ゲームをやめられないのではなく、「ここから戻りたくない」のかもしれません
「ゲーム、もう終わりだよ」
そう声をかけても、やめない。
「あと5分」と言ったのに、気づけば30分。
YouTubeを止めると機嫌が悪くなる。
取り上げようとすると、怒る。
そんな姿が続くと、
「このままゲーム依存になったらどうしよう」
と心配になりますよね。
だから、
時間を決める。
約束を作る。
取り上げる。
ゲーム以外のことをさせる。
なんとか「やめられるようにしよう」と考える。
だけど今回のチェックで、このタイプが多かったお子さんは、
ゲームが好きすぎて、やめられない
だけではないのかもしれません。
私はまず、
「この子は、ゲームをやめたあと、どこに戻らなければならないんだろう?」
と考えてみてほしいんです。
ゲームの外の世界が、しんどくなっているのかもしれない
ゲームをやめたら、
宿題をしなければならない。
学校のことを考えなければならない。
苦手なことをやらなければならない。
できない自分と向き合わなければならない。
またママに注意されるかもしれない。
また失敗するかもしれない。
もし、そんな経験が積み重なっていたら、
ゲームをやめることは、
単に、
「楽しいことを終わりにする」
だけではなく、
「しんどい世界に戻る」
ことになっているのかもしれません。
一方、ゲームの中では、
自分で選べる。
何度でもやり直せる。
簡単にレベルが上がる。
こうでなければいけないではなく、
攻略法を考えられる。
好きなことを、とことん追いかけられる。
誰かに指示されなくても、自分から動ける。
だとしたら、
「どうしたらゲームをやめさせられる?」
だけを考えていても、本当の困りごとは見えてこないかもしれません。
私が見たいのは、
「どうして、この子にとってゲームの中は、
こんなにも居心地がいいんだろう?」
ということです。
ゲームの中では、「この子の力」が動いているかもしれない
ママから見ると、
「ゲームなら何時間でもやるのに、やるべきことは全然やらない」
ですよね。
だから、
「好きなことしかやらない」
「我慢ができない」
「ゲームに依存している」
と見えてしまうことがあります。
だけど、私はもう一つ見てほしい。
ゲームをしているとき、この子は何をしている?
攻略法を調べている?
何度失敗しても、もう一回挑戦している?
アイテムを集めている?
効率のいい方法を考えている?
世界観に夢中になっている?
友達と作戦を立てている?
自分で目標を決めている?
もしそうなら、
現実では、
「無理」
「やりたくない」
「面倒くさい」
と言っている子が、
ゲームの中では、
考えている。
試している。
工夫している。
失敗している。
やり直している。
もっと上手くなろうとしている。
ことになります。
だとしたら、
この子には「やる力」がないわけじゃない。
その力を、
今はゲームの中なら使える
のかもしれません。
ゲームを取り上げるより、「現実でも使える力」にしていきたい
だから私は、
ゲームをやめられることだけを
ゴールにしたくありません。
もちろん、生活リズムが崩れていたり、
健康や日常生活に影響が出ていたりするなら、
ゲームとの付き合い方を整えることは必要です!
だけど、
ゲームを取り上げても、
「現実では、どうせうまくいかない」
がそのままだったら、
この子が「やってみたい」と思える世界は広がっていきません。
私が増やしたいのは、
ゲームをやめた時間ではなく、
現実の中の「できた!」です。
話を聞けた。
やってみたらできた。
自分で決められた。
困ったときに「手伝って」と言えた。
失敗したけれど、もう一回やってみた。
そんな経験が少しずつ増えると、
「現実でも、意外とできるかもしれない」
が増えていきます。
すると、
ゲームの中でしか使えなかった、
考える力。
試す力。
工夫する力。
極める力。
人と協力する力。
を、
少しずつ現実の世界でも使えるようになるかもしれません。
私の長男も、ゲームが大好きでした。
親から見れば、
「またゲームしてる」
ですよね。
だけど長男は、ゲームをしながら、
世界の国の場所や国旗をどんどん覚えていました。
私が「地理を勉強しなさい」と言ったわけでも、
「国旗を覚えなさい」と言ったわけでもありません。
面白いから、自分で覚えていたんです。
そして、高校に入学して、
最初のイングリッシュキャンプで
世界の国や国旗についての問題が出たそうです。
長男に聞くと、
問題そのものは全部わかった
と言っていました。
英語での解答方法がよくわからず、
答え方を間違えてしまったので
満点にはならなかったそうですが(笑)
私はその話を聞いて、
「あのとき夢中になっていたものが、
ちゃんとこの子の中に残っていたんだ」
と思いました。
ゲームをしていた時間を、
「ゲームばかりしている」
だけで見ていたら、
私はこの子が
そこで何を吸収しているのかに
気づけなかったと思います。
知る。
覚える。
調べる。
つなげる。
そして、もっと知りたくなる。
子どもは、
大人が「勉強」と呼んでいない場所でも、
自分の力を使っていることがあります。
だから、
「何時間ゲームをしている?」だけではなく、
「この子は、そこで何に夢中になっている?」
「どんなことなら、誰にも言われなくても覚えてしまう?」
「そこで、この子のどんな力が動いている?」
と見てみてほしいんです。
ゲームから無理やり引っ張り出すのではなく、
「こっちの世界でも、やってみたい」
と思えるものを増やしていく。
私は、そこを大事にしたいんです。
じゃあ、「うちの子」はゲームの中でどんな力を使っている?
ここまで読んで、
「じゃあ、うちの子は、
どうしてゲームから戻れないんだろう?」
と思ったかもしれません。
そして、もう一つ。
「ゲームの中では、
この子のどんな力が動いているんだろう?」
ここを見てみてほしいんです。
同じようにゲームをやめられなくても、
現実で何に困っているのか。
何から自分を守っているのか。
ゲームの何に惹かれているのか。
そこでどんな力を使っているのか。
は、一人ひとり違います。
だから個別相談では、
お子さんの具体的な様子や
ママの関わり方をお聞きしながら、
「この子は今、何に困っている?」
「本当はどうしたい?」
「持っている力を、今どこで、何のために使っている?」
を一緒に紐解いていきます。
そして、
困った行動の奥にある「この子の力」を見つける。
その子に合った「できた!」を増やし、
自分を守るためだけではなく、
「やってみたい!」
にその力を使えるようにしていく。
ゲームをやめさせることだけではなく、
ゲームの外にも、この子が夢中になれる世界を増やしていきませんか?
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