1.ADHDグレーゾーンの子どもが小3からトラブルが増える理由
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの子どもたちが、小3くらいから急に友達とのトラブルが増えたと感じることはないでしょうか?
この時期は、自分のことも客観的にとらえられるようになる一方で、発達の個人差も大きく見られるころ。
「他者意識」が発達することで、他人と比較して自分を認識するようになるため、嫉妬やネガティブな感情も生まれ、お友達に対して感情的になったりするのです。
家族より友達の存在が大きくなる「ギャングエイジ」とも言われ、友達同士のつき合い方が変わってくる時期なのです。
お友達とのトラブルが増えて心配になるかもしれませんが、
「友達と仲良くしなさい!」
とは言わずに、ADHDグレーゾーンのお子さんに合った対応でトラブルを減らす方法をご紹介します。
2.子どもの行動の結果ばかり見ていませんか?
ADHDグレーゾーンの息子は、自分の思い通りにいかない事があると大声で泣いたり、間違いやミスを指摘されると感情の爆発を起こしたりしていました。
息子が小学3年生の頃学校で、オセロで遊んでいる2人の友達の周りを数人で囲んで見ていました。
観客であったにもかかわらず、息子はコマを動かしてしまい、それを周りにいる友達に指摘されましたが、俺はやっていない!と怒り出しました。
自分が間違えてしまったのだけど、それを指摘されるとやっていないと言って怒ってしまい、自分のミスを受け入れられなかったのです。
家にいる時も、ミスや間違いを受け入れられないことがありました。
宿題の答え合わせをする時に、私が間違いを見つけると、息子は
「直さない!」
「バツをつけないで!!」
なんて怒り出す始末。
丸つけも、間違いの直しも一苦労。
私の息子は、小3になってから発達障害グレーゾーンであることがわかりました。
そんな時に出会った発達科学コミュニケーションで、息子の困りごとは、脳の発達が未熟であることと、ちょうど「友達との結びつき」が強くなる時期であったことが重なって、嫌な思いが表に現れていたことがわかったのです。
発達凸凹のある子は、何かに取り組んだ結果が「正解」と「間違い」の2つしかないと思う「0」か「100」のような思考を持ち合わせていることがあります。
そうとは知らずに、私は息子に
「スイミングのテストで合格したら〇〇買ってあげるね」
「何この点数は?なんでここを間違えたの?」
と結果ばかりを求める言葉をかけ続けていました。
すると息子は、
プールに行ってもどうせ合格しないから行かない、
100点じゃないオレはダメなやつだ
とふさぎ込むようになりました。
プールでのこんなエピソードもあり、息子が友達に怒ってしまうのは、私の日頃の言葉かけで子どもを追い詰め、自分の間違いを認めることができなくなってしまったからだったのです。
そんな私が、結果ばかりを見ずに、がんばった過程を褒めた方法をご紹介しますね。
3.ADHDグレーゾーンの子も自然と友達トラブルがなくなるお家での対応方法とは?
お友達トラブルの解決法は、お家でのお母さんの声かけや作戦で解決できるようになるのです。
まず私がやったのは、スイミングは合否の結果ではなく、レッスンに1回行ったら1ポイントゲットできる方法、つまり頑張って行った過程を褒めることに変更しました。ポイントが貯まると好きなものが買えます。
そして、テストを持って帰ってきた時には、点数ではなく丸があるところに注目しました。
「頑張ってスイミングに行ったから〇〇ポイント貯まったね」
「この漢字、よく書けたね!」
また、問題を間違えてイライラしている時には、
「間違えて悔しいね」
「一緒に考えてみよっか」
と声をかけ、息子の気持ちに寄り添うことを心がけました。
これを繰り返していると、息子が
「ここ間違えちゃったんだよね」
「あー惜しかったな」と
自分で間違いに気づけるようになり、間違ってもいいんだ!と受け入れられるようになってきたのです。
完璧でなくてもいいことも理解できるようになりました。
そのため、友達にミスや間違いを指摘されても素直に「ごめん」と謝ることができたり、
「えー、これのどこが違うの?」
「ほんとだ、ここが違うね」
なんて言って、怒ったりすることは無くなりました。
お家での言葉を変えることでADHDグレーゾーンの子どもが、お友達とのトラブルなく楽しく過ごせるようになります。
想いを伝えられたり、相手の気持ちを理解したりしながらお友達との関係を築けられるといいですね。
結果が全てではないということを伝えるのは、今からでも遅くはありません。
ママの言葉を変えて、子どもの脳の成長をスピードアップさせましょう!
執筆者:三浦由記子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)