思春期の脳に起こる神経回路の「刈り込み」を知ると子どもに寛容になれる

脳を育てる

 

今日は少し大きくなった

10代のお子さんについて

お話します。

 

「思春期=反抗期」

思い込んでいる方いませんか?

 

この時期の子ども達の脳で

何が起きているか少し知ると、

見方が変わってくるかもしれません。

 

思春期は9〜12歳頃から

始まると言われています。

 

この思春期の時期に

脳の中で大きな変化が起こります。

 

その一つが、

神経回路の刈り込みです。

 

生まれてきた時は

神経細胞がいっぱいつまった

「灰白質」と呼ばれるところが

びっしりあります。

 

 

生まれた時はその細胞どうしは

しっかりつながっていないので、

飲む、出す、泣く、

ちょっともぞもぞ動く、など

原始的なことぐらいしかできません。

 

様々な刺激と経験で

細胞と細胞とつなぐ神経回路が

作り上げられてくるのですが、

0歳〜思春期までは

とにかく量産!の時期

 

良いか悪いかよくわからないけど

たくさん神経回路つないじゃえー!

 

の時期なのでいらない回路も

つくられていきます

 

これが思春期に入ると、

あまり使わない神経回路、

いらない回路が選出されて

捨てられ始めます。

 

それが刈り込みです。

 

 

3595557_s.jpg

 

そして、より多く使う神経回路を

厳選して残し、

もっと素早く、

もっと巧みに、

より生産性の高い脳に

発達していきます。

 

灰白質と呼ばれるところが減り、

白質と呼ばれるところが増えるのです。

 

白質が多くなると、

新しい技能などは

覚えにくくなるのですが、

(丸暗記の時期が終わります〜)

 

覚えてしまった技能を

上手に使いこなすように

なっていきます。

 

ところが、この時期は同時に

成長ホルモンによって

身体が急激に発達してくる時期

でもあり、

 

大きくなった身体を動かすために

必要な神経回路も同時につくっています。

 

刈り込みと新しい回路の構築で

脳は大忙し!というわけです。

 

そこで新しい回路をつくることが

間に合わず、

 

「不器用になった」

 

感じることも増えていきます。

 

 

スポーツで高難度の技を

身につけていたのに

突然スランプに陥る、

というのはこういったことも

影響しています。

 

 

つまり、何が言いたいかというと、

お子さんが思春期に入る頃になって

 

「なんでこんなこともできないの?」

「なんでこんなこともできなくなったの?」

 

と思うことがあっても、

 

それは単なる通過点だと思ってほしい、

ということです。

 

脳の中では大きな変化が起きています。

ちょっと神経回路がうまく

つながっていないだけ。

 

それはこれからつくられてくるので、

早合点しないでください。

 

そして、何よりも子ども本人に

 

「自分は不器用」

「本当はスポーツ苦手なのかも」

「俺/私、才能ないかも」

 

と思い込ませないように

ママの声かけで切り替えて

あげてください。

 

ご自分の昔を思い出すと、

 

「もしかして私、早合点してたかも!

 諦めずに続けてたら

 もっと上達してたかも!」

 

と思うことがありませんか?

 

子どもの才能はいつ開花するか

わかりません。

 

脳の発達を知っていれば

早合点したり、思い込みで

子どもの可能性を潰さなくてすみます。

 

ぜひ、今、これから、

お子さんの脳で何が起きているのか!

視点を変えてお子さんの変化成長を

見守っていただけると嬉しいです。

 

23213718_s.jpg

 

 

吃音についても、

「どもる神経回路いらないな〜」

となって刈り込まれていけば、

どもる頻度は減っていきます。

 

どの神経回路を残したいか。

どの神経回路を発達させたいか。

 

どもることに注目してしまうと

脳も勘違いを起こします。

 

どんなに重度の吃音者の方でも

どもっているのは1~1.5割程度

発話の9割は流暢に話しているのです。

 

9割流暢に話す神経回路の方を

発達させていきましょう!



タイトルとURLをコピーしました