1.発達障害のあるある!冬でも半袖の子、同じ服ばかり着ている子いませんか?
発達障害のあるお子さん中には、
・ 季節や気温によって服装を選べない
・ もちろん冬でも半袖、短パン
・ セーターやマフラーなどは身につけたがらない
・ 気に入った柄のものしか着ない
・ 靴下は帰宅後すぐ脱ぐ
また、同じ“Tシャツ”であっても、素材や生地の厚みの違いで着たがらないこともあります。
このような服へのこだわりの強さは、もともとの特性に加えて、「感覚過敏」を抱えていることが多いのです。
感覚過敏とは?
感覚過敏は、「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」などの感覚が非常に敏感で、そのために生活に大きな不便がある状態をいいます。
また、反対に感覚に著しい鈍感さがあることを「感覚鈍麻」といい、例えば、真冬でも寒さに気づかず薄着でいたりします。
感覚過敏は人それぞれ、個人差があり、まわりからわかりにくく、努力やガマンが足りないと誤解されやすいのです。ワガママと思える言動の背景に、この感覚過敏からくる苦手が隠れていることがあります。
「触覚過敏」では、縫い目やタグが痛くて辛い、服が重く感じる、しめつけられるのがイヤ、生地が肌に触るだけで気持ち悪いなど、好みに合わない服は本人にとっては耐え難い苦痛だったりストレスになったりする場合があります。
さらに、感覚過敏はストレスや不安にも関係している、と言われていますので要注意です。
その関係性について、次の章でお伝えしますね。
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2.学校でのストレスや、不安な状態が感覚過敏に影響していました
我が家の中1の息子は、小さい頃から感覚過敏があり、1年中半袖、短パンで過ごしています。足に布があたるのが“ザワザワ”して気持ち悪くて長ズボンははけない、と言います。
中学に上がるときに、小学校で6年間続けてきた野球を、部活ではなく、シニアの硬式野球チームで続けることにしました。
ですが、5月頃から始まった登校しぶりと同時に、野球の練習にも徐々に行けなくなっていきました。その時に、泣いて訴えていたのが「ユニフォームに着替えるのが、どうしてもイヤ!」ということでした。
野球のユニフォーム(ズボン)は化学繊維のため、肌にあたるのが苦痛のようで、小学生の時から息子はズボンの下に薄手のスパッツを裏返して履いていました。
中学入学後の精神的な不安定さと、ジメジメとした湿気が多くなる時期だったこともあり、ますます敏感になっていき、靴下やズボンを何枚も重ねてはかなければならない野球のユニフォームを着ること自体が非常に困難になってしまいました。
これによって野球を続けることの不安、学校で勉強することの不安が大きくなっていることがわかり、学校をお休みすること、野球は辞めること、を決めました。
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3. 思春期の子の服へのこだわりの対処法3つ!
親としては周りの目も気になるところですが、無理強いはさせないことが大切です。
対処法として、3つお伝えします!
◆ 嫌なものは極力避ける、原因を取り除く
まずは、その刺激にそもそもさらさないようにすることです。
「無理させれば、そのうち慣れてくる」と思うのは大きな間違いです。
服のタグをとりのぞいたり、下着は裏返して着る、試着したりして素材を確認してから買う、好きなキャラクターや柄のものを選ぶ、気に入ったものは複数枚買い揃えておく、など本人の好みに合わせて対応します。
最近では、感覚過敏の子ども用の縫い目の少ない”シームレス”商品も売られていますので、お子さんの好みに応じて試してみてはいかがでしょうか?
先日、息子の足のサイズアップに合わせて靴下を買ったのですが、本人が気に入ったのが「5本指ソックス」。指同士がくっつかなくていい、とのこと。触覚過敏の方には人気のようです。
◆ 周囲の理解を得る
感覚は目に見えず、他人と共有することが難しいため、感覚過敏のつらさを周囲の人に理解してもらうのは難しいので、サポートをしてもらいたい人に伝えておくとよいです。
我が家の場合は、宿泊研修の前に、あらかじめ学校の先生に相談をしておきました。宿泊先で着る服をジャージでなく、柔らかくてゆったりした長ズボンでもOKとしてもらいました。
不登校中なのですが、万一、宿泊研修に参加することになった時に、少しでも負担を減らしておきたかったのです。
◆ ストレスや不安を軽減する
ストレスを抱えている時や、体調不良、緊張や不安を生じている時には、感覚過敏がひどくなることがあります。
おうちの環境を整えたり、栄養と休息を与えて体調を回復させたりすることが大切です。
感覚過敏は、子どもが発達するとともにある程度緩和されていくことがあります。逆に、感覚刺激に嫌な経験が結びつくと、さらに嫌悪感を強めてしまうことになりますので、ガミガミ言ったり、無理にさせようとしたりせず、本人に任せてみてもいいと思います。
一年中半袖・短パンでも、同じ服ばかりでも、いずれ、本人が必要と感じたらそのときに一緒に合うものを探したり、工夫をしたりすれば良いのです。
大人になった時に、自分でうまく対処法を工夫できるように、うまくサポートしてあげられるといいですね!
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執筆者:菊池 のりか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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