制限してきたゲーム時間をゆるめたり、「好きなことをやっていいよ」と自由を戻した瞬間、多くのお母さんがこう感じます。
・前より荒れた気がする
・態度が悪化したように見える
・やっぱり制限すべきだった?
・これで本当に大丈夫…?
結論から言えば、これは悪化ではなく “脳の正常な反応” です。
むしろ、この時期こそが 回復の入口 です。
この記事では、「なぜ一時的に悪く見えるのか」「そこをどう越えればよくなるのか」を解説しますね。
制限を外すと“反動”が出るのは自然なこと
ダイエット中にお菓子やジュースを我慢していた人が、解禁した瞬間に「つい食べすぎてしまう」ことがありますよね。
あの“反動”と同じ状況が子どもにも起きています。
禁止が続いた刺激が戻ると、脳はまず反動として強く求める性質があります。
これは誰にでも起きる反応で、性格の問題でも、しつけの問題でもなく、脳の仕組みによるものです。
しつけ・管理型子育てほど揺れが出やすい理由
しつけベース、管理型の子育てが長いと、子どもの脳は次のような外側の基準に強く依存します。
・親が決める
・親がスケジュール管理する
・親が先に正解を与える
これは一見「良い子」「手のかからない子」に見えます。
ですが裏側では、“自分の気持ち”より“外側の正解”を優先して生きてきた状態になっています。
すると、制限を急に外すと脳は「どう調整すればいいのか」まだわからないため、
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一時的に行動がゆるむ
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反発が出る
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要求が増える
という揺れが表に出ます。
これは悪化ではなく、“自分の基準を作り始めている途中”で起きる自然な現象 です。
カリギュラ効果(禁止の副作用)が強く出る
禁止されていたものほど、自由になった途端に強く求める…。
これを「カリギュラ効果」と言います。
ゲームや動画は子どもにとって刺激が強い分、この反応が出やすくなります。
だから自由にした瞬間に“求め方が強くなる”のはむしろ当然なのです。
ここを越えると、脳に「自分で考える」余白が生まれる
一時的な揺れの時期にお母さんが否定せず、責めず、子どもの気持ちを受け取ってあげると、子どもの脳の中に大きな変化が起きます。
それは、人は「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じた瞬間、はじめて脳に“余白”が生まれるということ。
この“余白”こそが、次のステージへのスイッチです。
脳に余白ができると、子どもはようやく自分で考える力を使い始められるようになります。
・どっちを選ぶと自分にとって得か
・どう動けばうまくいくか
・いま本当はどうしたいか
・何をしたらラクに過ごせるか
こうした“自分で考える思考”が、静かに動き始めます。
つまり、親の指示で動く子から自分にメリットがある行動を選べる子へと変わり始めるのは、このタイミングなのです。
そして、ここから行動が一気に加速します。
一時的に悪く見える時期は“成長の直前”に必ず起きる
ゲーム制限を外して荒れて見える時期は、
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反動(リバウンド)
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判断基準がまだ作れていない揺れ
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カリギュラ効果
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自立脳への移行期の混乱
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本音が出始める初期反応
これらが重なって起きるものです。
これは悪化ではなく、成長の直前にしか出ない揺れ。
お母さんがここでブレずに肯定10・否定0で関わるほど、子どもの脳は安定し、自発性が育ち、行動が変わり始めます。
ゲーム制限を外して一時的に荒れて見えるのは、「悪化」ではありません。
それは
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脳の反動
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自立への準備
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安心を求めるサイン
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成長の直前の揺れ
です。
焦らなくて大丈夫。
いまは 回復の入口 に立っているだけです。
ここを越えた先に、「自分で選べる子」 が育っていきます。
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