「9歳の壁」という言葉を聞いたことがありますか?発達障害・ADHDタイプのお子さんには、小学4年生のこの時期に特に気をつけてあげてほしい周りの対応があります。この対応が壁を乗り越えられるかの大事なポイント!今後の学力や生活面などに大きく関係していきます。
1.学力や生活面に大きくかかわる「9歳の壁」とは
小学校3年から4年生、9歳くらいの時期に訪れる、劇的な変化を越えられる子と超えられない子に分かれてしまう「9歳の壁」。
聞いたことはある、なんとなく分かるけどちゃんとは知らない…という方のために、まずは「9歳の壁とは?」の説明からしていきますね。
「9歳の壁」の要素は、大きく分けて2つあります。
まず、1つ目は勉強です。3~4年生の勉強は、抽象的な概念が必要な問題が増え、難易度がぐっと上がります。思考力が求められることもありますし、理解力も求められます。より深い学力が求められるのです。
読み書きの量も一気に増えてしまうし、今まで単純な計算や漢字など具体的で身近な学習内容ならどうにかやってこられていたものが、抽象的な概念が増えてグッと難しくなることで脳に一気に負荷がかかり、抽象的思考がまだ育っていない子にはとても難しく感じられます。
そこでつまずき、学習についていけなくなる子が出てきて学力に差が出るのがこの小学4年生の時期。
授業も6時間授業が増え、発達障害・ADHDタイプのお子さんは、精神面や体力面でも負荷がさらに大きくなります。そして、学習内容の大きな変化についていくことがとても難しくなっていきます。

2つ目は、客観的思考が育つことで自分と他者の違いを認識する『メタ認知』が進むので、クリアに違いを感じるようになってきます。
自分と友達を客観的に比較し、自信をなくしやすいのもこの時期です。
「私より勉強ができる!」「僕より、運動ができる!」「私より友だちが多い!」など、お友だちと自分との違いがクリアになってきます。
特に、発達障害・ADHDタイプのお子さんは、苦手なことが多い傾向と、できないことやマイナスなことに強く意識してあえてやらないことが多いです。
そんなとき、お母さんは子どもの自信をなくさないように、どんな対応をしたらいいでしょうか?
2.発達障害・ADHDタイプの子の自信を取り戻すお母さんの声かけ
まずは、本人の得意なところを冷静に観察して今まで以上に、具体的に言葉で伝えましょう!
例えば国語が苦手でも、算数の応用問題が好きなら、
『数学的センスがあるね』
作文がうまければ 、
『自分の気持ちを伝える言葉選びがうまいね!』
不器用だけど優しい子には、
『いざって言うときに頼りになるね。』
など、テストの点とは関係なく、才能がある部分を強調して伝え続けることで自信を持たせてあげられます。お母さんは他人と比べず本人が元々持っている良い部分を褒めてあげてくださいね。
好きなものをさらに深堀りできる環境、チャンスを与えて、さらに自信がつく応援をし続けたら、さらに得意になる可能性がひろがりますね。
もちろん明らかに得意なことがあればそれに越したことはないですが、特別なことがなくたって大丈夫です。
当たり前のことを褒めたり、子どもの好きなことやっていることに興味を示したり、共感してお子さんを肯定するだけでいいのです!

なるべく否定的なことは目をつぶり、今できていることに注目して褒めたり、伝えてあげてくださいね。
例えば、
「寒い中、こんなに重たいランドセルを持って学校に通っていて偉いね!すごいわ!」
「そのゲームは、どんなゲームなの?楽しそうだね!」
「お母さんも、そう思うよ!そうだよね!」
などの声かけがおすすめです。
この小学4年生の「9歳の壁」を乗り越えることがなぜ大切なのか?それは、この時期に自信を無くして勉強が分からない状態になってしまうと、この先の学習がずっとついていきにくくなるから。
「9歳の壁」を超えられるかどうかが、この先の高学年の学力と生活を大きく左右していくからなんです。
3.自信があれば発達障害・ADHDタイプの子でも「9歳の壁」を乗り越えることができます
では、「9歳の壁」を超えられる子と超えられない子は、何が違うのでしょうか?
それはズバリ、物事に取り組む姿勢やチャレンジ精神、行動する力があるかないかです!
しかし発達に凸凹がある子は、必要以上に苦手なことを意識してしまい、チャレンジ、行動しなくなります。すると脳は成長せず停滞してしまいます。
チャレンジするには、自信が必要です。少し辛いなぁと思うことに立ち向かうためには、必ず自分に自信がないとできません。

自信を持つためには、お母さんに褒められることも大切ですが、小学校生活では友達関係がうまくいってることも、重要な要素ですね。
友達関係がうまくいく子は、勉強ができる、運動ができる子だけではありません。思いやりがある子がだんだん好かれていきます。
子ども同士で遊ぶ環境や機会をたくさん作ってあげて、お互いに刺激しあっていろんな経験を共にしたり、だれか友達や、仲間が応援してくれる。そんな環境だったらチャレンジする機会だって増えますね!
前より成長を褒めてあげたら、それが思いやりの気持ちを育て、お友達にも同じように寛大な思いやりの対応ができる子になっていきます。 きっと、できないことを責める子にはならないはずです。
・得意なことは子どもをよく観察して、頻繁に褒めてあげる
・苦手なことは、本人の特性をよく理解して苦労をねぎらい共感してあげて、以前の本人より成長しているところを褒めて自信を持たせる
・思いやりのある子に育て友達関係を良好にする
9歳の壁をのり超えるためにも、こんな自信育てを意識的にやってあげてください。そうすると定型発達のお子さんはもちろん、発達障害・ADHDタイプのお子さんはどんどん変わっていきますよ。
子どもの脳と心も、学校の勉強もそして周りのお友達の成長も、2年生から3年生に向けて変わっていき、小学4年生で劇的に変化する「9歳の壁」。
思春期直前の大切な時期です。お子さんが飛躍できる工夫・戦略を練り、「9歳の壁」を一緒に乗り越えましょう!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
9歳の壁の乗り越え方は、9歳を超えてしまったらもう意味がないというわけではありません!発達科学コミュニケーションの対応はどの年齢のお子さんにも効果があります。なぜなら脳の発達にアプローチするコミュニケーションだから!今からでも大丈夫です。まずは無料のメール講座から始めてみませんか?下記から登録できます。





