「暴言・暴力・無気力」に悩むママが、子どもの“脳”から関係を立て直すためのヒントをお届けしています。
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今日は、「もう遅いかもしれない」と感じているママにこそ読んでほしい、“荒れている今”がチャンスになる理由をお伝えします。
「もう何を言ってもダメかもしれない」と思ったとき
「うちの子には、もう何を言ってもダメかもしれない」
「何度やっても同じ。もう疲れた…」
そんな気持ちを抱えながら、ここまで頑張ってこられたんですよね。
毎日が綱渡りみたいで、何を言っても反発される。
それでも諦めずに、なんとか関係を立て直そうとしている。
その姿こそ、お子さんの脳が変わる“入り口”に立っている証拠です。
脳は「繰り返し」を学習する
けれど、このまま時間だけが過ぎてしまったら、その“反発の癖”は、脳の中に定着してしまいます。
脳は、「繰り返された関係性」を学習します。
怒りのやり取りを繰り返すと、脳は“戦うスイッチ”を覚え、落ち着いている場面でも自動的に反発モードに切り替わるようになります。
つまり、「キレやすい脳の回路」が出来上がっていくということ。
今の行動は、3ヶ月前の関係の“積み重ね”。だからこそ、変えるなら「今」なんです。
「様子を見ましょう」は言語道断!
「様子を見ましょう」という言葉は、脳の仕組みを知っていれば、実は逆効果です。
今から関わり方を変えれば、3ヶ月後、年末には穏やかに笑って過ごせる自分とお子さんに出会えるはずです。
声をかけるなら“落ち着いている時”
大切なのは、子どもが混乱している時ではなく、“落ち着いている時”に声をかけること。
その瞬間、脳は“安全”を感じて、考える力(前頭前野)が少しずつ動き出します。
実例:3週間で変化した中1男子
暴言が止まらなかった中学1年生の男の子。
ママが「叱るよりも、落ち着いている時に話す」を3週間続けたところ…
「今のママは話聞いてくれるから、なんでも言える!」
そう言って、少しずつ親子の会話が戻ってきました。
たった3週間。けれど“脳の反応”が変われば、行動も、言葉も、関係も動き始めるんです。
脳が落ち着く言葉かけのコツ
たとえば、
「ゲームまだやってるの?」ではなく、
「ゲーム楽しそうだね」と事実を肯定する。
ゲーム中の暴言には、
「なんでそんな言い方するの?」ではなく、
「今、すごく悔しかったんだね」と気持ちを言葉にして返す。
この一言の違いが、脳の中の“警戒スイッチ”をオフにして、
落ち着きを取り戻す力を育てます。
「何もしない」でも「叱る」でもなく、“脳を育てる関わり”を
子どもが荒れているとき、私たちはつい「どうにかしよう」としてしまいます。
けれど、必要なのは「何を言うか」よりも「どう届けるか」。
安心を届ける声かけこそ、脳の回路を変える唯一のスイッチなんです。