ども。
「なんで?」「どうして?」という思いが先走り、
子どもの気持ちに寄り添うことができず「(休んで)いいよ」の一言が言えずにいました。
言えたとしても、心からではなく、内心イライラしており、態度や表情、声色に出ていたでしょう。
そのうち、朝起きられない・腹痛・食欲減退・頻尿など身体にも症状が出てきたため、しばらくの間幼稚園をお休みすることにしました。
その間、行事だけ母と参加するという形をとっていました。
ちょっと休めばよくなるだろうと思っていましたが、進級してからは行事への参加も難しくなり、ますます幼稚園からは離れてしまい、再登園への兆しは見えなくなってしまいました。
不登園になってから、口癖のように「ママがいい」と言い、一日中私の膝の上に座っていたこともあります。
自分から動いて遊ぶことができなくなり「ママは何がしたい?」といつも不安そうだったり、ご飯を一人では食べられなくなり膝の上で食べさせたりしていました。
幼稚園に上がって自分でできることが増えてきたと思ったら、赤ちゃんの頃に逆戻りして、子どもに付きっきりの生活が始まりました。
とにかくママべったりでトイレにも自由に行けず、自分の時間がなくなってしまった私は、
「お願いだから一人にして!」と心の底から叫んでいました。
身体症状にまで出ている息子を幼稚園には行かせられないけれど、このままでは私もどうにかなってしまうと、常にイライラ、シクシクしていました。
子どもに対して、優しくできる自分ときつく言ってしまう自分がいて、自分の対応がブレブレでどうしていいか分からず困っていました。
3.「行きたくない」が受け入れられないそのワケとは?
私がなぜ子どもの「行きたくない」を受け入れることができなかったのか、自分自身を深堀りしていくとあることに気が付きました。
子どもよりも世間体や自分の思いを優先していたからです。
「子育てできない親」
「甘やかしすぎている」
「幼稚園からこんなんで小学校に行ったらどうするのか」
といった他者の目を必要以上に気にしすぎていました。
実際には誰にも言われていないのにそう思われているようで、「ちゃんとさせなきゃ!」と何かに駆られるような気持ちで焦りもありました。
この先、学校も行けなくて社会に出られず引きこもりになったらどうしよう…とまだまだ先のことを心配して「今」の息子の状態に気づいてあげられませんでした。
私がなんとか登園させようと一生懸命になればなるほど、息子にきつい口調になってしまい、息子もどんどん荒れていくという悪循環に陥りました。
それを断ち切るためには、まずは母である私が変わらなきゃと思いました。
薄々どこかでは「自分の問題だ」と感づいていたものの、自分自身に目を向けるのが怖くもありました。
それは私自身のダメな部分をさらけ出すように感じていたからです。
しかし、発達科学コミュニケーションに出会い、同じような境遇のママさんたちと交流することで「一人じゃない」安心感が生まれました。
この状況で生き生きと生活している先輩ママのお話を聞き、視点を変えることで様々な変化を目の当たりにしてきたのです。
4.子どももママも変化する!シンプルな2ステップ
どのように視点を変えたのか、というと次にご紹介する2ステップで私も息子も変化していきました。
ステップ1:知ること
子どもの状態を観察してよく知ること、自分自身のことを深く知ること、
そうすると自ずと今までとは変わった声かけや考え方ができるようになってきました。
不登園になったとき、息子にはもう外に出るエネルギーがありませんでした。
母である私は「なぜ行かないのか?」原因を探ろうとしてそれを取り除くことに躍起になっていました。
しかし、発達科学コミュニケーションで脳科学を学ぶことで、息子の特性を理解し、なぜこのような行動が現れているのか少しずつ分かってきました。
そして、不登園になってしまったのも決して親のせいではないということが分かり安心しました。
今はおうちでエネルギーを貯めて自信を取り戻していく時期なんだと決めて、子どもへの接し方を変えていきました 。
子どものことが分かったら次に自分です。
これが一番難しかったのですが、前述したように、なぜ「行きたくない」を受け入れられないのかということについて自分と向き合いました。
発達科学コミュニケーションに出会い自分自身のことを更に知ったことで「変わらなきゃ」から「変わりたい」と思うようになりました。
ではどのように変わっていったのか、次のステップです。
ステップ2:できていることに注目
息子と私、それぞれができていることを言葉にするだけです。
「朝起きれたね」
「一口食べられたね」
「おもちゃきれいに並べたね」
など、子どもをよく観察していると、できていることはたくさんあります。
私自身も
「掃除機がかけられた」
「早く起きれた」
「子どもに笑顔が向けられた」
など、できたことを敢えて書き出してみると「私こんなにできてる!すごい!」と自分にもハナマルを送れるようになっていきました。
子どもも私もできたことが言葉になっていくと、どんよりした気持ちが明るくなって笑顔が戻ってきました。
すると「あんなに辛かった経験も頑張ってきた」と過去の自分も認めてあげられるようになったのです。
とてもシンプルですが、これを繰り返すことでメンタルが落ち着いてきます。
見落としがちですが、どうかママ自身も心の声に耳を傾けて自分のことをぎゅっと抱きしめてあげてください。
すると自然と口から出てくる言葉もやわらかくなり、子どもにも届きやすくなります。
5.苦しい子育てから楽しい子育てに変えていきましょう
できていることに注目された息子はめきめきと自信を取り戻し、新しい幼稚園で新生活を送っています。
あんなにママべったりだった子が自分で着替えをし、ご飯も一人で食べられることが増えてきました。
週2~3日の付き添い登園から少しずつ母と離れられる時間を伸ばしていき、今では毎朝、門でバイバイをし一人で保育室に入っていきます。
転園は親子での挑戦でしたが、不登園期間におうちで育んだ自信があるから私も息子も「大丈夫」と思えます。
もちろん「行きたくない」という日もありますが、「なんで?」は言わずに「行きたくないんだね」とオウム返しするようにしています。
すると自分から「給食がいやだ」など理由も話してくれるようになりました。
そして私自身も「行きたくないなら無理しなくていい」という考えに変わってきました。
当たり前のように行くものだと思っている幼稚園や小学校にある日突然「行きたくない」と言われたらお先真っ暗に思えて当然です。
悩み苦しむほどお子さんのことを愛している証拠です。
これまで頑張ってきたご自分に拍手を送ってあげてください。
私自身も頑張っている自分に注目してねぎらうことで、もっと子育てをよくしたいという気持ちが湧いてきました。
自分の子育てがブレブレで困っているお母さんはまず、自分の気持ちに気づいてハナマルを送ってあげてくださいね。
子どものこと、自分のことを「よく知る」、そして「できたことに注目」の2ステップで苦しい子育てから楽しい子育てに変えていきましょう!
執筆者:渡辺 さくら
発達科学コミュニケーション リサーチャー