幼稚園を休ませるとき、先生に伝えてよかった言葉|「先生は敵じゃなかった」と思えた理由

幼稚園を休ませると決めたとき、次に悩んだのは「先生にどう伝えるか」でした。行かせるよう言われ続けてきた中で、私が実際に伝えてよかった言葉と、関係が少しずつ変わっていった過程を、実体験をもとにお伝えします。
 
 

1.休ませると決めたあとに残った不安

 
 
私の息子が年長のころ、毎日の行き渋りが続き、家でも心身ともに、さまざまな変化がでてきました。
 
 
  • 癇癪が一日何回も起こる
  • 日中お漏らしが増える
  • 毎晩、夜驚症で夜中に暴れる
  • 家族に暴力を振るうようになる
  • 「どうせ僕なんか誰からも愛されてないんだ…」と自己否定がでてきた
 
 
息子には感覚の敏感さもあり、園生活で疲れがたまっているように見られました。
 
 
「これは、ただの行き渋りなんかじゃない。」
 
 
そう思い、思い切って幼稚園を休ませる選択をしました。
 
 
幼稚園を休ませると決めたとき、正直なところ、少しほっとした気持ちがありました。
 
 
このまま無理をさせ続けるのは違う。
 
 
今は心の回復を優先したい。
 
 
そう思えたからです。
 
 
けれど、その安心感と同時に、別の不安が残りました。
 
 
「先生に、どう伝えたらいいんだろう」
 
 
また休むと思われるのではないか。
甘やかしていると思われるのではないか。
 
 
子どものことを守りたい気持ちと園との関係を壊したくない気持ちの間で、私はずっと揺れていました。
 
 
この記事では、幼稚園を休ませると決めたあと、私が先生にどのように伝え、関係が少しずつ変わっていったのかをお伝えします。
 
 
悩んでいる女性
 
 

2.「ちゃんと連れてきてください」と言われ続けていた頃

 
 
休ませる判断はできていました。
 
 
でも、その判断を先生にどう伝えたらいいのかが分かりませんでした。
 
 
息子の今の状態を考えて決めたことなのに、 先生の顔が浮かぶと言葉に詰まってしまいました。
 
 
これまで、園からは何度も「毎日、連れてきてください」と言われてきました。
 
 
行き渋りが続く中で、その言葉は私にとってプレッシャーのように感じられていました。
 
 
周りを見渡せば、泣いていても登園している子どもたち。
 
 
それが「普通」のように見えて、私も母親として、ちゃんと息子を幼稚園に通わせなければいけないと思っていました。
 
 
まして私は専業主婦。
 
 
「家にいるのに、休ませるのは甘やかしすぎなのではないか」
「私の関わり方がいけないのではないか」
 
 
そんなふうに、自分を責める気持ちも強くなっていきました。
 
 
だからこそ、先生の言葉をそのまま受け取ることができず、先生に責められているわけではないと頭では分かっていても、当時の私には大きなプレッシャーになっていました。
 
 
人からのプレッシャーを感じている人形
 
 

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3.伝えれば伝えるほど、苦しくなっていた理由

 
 
当時の私は、ちゃんと説明すれば分かってもらえるはずだと思っていました。
 
 
行き渋りのこと。
家で荒れている様子。
夜驚症が出ていること。
日中のお漏らしが増えていること。
 
 
できるだけ正確に、できるだけ丁寧に、状況を伝えようとしていました。
 
 
でも、話せば話すほど、心は軽くなるどころか逆に重くなっていきました。
 
 
今振り返ると、それは「伝え方」の問題ではなく、私自身の立ち位置の問題だったのだと思います。
 
 
私は、分かってもらうために話しているつもりで、本当は、
 
「間違っていないと証明したい」
「責められたくない」
 
そんな気持ちで言葉を選んでいました。
 
 
だから、 説明が長くなればなるほど、言葉が増えれば増えるほど、自分で自分を追い込んでしまっていたのだと思います。
 
 
先生の反応ひとつで「これでよかったのかな」と判断が揺れ、また次の言葉を探す。
 
 
その繰り返しが、私をどんどん苦しくさせていました。
 
 
悩んでいる女性
 
 

4.私が実際に伝えてよかった一言

 
 
伝え方を変えようと思ったきっかけは、「うまく説明しよう」とするほど、自分が苦しくなっていることに気づいたからでした。
 
 
そこで私は、分かってもらおうとすることをいったんやめました。
 
 
代わりに意識したのは、判断を正当化することではなく、「今の状態」をそのまま伝えることでした。
 
 
私が先生に伝えたのは、こんな言葉です。
 
 
「感覚過敏の特性があり、疲れやすいんです」
「今は心が不安定で、身体にも症状が出ているので、心の回復を優先したいと思っています」
 
 
理由を並べたり、 先回りして説明したりするのではなく、
 
  • 今、何が起きているのか
  • 家庭ではどうしたいと考えているのか
 
それだけを落ち着いて伝えるようにしました。
 
 
休むときの伝え方も変えました。
 
 
「行き渋りで休みます」
「家庭の事情でお休みします」
 
ではなく、
 
「二日間頑張ったので、 心の安定を保つためにお休みさせます」
「荒れが強くなってきているので、心の充電期間として少しお休みします」
 
 
そんなふうに、“休む理由”を説明するだけではなく、息子の今の状態を見て私がどう判断しているのかを言葉にしました。
 
 
また、一度きりではなく、定期的に様子を伝えることも意識しました。
 
 
説明しすぎない。でも、黙らない。
 
 
そのバランスを大切にするようになりました。
 
 
ポイントと人差し指でさしてる手
 
 

5.先生は敵じゃなかったと思えた理由

 
 
伝え方を変えてから、先生とのやり取りの空気が、少しずつ変わっていきました。
 
 
以前は、「連れてきてください」という言葉を聞くたびに、責められているように感じていましたが、今は、その言葉の奥にある別の意図にも目が向くようになりました。
 
 
もしかしたら先生も、荒れている息子を見ながら
 
「お母さんが一人で抱え込まなくてもいいように」
「園でできることがあれば力になりたい」
 
と、私のことも気遣ってくださっていたのかもしれない。
 
 
先生の本当の意図は分かりません。
 
 
それでも、「私の判断を否定する相手」として見るのではなく、息子の今の状態を共有する相手として向き合えるようになっていきました。
 
 
私は、
「気にかけてくださって、ありがとうございます」
そう伝えたうえで、
「でも、今は息子の心を優先したいと思っています」
と、自分の判断を落ち着いて言葉にできるようになりました。
 
 
先生は、説得しなければならない相手でも判断を委ねる相手でもありませんでした。
 
 
息子の状況を共有し、それぞれの立場でできることを考えていくための相手だったのだと、今は思っています。
 
 
もし今、幼稚園を休ませることに迷いや不安を感じているなら、「どう思われるか」よりも先に、
 
「今、子どもがどんな状態か」
「家庭ではどうしたいと考えているのか」
 
を言葉にしてみてください。
 
 
その言葉は、相手に伝えるためだけでなく、あなた自身が自分の判断を信じるための支えにもなるはずです。
 
 
幼稚園のお迎え
 
 

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執筆者:栗原あかり
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
この記事について

この記事は、発達科学コミュニケーション マスタートレーナー・いたがきひまりの指導のもとで活動する、発達科学コミュニケーショントレーナーによる実践記事です。
「ASDグレーゾーン子育て」をテーマに、子どもに合った家庭での関わり方を、具体的な場面からお伝えしています。

サイト運営:いたがきひまり
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー
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