年長なのに泣いて離れない…、そんな母子分離不安に悩むママへ。この記事では、「甘やかし」と「甘えさせる」の違いや、実際に母子分離不安が和らいだ体験談を紹介します。朝のたった5分の関わりで変わった安心づくりの方法もお伝えします。
1.年長なのに泣いて離れない子に悩んでいませんか?
保育園に送っても「行かない!」と泣いて離れない我が子…。
他の子ども達は笑顔で登園する姿を見て、「もう年長なのに」「甘えさせすぎなのかな?」と心がざわつくママも多いのではないでしょうか。
ですが、「甘え」は悪いことではなく、安心の土台を育てる大切な心の栄養なんです。
母子分離不安の子がママにべったりするのは、「安心したい」という自然なサイン。
「安心」が満たされることで、少しずつ自分から離れられる力が育っていきます。

2.“ママから離れられない”息子との朝で気づいた、母子分離不安というサイン
母子分離不安とは、ママやパパなど安心できる人と離れるときに強い不安を感じる状態のこと。
正常な発達段階の1つです。
母子分離不安について、こちらの記事で詳しく解説しています👇
中には、3歳以降になってもママやパパと離れることに強い不安を感じてしまう子どもがいます。
息子もそうでした…。
息子にも次のようなサインがありました。
・登園・登校時に泣く
・「迎えにくる?」を何度も聞く
・1人で寝れない・トイレに行けない
・私と少しの間でも離れるのを異常に嫌がる
・私が外出すると居場所を気にする
・私が事故に遭わないか異常に心配する
・私の言うことが信じられず不安になる
私は、最初は「極度の心配性なのかな?」と思いながらもどう関わればいいのかわからず、「そんなことないから大丈夫だよ!」と声をかけていました。
しかし、年長時の12月、登園しぶりが一気に強くなりました。
小学校入学を控えた不安や発表会を終えた後の燃え尽きも重なっていたのかもしれません。
息子は、朝から泣き叫び、保育園に行くのを抵抗する朝が続きました。
当時の私は、息子が泣き叫ばないよう先回りし、言い聞かせ、なんとか登園させようと必死でした。
今思うと、完全に息子に振り回されていました。
そのうち、私が朝が来るのが憂鬱になり、どう対応したらいいのか分からなくなっていました。
そんな時に知ったのが、「母子分離不安」という言葉。
それをきっかけに、息子の安心をどう育てていくか考え直すようになりました。

3.「甘やかす」と「甘えさせる」の違いを知ろう
私が迷っていたのが、「どこまで甘えさせていいの?」という点。
ここで大事なのは、「甘やかす」と「甘えさせる」は違うということです。
・甘やかす
子どものわがままを受け入れる
ルールを緩める
ルールを緩める 親が振り回される
・甘えさせる
不安な気持ちを受け止める
安心を与える
親が落ち着いて寄り添う
子どもの不安な気持ちに「そう思うんだね」と共感し、気持ちを吐き出させ、落ち着いたら選択肢や提案の言葉を伝える。
これが「甘やかす」ではなく「甘えさせる」対応。
これができると、子どもは「行ってみようかな」と自分で一歩を踏み出す勇気を持てるようになります。

4.母子分離不安の子を安心させる甘えさせ方
① 不安を否定せずに受け止める
「泣かないで」「頑張って!」ではなく、「そっか、そうなんだね」と気持ちを受け止めましょう。
子どもの不安を消そうと、励ましたり、元気づけようと色々声をかけたくなりますが、ママの気持ちは保留し、子どもの気持ちを受け止めてあげるだけで大丈夫です。
「分かってもらえた」と感じるだけで、不安が和らぎ、気持ちが落ち着いていきます。
② 朝の5分「安心チャージ」の時間をつくる
我が家では、登園前に朝の5分間だけ一緒に遊ぶ時間を取り入れました。
ブロックで飛行機を作ったり、その当時、息子がはまっていた自転車を玄関前で少しだけ乗る日もありました。
ほんの短い時間でも「息子のやりたいことを笑って楽しく過ごす」ことを意識しました。
③ 再会の時間を大切にする
登園を頑張ったあとは、たっぷり甘えさせる時間をつくりました。
「今日も頑張ったね」「ママも会いたかったよ」と笑顔で迎え、肯定することで、そんな言葉が子どもに「ママはちゃんと迎えにきてくれる」という信頼と安心を育てます。
そして、この積み重ねが、翌朝の自信につながります。

5.登園しぶりが落ち着いた息子の変化
以上の3つの事を実践し、息子の登園しぶりは徐々に落ち着いていきました。
朝の5分の「安心チャージ」の時間は、最初は「そんな余裕ない」と思っていたけれど、登園前に笑顔でつながる時間があるだけで、息子の表情が変わっていき、支度もスムーズにできました。
「ママとちゃんと遊べた」と感じられることで、朝の涙が減り、少しずつ自分から「いってきます」と言えるようになりました。
わずかな時間でも、安心をチャージする朝習慣は特に効果的でした。
「甘え」を否定せず、「安心の中で甘えさせる」ことで、子どもは確実に前へ進んでいきます。
「甘やかしてるのかな」と悩んだときは、この子の安心になっているかな?と考えてみてください。
ママの優しさは、ちゃんと子どもの心に届いています。
その安心が、子どもの自立のエネルギーになりますよ。

執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー




