感覚が過敏・鈍感

冬でも半袖のまま…発達障害の子が“落ち着いて過ごせる”ようになる感覚過敏とストレスの話

冬でも半袖のまま、1年中短パン…周りから「病気じゃない?」「寒くないの?」と言われて心配になるママへ。発達障害・発達凸凹の男の子が薄着にこだわるのは、わがままではなく“脳と感覚”の理由があることが多いです。今日からできる対処法も一緒にお伝えします。

1.発達障害のある男子が、思春期に入っても1年中半袖短パンなわけを教えます!

真冬なのに半袖。短パン。
外に出るたびに、ママの頭の中はこんなことでいっぱいになりませんか?

  • 「寒いのに、なんで脱がないの?」
  • 「風邪ひくよ…」
  • 「周りの目が気になる…」
  • 「思春期なんだから、もう少し場に合った服を着てほしい」

でも、ここでひとつ確認です。

冬でも半袖の子は、“寒さが分からない子”なのではなく、
“服のストレスが強すぎて、着るのがつらい子”
の可能性があります。

つまり、本人の中では
「寒い」より「服を着る」ほうが苦しいことがあるんです。

この記事では、発達凸凹の男の子が冬でも半袖になりやすい理由と、思春期でも親子が揉めずにできる対処法をまとめます。

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2.冬でも半袖の子は珍しくない?発達凸凹のあるある「服のこだわり」

発達障害(ASD・ADHDなど)や発達凸凹のあるお子さんには、服装に関して次のような特徴が見られることがあります。

  • 季節や気温に合わせて服装を選べない
  • 冬でも半袖・短パンを選ぶ
  • セーターやマフラーなどを身につけたがらない
  • 気に入った柄や形のものしか着ない
  • 靴下は帰宅後すぐ脱ぐ
  • 同じ服ばかり着る/ボロボロでも捨てられない

さらに、同じ「Tシャツ」でも、素材や生地の厚みが違うだけで着たがらないこともあります。

このような服へのこだわりの背景に多いのが、感覚過敏です。

◆感覚過敏とは?

感覚過敏とは、「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」などの感覚が敏感すぎて、生活に不便が起きている状態をいいます。

反対に、感覚が鈍くなることを感覚鈍麻といい、たとえば真冬でも寒さに気づきにくく薄着で過ごしてしまう子もいます。

ただし大事なのはここです。

冬でも半袖=感覚鈍麻と決めつけるのは早いです。

実際には、触覚過敏(服の刺激がつらい)が原因で、長袖や長ズボンを避けているケースが多いからです。

触覚過敏があると、本人はこんなふうに感じます。

  • 縫い目やタグが痛い
  • 服が重く感じる
  • しめつけが苦しい
  • 生地が肌に触るだけで気持ち悪い

大人から見れば「そんなことで?」と思ってしまうことも、本人にとっては耐え難い苦痛強いストレスになっていることがあります。

そしてもうひとつ。

感覚過敏は、ストレスや不安が強いときに悪化しやすいと言われています。

だから、思春期に入ってから「冬でも半袖がさらに加速した」「同じ服しか着られなくなった」という子もいるんです。

3.学校ストレスが増えると「冬でも半袖」のこだわりが強くなった

ここからは、わが家のエピソードをお話しします。

我が家の中1の息子は、小さい頃から感覚過敏があり、1年中半袖・短パンで過ごしています。
本人は「足に布が当たるのがザワザワして気持ち悪いから、長ズボンははけない」と言います。

小学校6年間続けてきた野球を、中学では部活ではなくシニアの硬式野球チームで続けることにしました。

ところが、中学入学後の5月頃から、登校しぶりが始まり、野球の練習にも少しずつ行けなくなっていきました。

そのとき息子が泣きながら訴えたのが、これでした。

「ユニフォームに着替えるのが、どうしてもイヤ!」

野球のユニフォーム(ズボン)は化学繊維で、肌に当たるのが苦痛だったようです。
小学生の頃から、ズボンの下に薄手のスパッツを裏返して履くなど工夫していました。

でも中学入学後は、

  • 学校の環境が変わったストレス
  • 勉強・人間関係のプレッシャー
  • ジメジメした湿気が多い季節

こうした条件が重なり、感覚がますます敏感になっていきました。

靴下やズボンを何枚も重ねなければならないユニフォームは、息子にとって「着るだけで限界」になってしまったのです。

この出来事から私が気づいたのは、

冬でも半袖のこだわりは、服の問題だけではなく、
「心がいっぱいいっぱい」のサインになっていることがある

ということでした。

そこでわが家では、学校をお休みすること、野球は辞めることを決めました。

けれどそこで息子の成長をあきらめたわけではありませんでした。

発達科学コミュニケーションで子どもの発達を学び、息子の過敏さをゆるめていく方法を試していくと、少しずつ変化が訪れました!

この子が動き出したのは
特別な子だったからではありません。

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4.思春期の「冬でも半袖」への対処法3つ|親子で揉めないコツ

親としては周りの目も気になるし、心配にもなりますよね。

でも、ここで無理なアドバイスや嫌味を言って直そうとすると、親子関係が一気に苦しくなることがあります。

思春期の薄着は「しつけ」で直すより、ストレスを減らす方が近道です。

ここでは、今日からできる対処法を3つお伝えします。特に3つ目が効果抜群なので最後まで読んでくださいね。

◆1)嫌なものは極力避ける(慣れさせない)

まずは、その刺激にさらさないことです。

「無理させれば、そのうち慣れる」は大きな間違いです。

感覚過敏の子にとっては、嫌な刺激に耐えるほど、脳が緊張モードになりやすく、ますます過敏が強くなることがあります。

  • 服のタグを取る
  • 下着やインナーを裏返して着る
  • 試着して素材を確認してから買う
  • 好きなキャラクター・柄を選ぶ
  • 気に入ったものは複数枚買っておく
  • 縫い目が少ない“シームレス”商品を試す

具体的には上記のような工夫ができますね!

◆2)服より先にストレス対策をする=“心と体”を整える

ストレスを抱えているとき、体調不良のとき、緊張や不安が強いときは、感覚過敏が悪化することがあります。

そのため、服装だけを直そうとするよりも、

  • おうちの環境を整える
  • 休息を増やす
  • 栄養をとる
  • 安心できる時間を増やす

こうした“土台づくり”が大切です。

感覚過敏は、成長とともに緩和されることもあります。
逆に、嫌な経験と結びつくと、さらに嫌悪感を強めてしまうこともあります。

だからこそ、ガミガミ言ったり、無理に着せようとしたりせず、本人に任せる選択もアリです。

冬でも半袖・短パンでも、同じ服ばかりでも、本人が「必要」と感じたときに一緒に工夫すればいい。

大人になったとき、自分で対処できる力につながるように、親は“困らない準備”を手伝ってあげたいですね。

◆3)これを知ってほしい!心地よい感覚刺激を親子で楽しむと感覚問題が解消する!

1)、2)は、他の書籍やネットでも知られていることだったかもしれません。

次にお伝えするのは、巷ではあまり知られていない方法です。脳科学的には心地よい感覚を堪能すると感覚過敏がやわらいでいくとされています。

例えば、感覚が過敏で着られない衣服が多いお子さんの場合。

柔らかくて気持ちいい
ムニュムニュして楽しい
サラサラしてすっきりする
モフモフして安心する

そんな素材を楽しむ時間を日常の中で取り入れます。

クッションや毛布や枕カバーなどをお子さんとお気に入り素材を探す。
スクイーズをぷにぷにしたり、ピザやパンを一緒に作ってコネコネする。

そして、
「気持ちいね~」
「なんか安心するね」
「あー極楽!」

と、心地よさを言葉で伝えたり、お子さんにも感想を聞いたりしていきます!

こんな経験を日常生活の中で意識的に取り入れていくだけで、感覚過敏は知らぬ間に軽くなっていくんです!
私が勉強しているNicottoProject講座の仲間たちの中でも、ひどかった感覚問題が落ち着いたという体験談がたくさんあります。

先日、息子の靴下を買い替えたとき、本人が気に入ったのは「5本指ソックス」でした。

「指同士がくっつかないのがいい」とのこと。

こういう“本人にとっての快適ポイント”を一緒に探すのも、グッとラクになります。

さらに、今まで食べられなかった物が食べられるようになった!
人ごみでも疲れなくなった!

等の効果がでてきています!

まとめ:冬でも半袖は「病気?」より先に「感覚とストレス」を見てみよう

  • 冬でも半袖の背景に、感覚過敏(触覚のつらさ)があることが多い
  • 思春期はストレスや不安で過敏さが強くなることがある
  • 無理に直すより、脳を育てて、感覚の凸凹を落ち着かせるのが近道

もし今、ママが「このままで大丈夫かな…」と不安なら、まずは今日ひとつだけでいいので、
“着られない理由”を責めずにできることを探すところから始めてみてくださいね。

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執筆者:菊池 のりか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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