「そこは俺の席!降りろ!」わがままを叱るほど吃音が悪化した小1男子吃音×発達凸凹キッズの話

今回の主人公は
小学1年生の吃音×発達凸凹キッズの男の子。

保育園の頃から、
自分の席に妹が座ると、

「そこは俺の席!降りろ!」

と怒り出す子でした。

誰も座っていない席だし、
ちょっと貸してくれてもいいのに。

何度説明しても納得しない。

ママ・パパも最初は、

「融通がきかないな〜。
子どもだから仕方ないか」

と思っていました。

ところが成長するにつれて、
マイルールはどんどん増えて
いったんです。

妹がママに話しかけると、

「今、俺が話そうとしたところ。
お前は黙ってろ!」

夕飯に魚が出ると、

「今日は肉だと思ってた。
魚なら食べない!」

さらに、楽しみにしていた
戦隊モノのイベントでは、

大行列で前の方に
行けないとわかると、

「1番前で観たかった!」

と怒って大騒ぎ!

ママ・パパは、次第に
将来が心配になっていきました。


このままわがままを許していたら、

友達もいなくなるんじゃないか。

社会に出て困る子に
なってしまうんじゃないか。

だから、叱ったり、諭したり、
我慢を教えようとしました。

ところが、状況は悪化。

吃音も連発から難発へ変わり、
ことばが詰まって出てこなくなると、

「もうこの話し方やだ!
なんで俺だけ
こんな話し方なの?」

と泣き崩れるようになったんです。

*******

個別相談でこのお話を聞いた私は、
ママ・パパにこう伝えました。

「息子さんは、
一見、気が強そうに見えるけれど、
実はとっても不安が強い子なんです。

一生懸命、不安を解消しようと
マイルールを増やしているだけ。

まだ、ほかの方法を
知らないだけなんですよ」

ママもパパも、
驚いた表情をされていましたが、

「確かにそうかも…」

と見方を変えたら
あれもそうだ、これもそうだ、
と困った時のエピソードの背景に
「これが不安だったんだ」
が見つかりました。

この男の子には、
予想と違うことが起きると、
対応するのに大きな負荷がかかる
特徴がありました。

学校では、時間割がある。

給食も、献立表がある。

何をするか予測できるので、
割と上手に過ごせていました。

ところが、家は違います。

妹がママに話しかける。

家族の都合で、
予定が急に変わる。

自分が思っていた順番と違う。

今、甘えたいと思ったのに、
ママが忙しい。
ママが機嫌悪い。
妹がずっとママのところにいる。
ママとパパばっかり喋ってる。

そんな小さな予想外が
毎日起こります。

彼にとっては、
そのたびに脳が大忙し!

だから、自分のペースを守ろうと
マイルールを増やしていたんです。

つまり、

わがままを直す前に、
不安を感じても立て直せる力を
育ててあげたかったんです。

*******

ママ・パパは、
息子君の脳の現在地を知って、
関わりを変えました。

不安を感じること自体は
悪いことじゃない。

予想外のことが起きても、
会話を通して落ち着けるように、

発コミュで息子くんに合った
関わりを続けていきました。

すると、少しずつ、
不安を感じても落ち着けるようになり、

吃音も落ち着いていったんです!

私は、この親子の変化から、

吃音をよくするために、
ことば以外のところで
育てられる力があると考えています。

予想外の出来事に対応するだけで
脳がパンパンになる子には、

その負荷が吃音の波にも
関係しているかもしれないからです。

*******

では、今日のチャレンジ!

お子さんが、

「こうじゃなきゃイヤ!」

と怒った時、

すぐに「わがまま!」と判断する前に、

「この子は、何が
予想と違ったんだろう?」

と、一つだけ探してみてください。

そして、落ち着いて話せる時に、

「どうしたかったの?」

と聞いてみる。

そこから、わが子が
どんなことに不安を感じやすいのか、
発見できるかもしれません。

今日のゴールは、
こだわりをなくすことじゃ
ありません。

「予想外のことが起きても、
こうすれば大丈夫!」

そんな回復体験を
少しずつ増やしていくこと。

その力を育てることも、
吃音をよくしていくための
一つの選択肢になると
私は考えています。

 

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