1.発達障害グレーゾーンキッズの忘れ物はなぜ起きる?
発達障害グレーゾーンの子ども達の忘れ物問題。大きくなったらちょっとは落ち着くかと思いきや、高学年になっても落ち着かない…もう少しで中学生なのに!と心配していませんか?
今回は、中学に入っても諦めなくていい!ママも子どもも安心!
発達障害グレーゾーンの子どもの忘れ物がママとのコミュニケーションで減っていく対応策をお伝えします!
毎日こんなことが起きていませんか?
・大切な手紙や宿題を学校から持ち帰るのを忘れる
・提出するのを忘れる
・連絡帳をちゃんと書かないから、翌日の持ち物がわからない
・体操服や給食着などを学校に置きっぱなしにする
・課題で使う教科書やドリルを持ち帰らない
どうして発達障害グレーゾーンの子ども達は、そんなに忘れ物が多いのでしょうか?まずは、発達の特性を紐解いてみましょう。
◆理由1:「注意力」の苦手さが影響
特に忘れ物の困りごとが多い発達障害ADHDタイプの子どもは、一度に複数のことに注意を向けるのが苦手です。
先生の話を聞きながら連絡帳を書かなくてはいけない場面では、
・先生の声に耳を傾ける
・連絡帳に視線を向けて鉛筆で書く
この2つのことに注意を向けなくてはいけません。ですが、ADHDタイプの子どもは上手に2つのことに平等に注意を向けることが難しいのです。
だから、テレビを見ながら登校の準備をしているとテレビの方ばかりに注意が向いてしまい、持ち物をチェックし忘れる、なんてことが起きやすくなります。
あれもこれもやろうとしても、そもそも2つ以上のことに集中していられないのです。
◆理由2:「ワーキングメモリ」が弱い
ワーキングメモリとは、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶したり処理したする役割です。
日常生活のさまざまな場面で必要とされるチカラです。
ですが、発達障害ADHDタイプのお子さんは、このワーキングメモリの働きも弱い傾向があります。
だから、
・時間をみて順序立てて準備をするのが苦手
・片付けや整理整頓が苦手
・やることの優先順位がつけられない
こんな困りごとが起きやすくなってしまうのです。
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2.『本やインターネットの忘れ物対策』では小学校高学年や中学生ならではの難しさがある!
前述のとおり、発達障害ADHDの子どもたちの忘れ物は、発達の特性が影響しています。
本やインターネットに載っている「発達障害グレーゾーンの子の忘れ物対策」はいろいろあって、対策を練っているお母さんもたくさんいらっしゃると思います。
だけどその方法、高学年になってやろうとして、お子さんに嫌がられたり、スルーされたりしていませんか?
たとえば、
・持ち物リストを玄関ドアにかけておく
・棚はケースなどを活用して教科ごとに仕切る
・机の引き出し(お道具箱)を透明にチェンジする
・教科ごとに色を決めて教科書やノートに色をつける
・用意するものセットを写真で見せる
・プリントや宿題専用のクリアファイルを使う
などいろいろな方法はあるけど…やらせようと思ってもうまくいかないですよね。
でも、大丈夫です!小学校高学年以降「専用」の対応術をお伝えしますよ!
忘れ物は、本人の意思ではコントロールしにくい困りごとなのですが、先生やお母さんからは、怒られて「ネガティブな体験」を積みかさねてしまいます。
そんな状態のまま高学年を迎えると、子どもたちは自信を失い、怠惰になり、もっとやらなくなってしまいます。成長のブレーキがかかってしまうのです。
そして、高学年となり更に中学生になると、学校で与えられる情報の量も多くなり、難易度も増していきます。
小さい頃はなんとか対応できていた子が、大きくなってからやらなくなってしまうのにも実は理由があるのです。
加えて、本やインターネットなどで紹介されている、ファイルやツールを活用する方法をやろうと思っても、高学年になると「めんどくさくてムリ!」と子どもに取り合ってもらえなくなることも。
だけどそのままにしておきたくないのには理由があります。
中学生になると「忘れ物」は、成績や内申点に影響します!
だからといって厳しく言い続けると、学校そのものを嫌がるようにもなりやすい。
さらには、注意されすぎて反抗的な態度が強まったりするので、プレ思春期・思春期という時期は注意が必要です。
だから。
中学進学を迎える前の「高学年」という時期にこそ忘れ物ぐせを落ち着かせてあげたいのです。
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3.脳が育つ「3つの経験」で忘れ物キッズから卒業しよう
発達障害ADHDキッズの忘れ物は、脳の特性が関係しています。
だから適切な声かけや成功体験を増やして、うまくいった経験を脳が記憶していくと、子どもの忘れ物グセが落ち着きます。
ここでは、脳が育つ「3つの経験」についてお話しします。
◆その1:怒られない経験
怒られる経験ばかり積んでいる子の脳は、感情をコントロールする脳がネガティブに活動しがちです。
そんな状況下では、思考や判断の役割を担う脳がうまく活動しにくくなります。
「忘れ物がないようにしよう」と考えるには、子どもの脳が働きやすい環境をつくっておいてあげるのが原則です。
だから、忘れ物をしても怒られなくてすむ「環境」を用意してあげましょう。
例えば、
学校からのお手紙はママ友と連携して教えてもらう。
大切な持ち物がある日は教えてもらう。
わかっていれば必要以上に怒らなくても済みますよね。
◆その2:できたことを認識する経験
宿題が出せない日があってもそこは軽くスルー。
できなかったことよりも、できたことを子どもが認識できるようにしていきます。
宿題が出せなかった、プリントを持って帰ってこなかった。それでもOK!
その分「出せた日」は、
「宿題出せたね!」
「お便り見せてくれてありがとう!」
と、しっかり肯定してあげましょう。
肯定された行動は脳に定着しやすく、子どもの自己肯定感も育ちます。ぜひ実践してあげてください!
◆その3:繰り返す経験
宿題を出す、学校からのプリントを持ち帰る、など。最初は10回に1回しかできないかもしれません。そこからのスタートでいいのです。
怒られず、できた時は肯定されながら、何度も繰り返していくことで、その行動は脳に定着し、次第にできる頻度があがっていきます。
我が家の息子は、中学の時に学校からの手紙は半年に1枚しか持ち帰らない子でしたが、今では提出期限を確認して「いつまでにこの書類書いてね」と渡してくれます。
宿題の提出が全然できずに、通知表に1と2しかなかった子が、今では宿題や課題はパーフェクトに出しています。
高学年のADHDタイプの子どもは、面倒なことが大嫌い!
だから、毎日の親子のコミュニケーションを通じて、脳を育てる関わり方をしてあげて、子どもに気づかれることなく、忘れ物キッズから卒業させてあげましょうね!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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