簡単な計算ができない…算数障害かも!?勉強嫌いにさせないための「なぜ?」と思った時に考えたい親の視点

簡単な計算でつまずいている様子はありませんか?もしかしたら数の概念を理解することが難しい算数障害の可能性も。子どもができない、わからないとき勉強嫌いにさせないために「なぜできないの!?」と思った時の大切な親の視点と対応についてお話します。

1.知らずにやってしまったNG対応で勉強嫌いに

お子さんと宿題を一緒にやっていて、簡単な問題なのにわからない様子はありませんか?

わが家は、娘が1年生のときに1と9、2と8など、10になるペアが覚えられず、1桁の計算で指を使っていました。

そのときに私は自分の計算は暗算でするべきという考えから「指を使わないで暗算で計算できるようにしようよ!」と指を使わせないようにしていました。

そのため、1桁の計算で答えを出すまでが遅く、私自身娘が簡単な計算ができないことが理解できずに 「なぜわからないの?」と言ったりもしていました。

このころの私は、学習障害の「算数障害」というものがあるということ、これが宿題のNG対応ということを知らなかったのです。

今回は、小学校低学年用の内容ですが、高学年でも大人になっても勉強嫌いにならず「勉強やってもいいよ」と思える周りのサポートについて解説します。

2.なぜ!?1桁の計算ができない⁈

発達障害の学習障害の中には、知的な発達は問題ないけれども、

・簡単な数字や記号が理解できない
・数字の「1」や「2」などを、物の個数、数量という「数の概念」してとらえることが苦手
・繰り上がり・繰り下がりなどの「計算」が苦手 
・数の大小がわからない
・文章問題で式をたてにくい
・図形やグラフを理解できない 

など 「数」に関して問題のある算数障害があります。

大人はもう身についてしまっている「数字」に対する「数量」をイメージがするのが苦手なのです。

例えば、
「1」=「●」
「3」=「●●●」
と頭にイメージできていないということなのです。

そのために、指で1・2・3…と数字と数量を目で見て一致させて、計算しているということが考えられます。

簡単な計算なのに「なぜできないの?」「この前も教えたよね?」 など否定的な声かけは、「勉強する=怒られる」というネガティブな記憶として残ります。

さらに、「自分は努力したけど、できない」と自信を失わせる原因にもなってしまうのです。

娘は、結果「算数嫌い」から「勉強嫌い!」になり、「勉強はイヤ」と自分でいうほど、苦手意識をもつようになってしまいました。

それから、しばらくたって「算数障害」というものがあるということを知ったのです。

指で計算をしているからといって、算数障害とは限りませんが、子どもがそこにつまずきを感じているということ。

宿題や勉強をしている子どもがどこに困っているのか、つまずいているのかを、気がついてあげることが勉強嫌いにさせない重要ポイントなんです!

3. 「勉強やってもいいよ」にするお母さんのサポート

算数だけでなく、何かを学ぶ・勉強をするという行為は社会人になっても続いていくものです。

学生時代に勉強嫌いにさせない対応をまずはお母さんがマスターしましょう!

◆勉強を感じさせないで楽しく!

お子さんにおうちで教えるときは、勉強していると感じさせずに、楽しくすることがポイントです。

おやつにクッキーを食べるなら、 「今日は3枚ね!」と言ってクッキーを1・2・3…と数えながら渡すと、「数」と「数量」のイメージがつきやすくなります。

クッキーを使いながら、足し算や引き算を教えるのもいいですね!

そして宿題が終わったら、このクッキー食べていいよとすれば、宿題をやるきっかけやモチベーションを上げることにもなります。

宿題をやるときには、できるだけ横並びに座り実況中継です。

ここもお母さんがテンションをあげて、優しく明るい声で

「宿題やるんだね!」
「1問できた!」
「できてるよ!」

などと声をかけながら、最後は「最後までできたね!」で終わる。

これで自分にもできる!と自信をつけさせるのです。

お母さんが見ていて、これならできそうという問題を先にやらせるというのもいいですね。

こうして、できる!できた!という成功体験を積み重ねることで、脳が発達します。

苦手なことにも挑戦しようという意欲も出てくるのです。

◆学校との連携も必要

家で教えているとお互いに感情的になり、娘も怒り始めてしまうので、担任の先生に相談しました。

先生は、授業中様子を見てくれて、放課後に少しだけ補習もしてくれました。

このときの担任の先生は、わからないという子どもの気持ちを理解してくれ、ていねいに教えてくれたこともあり、なんとか1桁の計算ができるようになったのです。

教えているときに、「なぜできないの!?」と思ったところは、子どもがつまずいているところです。

気がついたら、担任の先生に相談してみるのもいいです。

苦手なところはサポートをお願いしてみる、宿題を減らしてもらう、など学校と連携して子どもがどうすれば学びやすいかを一緒に考えてもらいましょう。

「勉強やってもいいよ」と勉強嫌いにさえならなければ、少しずつその子のペースでできるようにサポートすることができます。

忙しいお母さんも1日10分でも学校の先生になったつもりで、一緒に楽しみながら勉強してみましょう!

執筆者:渡辺くるり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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