本を読むのが苦手な子が本の世界を楽しめるようになるたった2つの下準備

お子さんが「本を読むのが苦手」だから「本が嫌い」だと思い込んでいませんか。そう見える背景には発達障害・ADHDの子のワーキングメモリの苦手さが関係しているかも。今回は、わが家で実践した物語の流れを追いながら本を楽しめるようになる方法をお伝えします。
 
 

1.本を読むのが苦手な子が長い物語を追いにくい理由

 
 
お子さんが「本を読むのが苦手」で、自分から本を読もうとしない姿を見ると、「本は嫌いなんだろうな」と思ったことはありませんか?
 
 
本を読むのが苦手な子の中には、文字を読むことだけでなく、登場人物や場面が増えると物語の流れを頭の中でつなぎにくくなる子もいます。
 
 
長い物語を理解するには、前に出てきた登場人物や出来事を覚えておきながら、新しく入ってくる情報を整理し、話の流れを追っていく必要があります。
 
 
長い物語になるほど、登場人物や出来事など、頭の中で扱う情報も増えていきます。
 
 
このときに使われる脳の働きの一つが、ワーキングメモリです。
 
 
ワーキングメモリとは、必要な情報を一時的に頭の中に置きながら、その情報を整理したり処理したりする働きです。
 
 
そのため、頭の中で扱う情報が増えると、
・登場人物が誰だったか分からなくなる
・場面が変わると話についていきにくくなる
・前に出てきた出来事と今の出来事がつながりにくい
といったことが起こります。
 
 
 
 
これは、長い物語になるほど頭の中で
「誰が何をしているのか」
「前に起きたことと今の出来事がどうつながっているのか」
と、たくさんの情報を整理しながら追う必要があるためです。
 
 
短い絵本や児童書なら読める、あるいは読み聞かせなどで内容を理解して楽しめる子もいますね!
 
 
ところが、長い物語になると頭の中で扱う情報が増えるため、物語の流れを追う負荷が大きくなるので本を読むのを嫌がったり、本から興味が遠ざかったりしてしまいがちです。
 
 
そんな様子の子どもは、本が嫌いなのでしょうか?
 
 
我が家の注意欠如・多動症(ADHD)の息子は読むのが苦手ですが、実は本が嫌いなわけではありませんでした。
 
 

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2.「えっ?これ読むの?」分厚い本を選んだ息子にどうしたら楽しめるか悩んだ日

 
 
元々息子も本を読むことが苦手で、自分から本を手に取ることはありませんでした。
 
 
発達科学コミュニケーションを学び、ADHDの子どもはワーキングメモリの働きに苦手さが見られることが多いことがわかりました。
 
 
そこで、息子のワーキングメモリのことを考えたときに思いついたのは「読み聞かせ」でした。
 
 
年齢的に考えるなら、自分で読んでほしいと思うのが親心ですが、自分で読む負荷を減らす読み聞かせの方が内容を理解できるのでは?と考えたからです。
 
 
その取り組みは見事成功!本が嫌いなのかと思っていた息子は、読み聞かせで絵本や児童書を楽しめるようになりました。
 
 
そのため、わが家では毎日寝る前に読み聞かせを続けていました。
 
 
そんなある日、図書館で息子が自分から分厚い本を選んできて、 「お母さん、こんな分厚い本があったよ!」 と言ってきたのです。
 
 
 
 
「これ読んでみたいんだね(読み聞かせしてほしんだね)」と答えると、息子はキラキラした目で「うん」と答えました。
 
 
絵本や児童書の読み聞かせから、長い物語へ興味が湧いた瞬間でした。
 
 
本を読むのが苦手だった息子がこんな本に興味を持ってくれるなんて、本が好きになってきたのかも!と嬉しい反面、内心では正直「えっ?これ読むの?」と思いました。
 
 
いつも読んでいた本よりも明らかに長く、登場人物も多い。内容も複雑なので、本当に最後まで楽しめるのだろうかと心配になったからです。
 
 
それでも少しずつ読み進め、最後まで聞くことはできたのですが、「これって誰だっけ?」と確認したり、前に出てきた出来事が分からなくなったりすることがありました。
 
 
話の途中で何度も確認したり、物語の流れを追うことが難しそうな様子でした。
 
 
どうにか読み終わったあとの息子からの一言は「やっと終わった〜!」
 
 
そんな様子から、息子は物語を十分に楽しめていないのではないかと思いました。
 
 
短い話に比べて、長い物語の登場人物や場面、ストーリーが頭の中でつながりにくくなっているようだと感じたのです。
 
 
そこで、ワーキングメモリに苦手さを抱える息子が、読み聞かせでも長い物語を追いやすくなる方法はないかと考えました。
 
 
家族が面白かったよ、と話していたのを思い出して、「こんなに長い本を聞けるなら、次はハリーポッターはどうかな?」と思い付きました。
 
 
息子に提案すると興味を示したので、それに合わせて息子が楽しく聞けるような下準備を考えました。
 
 
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3.長い物語を楽しむための2つの下準備

 
 
本を読むのが苦手な子が長い物語を楽しむには、物語を理解しやすい環境をつくることが大切です。
 
 
我が家では、息子が楽しめていた読み聞かせを続けながら、物語の全体像や登場人物の関係をつかみやすくするために、2つの下準備を取り入れました。
 
 
① 映画で物語全体の流れを知る
 
 
長い物語は、登場人物が増えたり場面が何度も変わったりします。
 
 
そのため、いきなり文章だけを聞くよりも、まず映画などで物語全体の流れを『見て』知っておくことで、登場人物や場面のつながりをつかみやすくなります。
 
 
息子とは、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』を一緒に見ました。
 
 
すると、登場人物や物語全体の流れがわかったことで、本の内容を結び付けながら聞けるようになりました。
 
 
読み聞かせの途中でも、「これは、あのシーンだね!」と映画と本を結び付けながら聞く姿が見られるようになり、物語への興味がグッと高まったのです。
 
 
② 登場人物の相関図を見る
 
 
読み聞かせを始める前に、登場人物の相関図を一緒に見ます。
 
 
 
 
「誰が誰なのか」「どんな関係なのか」を整理しておくことで、物語の流れを頭の中でつなげやすくなります。
 
 
息子の場合も、読み聞かせの途中で「これって誰だっけ?」と聞いてくることもありました。
 
 
そんなときは一緒に相関図を確認すると、「そうそう、この人だ!」と登場人物を思い出し、また物語の続きを楽しめるようになったのです。
 
 
このように映画で全体像を知り、相関図で登場人物を整理してから読み聞かせを始めると、本の細かな描写にも目を向けやすくなります。
 
 
さらに、一冊読み終えると、「次の本はどれ?」と、物語の続きを楽しみにするようになりました。
 
 
ハリー・ポッターを最後まで聞き終えた後は、図書館で同じくらいの厚さの本だけでなく、エジソン、ライト兄弟、キリストなどの伝記にも興味を広げ、自分から選ぶようになりました。
 
 
「本を読むのが苦手」だからといって、本そのものが嫌いとは限りません。
 
 
お子さんに合った環境を整えることで、長い物語も楽しめるようになる子がいます。
 
 
読み聞かせも、本に興味を持つきっかけの一つとしておすすめです。
 
 
お子さんに合った方法を見つけながら、本の世界を楽しんでいけるといいですね。
 
 
 
 

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執筆者:長谷川アン
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