「宿題」というワードで親子バトルになっていませんか?先が見えない課題に取り組むことが苦手なADHDグレーキッズでも、超簡単なママのスモールステップの声かけがあればやる気がアップしてクリア出来ますよ!
1.「宿題」というワードが地雷原!そのたびに繰り返されていた親子バトル
子どもたちは遊びや習い事が忙しい中で、学校に行っているときや長期休み中も宿題がたくさんあって大変ですよね。
「宿題」という言葉を聞くと、お子さんはどんな反応をしますか? 嫌な顔をせず「はーい!」と言ってすぐに取り掛かれますか?
我が家では注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの息子にとって、このワードが地雷原になっていました。
なかなか取りかからないことが心配になって「宿題は?」と聞くと「わかってるよ!」とキレて感情を爆発させたり、渋々始めても苛ついていてすぐに投げ出してしまったり…。
挙句の果てには宿題に拒否反応を示すようになり、まったくやらなくなってしまっていました。
「宿題」というワードの地雷を踏むたびにお子さんが爆発して親子バトルに発展するのはなるべく避けたいところですよね。
そうならないために最初はなるべく穏やかに声を掛けるのに、ゲームをなかなか終わらせられなかったり遊びに夢中で宿題へ切り替える様子が見えないと、だんだんヤキモキしてママのイライラも募ってきてしまうと思います。
宿題が好きな子の方が珍しいかもしれませんが、発達凸凹があるお子さんは特に宿題を嫌がることが多いです。
それはどうしてなのでしょうか?
2.ママの日常にもあるから共感できる⁈「終わりの見えない」苦痛
ADHDグレーキッズがどうして宿題をそんなに嫌がるのか、まずママ自身が日常で経験していることで例えてみますね。
お子さんの学校での提出書類をたくさん書かなければいけないとか、仕事と家事が重なってやることが山積みなど、そんなとき「嫌だなぁやりたくないな」と苦痛に思った事があるのではないでしょうか?
大人でもそんな風に終わりが見えない、先の見通しが立たないようなときになかなか手を付けられないことがあると思います。
お子さんが「宿題」と聞いた時に「やりたくない‼︎」と思うのはまさにこの状態で、先が見えないため宿題の終わりが想像できていない状態なのです。
見通しを持って進めるためには、段取りを立ててからやると上手くいきますよね。
段取りを立てるためには「遂行機能」という脳のはたらきが必要になります。 「遂行機能」とは、計画や目標を決めて目の前の問題を解決していくはたらきです。
ADHDタイプのお子さんはこの「遂行機能」に弱さがあるため、段取りを立てることが苦手です。
「宿題」には
・内容を確認するために連絡帳を見る
・カバンから教科書やノートをだす
・ふでばこを準備
・ドリルからノートに書きうつす
・例文をみて考える
・わからないことを調べる
・◯時までに終わらせる
など考えなくてはいけないこと、やるべきことがたくさんあります。
これらを順番に考えて、どうなるかの予想を立てながらやって行くのは遂行機能の弱さを持つADHDキッズにとってはとても大変なことなのです。
つまり段取りをうまく立てられないことが、終わりが見えない原因になっているので、とても大きな課題にぶち当たった気がしてしまってなかなかやる気が出せません。
3.ADHDグレーキッズをやる気アップに導く超簡単なスモールステップ術
では宿題の終わりが見えない状態を解決するにはどうしたらいいのでしょうか。
それは、お子さんが「それならできる‼︎」と感じながら進められるように、細かく指示を出すことです。
わざわざ言わなくてもできるようなことまで分解して指示のハードルを下げるところから始めます。
たとえば「国語の宿題やろう!」と言っても、ADHDグレーキッズはいきなり行動することは難しいことが多いです。
そこで
・まずはカバンを持ってこよう!
・連絡帳に書いてあるかな?
・次に教科書とノートを出してみよう!
・漢字を一つだけ書いてみよう!
・あと◯文字書けば終わりだよ
というくらい細かくスモールステップに分けます。
このように、指示を細かく超簡単に分解して段取りをサポートすることで行動できるようになっていきます。
そして、一つ達成するごとに
「カバン持ってきたね」
「教科書とノートを出せたね」
「漢字一つ書けたね」
「あと◯文字で終わるね」
とできたことをを一つ一つ口に出して伝えます。
これは実況中継という褒めるテクニックのひとつです。
このように伝えることで、お子さんは自分がやったことを肯定してもらえたと感じます。そうすると「褒められた!」と感じるようにもなるのです。
さらに、あとどれくらいで終わるかという見通しも立ちやすいのでやる気がアップしていきます。
いかがでしたか?
見通しを立てることが苦手なADHDグレーキッズにはやる気をアップさせる超簡単なスモールステップの指示を試してみてくださいね。
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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宿題嫌いなADHDグレーキッズは苦手なことでも少しずつ段階をふめばやり遂げることができます。怒ったり感情的な対応ではなく、お子さんのやる気を引き出すコミュニケーションを知りたいと思われたら一度ご相談くださいね。