発達障害・グレーゾーン男子に英語スピーチコンテストで成功体験を授けたサポート術

発達障害の子どもは新しいことに挑戦するのが苦手な場合が多いです。どうしたら苦手なことに挑戦して成功体験にできるのか。苦手な英語スピーチコンテストに挑戦することを後押しして、子どもに成功体験を授ける事ができたわが家の事例をご紹介します。

1.苦手なことに挑戦したがらない発達障害・グレーゾーン男子

子どもの成長にとって、新しい経験をさせることはとても大切なことだと考える親御さんは多いと思います。

しかし、発達障害・グレーゾーンのお子さんにとって、新しいことに挑戦したり、苦手なことに挑戦したりすることは親が想像する以上にハードルが高く、簡単なことではありません。

発達障害・グレーゾーンの子どもは、特性もさまざまで、一人一人異なった特性を持っています。

中でも、見通しをたてにくいという特性があると、失敗体験が多くなり、新しいことや苦手なことに挑戦することをかたくなに拒んだり、本当は挑戦する気持ちはあるけれど行動できなかったりするお子さんがいます。

発達障害の子どもたちは叱られることが多いことや、自分だけ、できないことがあることで自己肯定感や自尊心が低くなりがちです。

自己肯定感や自尊心が低い場合、物事に対する意欲もそがれてしまいます。その為、挑戦することをやめてしまい、ネガティブな記憶が残ってしまうのです。

発達障害・グレーゾーンの子どもの自己肯定感や自尊心を上げるためには、自信を持たせてあげる事が大切です。

そして、自信を持つために欠かせないのが「成功体験」です。

私が息子に「成功体験」を授けるために考え実行したプランをお伝えします。

2.苦手なことに挑戦する「やる気」ポイント

わが家には、発達障害・グレーゾーンの特性を持った中学2年生の息子がいます。

見通しを立てることが難しい特性を持っていて、そのため、新しいことや苦手なことになかなか挑戦できないことが多かったのです。

息子は、英語が苦手なのですが、英語の教科担当の先生のことは大好きです。

昼休みは、いつも友達や英語の教科担当の先生と一緒に鬼ごっこをするそうです。

息子にとっては、それくらい心の距離が近く、頼りになる先生の一人なのです。

そして、息子はスピーチが得意です。本人も「俺はスピーチが得意だ」という認識を持っています。

人前に立ってもあまり緊張せず、アドリブで笑いの要素を入れながら話をすることが大好きです。

いつも自信を持ってスピーチをする息子の姿を見て、英語の教科担当の先生が「市で開催される英語スピーチコンテストに参加してみない?」と声をかけてくださいました。

「どうしよう」と、悩んでいる様子はありましたが、息子は苦手である英語のスピーチコンテストに参加することを自分の意志で決めたのです。

息子は、新しいことや苦手なことに挑戦することを拒む傾向があるため「やってみよう!」という気持ちに本人がならなければ、行動することができません。

英語が苦手な息子にとって英語を話すことだけにフォーカスすると、とてもハードルの高いものです。

ですが「スピーチが得意だ」と自分自身でも自信を持っている事、そして何より大好きな先生に声をかけてもらえたことで、苦手なことにも挑戦してみよう!と思えたのです。

私は、このチャンスを活用して苦手なことに挑戦した成功体験にして欲しいと思いました。

では、成功体験を積むために、どのように対応したのかをお伝えしますね。

3.英語スピーチコンテストでの成功体験を授けたサポート術

成功体験というと、

・試験に合格した
・大会で1番になった
・コンクールで入賞した

などを思い浮かべるかもしれません。もちろん、これも立派な成功体験です。

でも、このような体験は、すべての子どもが成し遂げられるものではありません。

ですが、お母さんの少しの工夫でお子さんの成功体験を積むことができます。

私は、まず息子の不得意なところに注目しました。

・想像力を働かせることが苦手で、先の見通しを立てにくい
・過去の失敗経験の記憶を強く持ってしまっていて、苦手なことに取り組めない

この息子の特性を考慮して

・英語スピーチの内容は、翻訳機能を使って文章を作ってもよし!
・英語の文章は読めなくてよし!
・カタカナ表記で英語を暗記すればよし!

と決めました。

英語のスピーチコンテストとなれば、英語の文章を考えるために、辞書で分からない単語を調べたり、発表に向けて英語の文章を読めるように、英語表記の文章を読む練習をしたりしないと!なんて思ってしまいますよね。

ですが、発達障害グレーゾーンの息子にとって、英語の文章を自分で考えたり、英語表記の文章を読めるように練習したりするのは、ハードルが高すぎるのです。

そこで、到達度をグーンと下げて、挑戦しやすいレベルに調整したのです。

息子の発達の特性を知ってくださっている英語の教科担当の先生は、英語表記の文章をカタカナ表記に全て変換してくださいました。

息子は、それを暗記して身振り手振りのジェスチャーを交えながら、無事に発表することが出来ました。

ユーモアのセンスもあり、会場では笑いを誘う場面もありました。

なにより、発表を終えると「俺、がんばった~!」達成感でいっぱいのニッコリ笑顔を見せてくれました。

苦手なことも、好きな人からのお誘いや、得意な事を絡めたことなら、お母さんの工夫次第でハードルもグーンと下がって挑戦しやすくなります。

お子さんが自らやってみようと挑戦することができたら「挑戦した」というはじめの一歩が成功体験です。

内容や結果ではなく、新たな一歩を踏み出したことに注目してくださいね。

どんな小さな成功体験でもお子さんの自信に繋がりますよ!

執筆者:中木村 美紀
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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