宿題でわからない事があると癇癪を起こしていたわが子。毎回親子バトルになっていました。ASDグレーゾーンの子どもの癇癪の背景と、わが家で実践した関わり方をお伝えします。
1.宿題を始めると癇癪を起こす子どもに困っていませんか?
宿題でわからない問題が出てくると、子どもがイライラしだし、怒ったり途中で投げ出してしまうことはありませんか?
一生懸命教えても、話を聞かずにママもだんだんイライラしてしまう。
そんな時間が毎日続くと、親子ともにつらくなってしまいますよね。
実はその行動の裏には、発達特性の子どもの「困っている」というサインが隠れていることがあります。
この記事では、宿題をするたびに癇癪を起こしていたわが家の息子が、癇癪を起こさずに宿題ができるようになった経験をお伝えします。

「この癇癪、どう対応すればいいの?」と迷ったときに。
泣く・怒る・暴れる…
実は、癇癪には理由があります。
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間が増え、
ママの気持ちもラクになっていきます。
2.宿題のたびに癇癪を起こす息子
小学校入学後、始まった毎日の宿題。
わが家の、自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの息子は、宿題には取り掛かれるものの、とくに国語の文章問題が苦手で、いつも途中でわからなくなって投げ出します。
「わからないから教えて」といいますが、そばで一緒に問題を読んで、教えようとしても全く聞こうとしません。
問題用紙には目もくれず、消しゴムを床に落として遊んでみたり、寝っ転がってゴロゴロしだして全く聞いてくれません。
やる気のないその姿に私も、イライラしながら
「ちゃんと宿題をさせないといけない」
「わからないならちゃんと教えてあげないと」
と思い、だんだん声が大きくなってしまっていました。
けれど、そんな私の対応に、しまいには「もういい!」「わからん!」と癇癪を起こして物に当たり、手が付けられなくなることもしょっちゅうありました。
宿題を途中で投げ出し怒っている子どもをどうにかしようと、優しくなだめてみても機嫌はよくならず、さらに怒ってしまう毎日。
「親としてわからないままにしておくわけには行けない」
「ちゃんと教えないといけない」
と必死でした。
けれど宿題が終わるまで、子どもにつきっきりで家事が進まず、がんばればがんばるほど、親子でぶつかって「また怒ってしまった」とぐったりしていました。

3.癇癪の裏には子どもの「不安」や「困っている」が隠れている
宿題でわからない問題がでてくると、怒り出す子どもに
「なんでそんな事で怒るの?」
「ちゃんと考えたらできるのに」
と思ってしまうこともありますよね。
宿題を途中で投げ出すことは、やる気がなかったり、甘えのように見えたりしますが、実はその行動の裏に「困ってる」気持ちが隠れていることがあります。
勉強でわからない問題を抱えた子どもは不安をいっぱい抱えてしまいます。
特にASDグレーゾーンの子どもの中には、不安を感じやすかったり、物事を「できる・できない」のように白黒思考で考えやすかったりする子もいます。
そのため、わからない問題にぶつかったときに、「できない」「もう無理」と自信を無くしてしまうことがあります。
息子も、問題がわからなくなると「もう無理」「もうできん」と言っていました。
できない自分に直面するのがつらかったのかもしれません。
ですから、癇癪そのものをどうにかしようとするだけではなく、その裏では子どもが「不安」「困っている」を抱えていることにママが気づいてあげることが大切です。

4.子どもの感情に巻き込まれないようにした関わり方
◆癇癪を起こす前に「できている事」を伝える
私はずっと、勉強ができないから癇癪が起きると思っていました。
しかし、私が間違えを指摘することで、子どもの「うまくできない」という不安をどんどん強くしていたんです。
そこでまず、途中でも「ここまでできてるね」と、できていることを伝えるようにしました。
間違いを正すことよりも、できていることに注目するようにしたのです。
◆癇癪が始まったら、反応せずに「待つ」
それでも、わからない問題にぶつかって癇癪を起こすことはあります。
そんなときは、すぐに教えたり説得するよりも、子どもの感情に巻き込まれないように待ってみましょう。
待つと言っても放置するわけではありません。
子どもは不安が強くなったり、癇癪を起こしているとき、頭の中がいっぱいいっぱいになっています。
その状態では、ママの言葉はなかなか届きません。
だから、危険な行動がない限りは癇癪には必要以上に反応せず、まずは子どもが落ち着くのを待ちます。
子どもが癇癪を起こすと、早く落ち着かせないといけないと焦り、子どもの感情に巻き込まれていた私ですが、できるだけ巻き込まれないように意識した行動は3つあります。
- 癇癪などのよくない行動が始まったら、すぐに見て見ぬふりをして視線を向けない
- 怒った表情や大きな声、怒りのオーラを出さない
- 癇癪がおさまったり、宿題に戻ろうとした瞬間を見逃さず、できている行動を言葉にして伝える
この関わりを意識すると、いちいち反応していた自分の感情をどうにか落ち着かせることができました。
それでもどうしてもうまくいかない事があります。
ASDグレーゾーンの子どもは、切り替えが苦手で癇癪やイライラから抜け出せず、いつまでもよくない行動が続くことがあります。
そんなときには、子どもの感情が少し落ち着いたタイミングで、ママが上手に切り替えをしてあげることも方法の一つです。
わが家では、待っていても落ち着かない時には、私から声をかけて、一旦宿題から離れさせて、お風呂に入ってもらったり、一緒にお茶を飲んだりしていました。
そうすると、自然に気持ちを切り替えることができ、再び落ち着いて宿題に向かうことができました。

5.「わからない」を癇癪ではなく言葉で伝えられるようになった息子
そんな関わりを続けていったことで、以前は毎日のように「もうやらない」と怒っていた息子でしたが、今ではわからない問題があっても「ここ教えて」と穏やかに宿題をやりとげることができるようになりました。
「わからない」「助けてほしい」という気持ちを、癇癪ではなく言葉で伝えられるようになったのです。
あんなに難しかった癇癪への対応も、関わりを変えるだけでこんなに変わるんだと驚きました。
今でも宿題でイライラしたり、怒ったりすることはあります。
それでも、毎日の親子のバトルの時間が減り私自身の気持ちも楽になりました。
もし今、宿題で癇癪を起こす子どもへの対応に困っているなら、まずは癇癪の奥にある「困っている」に目を向けてみてください。
そして、すぐになんとかしようとせず、子どもが落ち着くまで少し待つことから始めてみてくださいね。

毎日の癇癪に、どう対応すればいいのか迷っているママへ。
癇癪には理由があり、
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間は増えていきます。
執筆者:もりやまおりえ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




