1. 時間通りに家を出られないのは、怠けているわけではない
遅刻しそうなお子さんとのバトルに毎朝お困りではありませんか。
「やらないといけないことはわかっているのになんで動かないの?」
「早くしなさい!まだ〇〇できてないでしょ!」
こんなバトルが毎朝ともなれば、お母さんもうんざりしてしまいますよね。
でも実はお子さんが遅刻しないように段取りを考えられないのは、怠けているわけではないのです。
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)のお子さんは、衝動性、不注意、過集中などの特性を持ち合わせているため臨機応変な対応ができなくなり時間を守ることも苦手になってしまうのです。
そんなADHDの子どもに共通して起こるのが、「見通しを立てるのが苦手」ということ。
見通しを立てるのが苦手なお子さんは、どうやって動いたらいいのかわからなくて困っているのに叱られるばかりで、自信を失っていくことがあります。
朝の準備は、発達凸凹キッズにとってはたくさんのやることがあり、優先順位をつけることが難しい、頭の整理が追いつかない、ということがあるので、遅刻をせず家を出られるようお母さんのサポートでお子さんの困りごとを減らしましょう。
2. 発達障害ADHDの子に「早くしなさい!」は間違った声かけ
発達障害ADHDグレーゾーンの私の息子は、やりたいことを優先してしまったり、いつもと違うルーティンの日は何からすればいいのかわからなくなり、ぼーっとしていることがあります。
そんな息子は、朝起きて1番にYouTubeを見ることと、ゲームをすることが日課になっています。
この朝の楽しみがあるために朝の寝起きはバツグンにいいので、我が家ではこの行動を活用しているのですが、私の息子には1つ課題がありました。
それは、息子がADHDの特性からくる過集中を持ち合わせていることです。
・楽しいことに集中しすぎて時間を忘れる
・やらないといけないことを後回しにしてしまう
・あまり言い過ぎると怒る
ということが課題でした
また、朝の準備は
・制服に着替える
・朝ごはんを食べる
・顔を洗う
・体温を測る
・体温を記入する
など、やるべきことがたくさんあり、息子は何からすればいいのかわからず、やろうとしなかったのです。
そのため、
「いつまでゲームしてるの?」
「朝ごはんを早く食べなさい!」
「まだ制服に着替えていないの!?」
「遅刻するよ!」
私は朝から怒りながら、遅刻させないようにお尻を叩く毎日でした。
脳の特性から、見通しを立てるのが苦手であることを知り、私は子どもと一緒に朝のスケジュールを見える化することにしました。
3. 決めた時間に家を出られるようになる!遅刻しない方法
朝のルーティンを見える化するためにまずやったことは、
① 朝のやるべきことを分解
「朝やること」は何々あるのかを把握するために、子どもと一緒に考えて紙に書き出しました。
着替え、名札のチェック、ハンカチやティッシュの用意、体温計測などを書き出しました。
② 朝のスケジュール表を作る
何時に何をするのかスケジュールを決めました。
スケジュール表を作るにあたってまず息子に、朝起きる時間と、家を出る時間は何時にするかをたずね、息子が決めた時間を、A4の白紙用紙の一番上と一番下に書き、その間の予定を子どもに書かせる、ということをやりました。
「朝やること」は先に書き出していたので、あとは時間を決めるだけです。
6時30分に起きてすぐ着替える
この後朝ごはんまでゲーム
6時50分から朝ごはん
7時10分からハミガキなど
7時30分から「自由!!」
7時50分に家を出る
と、やることの順番を書きました。
このスケジュールを見えるところに貼り、慣れるまではひとりでできないところはサポート。
「次は何するんだっけ?」
「今何時かな?」
「まだやってないこと何だっけ?」
また、決めた通りにできた時は、どんなことでも「褒める」を徹底しました。
「パジャマが脱げたね!」
「制服に着替えられたからごはんまでゲームできるね」
「時間通りに家を出られたね!」
と声かけを続けるうちに、朝の流れがルーティン化し、やることが整理され、自分で考えて行動できるようになりました。
やることをお子さんと一緒に考えて、子どもに時間を決めさせること、それを視覚で確認できるようにしたことで、何時に何をするのか先の見通しが立ち、スムーズに動けるようになったのです。
子ども自身も「できなかった」ことが「できるようになった」に変わり自信がつきました。
朝の準備は見通しを立てることで、お母さんとの「朝バトル」もなくなり、気持ちよく学校に送り出せるようになりますよ!
執筆者:三浦由記子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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