吃音✕登園しぶりのある子どもが「ママ嫌い」や「バカ!」という場面はありませんか?その言葉に、イライラしてしまうこともありますよね。なぜそんなことを言うのか、言葉に隠された子どもの思いと対応についてお伝えします。
ママがイライラしてしまう子どもの言葉
子どもから「ママなんか嫌い」と言われたことはありませんか?
言われるとイライラしたり、「どうして?」と悲しさなどを感じてしまう言葉ですよね。

その言葉に、応戦して「なんでそんなこと言うの」と言ったり「嫌いなら別にいいよ」などと冷たく言ってしまうママもいるかもしれません。
しかし、これはママが子どもの本当の気持ちを受け止めることができていないのです。
このコミュニケーションのすれ違いは、吃音を良くするうえでとても大切な親子関係を悪化させてしまいます。
親子のコミュニケーションがしっかりかみ合うことが大切なのです。
吃音✕登園しぶりのある息子から言われた「ママなんか大嫌い」
私には、吃音と登園しぶりのある息子がいます。
ある日、息子の好きなブロックを一緒にやって遊んでいました。
一緒に楽しく作品を作ることができ、喜びを共有して息子が「ママ、今度はもっとすごいの作ろうよ!」と言ってきました。
しかし、私は他の家事をやらなければならなかったので「ごめんね、ママはやらないといけないことがあるから◯◯くん先に一人でブロックやっててくれる?」と言うと、「ママとやりたいの!」と息子が騒ぎ始めました。
「ママもやりたいよ、すぐに終わらせるから、少しだけ一人で遊んでて」と言うと「ママなんか嫌い!もう、あっちにいけ!」と怒りだしました。

そんな息子に「少しの時間だから、ママのお願い聞いてほしいな」と言うと「やだ!ママのバカ!」と言われてしまい、私もイライラして「そんなこと言うなら、もう遊ばないからね」と突き放す言い方をしてしまいました。
そしてその後、息子は大泣きをしてしまい、「ごめんね」と息子に冷たい言い方をしてしまった自分を反省しました。
楽しく遊んでいたのに、一気に空気がかわってしまうという、このようなやり取りをした日がありました。
子どもが「ママ嫌い」と言ってくる理由
子どもは、本当はママが大好きです。
子どもが「ママ嫌い」というのには理由があります。

自分の気持ちをわかってもらいたいから
大好きなママは、「わかってくれる」と子どもは信じています。
「なんでわかってくれないの」という気持ちを「ママ嫌い」という表現で表します。
気を引きたいから
子どもはママに見て欲しいという気持ちがあるので、気を引くために、ママの反応を期待して「ママ嫌い」と言います。
気持ちを伝える言語力がないから
言葉がまだ未熟で、うまく伝えられないために「嫌い」などの言葉でしか表現できないのです。
吃音のある子どもの「ママ嫌い」を親子の仲を深めるチャンスにしよう
子どもの言葉を真に受けないでください。
「ママ嫌い」「あっちいけ」「バカ」などは、わがままをいっても受け止めてくれるか確認したい気持ち、悲しい気持ちや、もっと遊びたい気持ちなどが隠れています。
まだ言葉がうまく出てこないため、「嫌い」や「バカ」などの表現でしか伝えられないのです。
なので、ママは落ち着いて子どもの気持ちを想像してみましょう。
ここでやってはいけない対応は、感情的になって言い返したり、怒ったりすることです。
ママが、理解して対応することが大切なので、ありのままを受け止めてあげましょう。
「ママ嫌い」と言われたら、「ママは大好きだよ!」と言い返します。
どんな表現をしても、ママは◯◯くんが大好きということを言葉と態度で示して子どもを安心させてあげましょう。
吃音と登園しぶりのある子どもには、「ママはいつも僕の気持ちをわかってくれる」ということ、安心する気持ちを与えてあげることが大切です。

ママのそばにいるとホッとする気持ちがあることで、安心できる場所から勇気を持って外の世界に飛び出していけます。
安心できる帰れる場所があるから、挑戦する気持ちをもって乗り越えていけます。
そして、帰ってきたら「こんなことがあったよ」と、報告して認めてもらえるということが、吃音と登園しぶりのある子どもにとって大切な、なんでも話せる親子関係につながります。
親子の信頼関係があると、どもってうまく話せなかったことをママに迷いなく話せます。
そして「大丈夫、吃音なんて気にしないでお話すれば良くなるよ!」と大好きなママが自信を持っていってくれたら、その言葉を信じられるのです。
困ったこと、嫌なことがあった時に、ママになんでも話せるというのは「ママは、わかってくれる」という信頼がある上で子どもは話せるのです。
吃音の悩みを、なかなか親にも打ち明けられずに、一人で抱えている子どもはたくさんいます。
誰にとっても、なんでも話せて、わかってくれる人がいるとしたら、それだけで心が安定しますよね。
それが大好きなママであったら、子どもにとってすごく心強いですよね。
そんな関係をつくる上でも、子どもの「ママ大嫌い」を真に受けずに気持ちの裏に隠れた本音をわかってあげることは、大切なことなのです。
子どもの言葉の表面でなく、本当の気持ちを見る目を持って、接することが出来るママになりましょう。
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)