1.発達障害グレーっ子の会話のズレ、気になりませんか?
発達障害グレーっ子ならではのミスコミュニケーション気になりませんか?
会話が一方的だったり、自己主張が強すぎたり、意味を取り違えたり。
このミスコミュニケーションは、小さい頃なら「ユニークな子だね!」「博士タイプだね」などと言ってもらえて愛嬌ですんでいたかもしれません。
ですが、学年が上がってくるとそうはいかなくなります。
高学年になると、仲良しグループができて、共通の会話をしたり意思疎通をはかったり、人間関係を確認しながら、つきあう相手やつきあい方を探っていくようになります。
だから、この時期になると、相手の意図を汲み取らないといけない、相手に合わせられない、などの理由で、友達づきあいに疲れてしまったり自信を失ってしまったりするお子さんが一気に増えます。
周囲のお友達の心の成長や、コミュニケーションの進化に追いつくことができずに、「あの子変わった子だよね」「ちょっとめんどくさいよね」なんて思われてしまうことも多いのです。
しかも、友達づきあいのことは、学校の先生も把握しにくいのが実態です。
遠目からみれば、グループに入っているから「お友達とも仲良くやっていますよ」と先生が勘違いしやすいのです。
ですが、その言葉に油断してはいけません!
グループに入っていることと、コミュニケーションが円滑にいっていることは、まったくの別物だからです。
思春期を迎えたお子さんのママからは、この「友達関係」のつまずきのご相談が増えます。友達関係がつらくなって学校にいけなくなる子も増えます。
それまでは友達の輪に飛び込んでいたお子さんが急に一人を好むようになったり、お友達のことを急に批判するようになったら、それは「コミュニケーションストレス」を感じている証です。
だから、普段から、お子さんとのやりとり感じた「会話の違和感」には、お母さんにもアンテナをはっていてもらいたいのです!
発達障害グレーゾーンのお子さんとママの会話が「ずれている」と感じるなら、外でのお友達や先生とのやりとりでも、似たような困り感が出ているはずです。
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2.すれ違いの連続?!我が家の息子との会話
我が家の息子は、注意欠如多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)と学習障害(LD)のミックスの発達障害グレーゾーンです。
コミュニケーションは、常にすれ違いの連続でした。昔の私は、息子と会話をすることが苦痛で仕方がなかったのです。
とにかく会話が全然噛み合わない。宇宙人と話をしているのか?!というくらい意思疎通が難しかった。
例えば…
息子がペットボトルのジュースを飲んだ後、空を捨てずに放置していたことがありました。
私は「これなに?」とちょっと怒った感じで伝えました。
こちらが期待するのは「あ!やばい!」と気づいて片付けてくれることだったのですが…
息子のミラクルな回答は「それ、ペットボトル!」だったのです。
「そういうことを言っているんじゃないよ!」と怒ったのはいうまでもありません。
これは発達障害グレーゾーンの子の会話でよく起こりがちなミスコミュニケーション。「字義通りの捉え方」をしてしまうという特徴です。
「その真の意図を汲み取ってね…」というのが苦手なのが、ADHDやASDの子どもたち。
こういうすれ違いをずっと繰り返しているとコミュニケーションも上達しないし、「ペットボトルをすてる」という身辺自立のスキルも伸びていかないので、発達が加速しにくいのです!
こんな「すれ違い親子」だった私と息子ですが、今では愉快にやりとりができる私のよき話相手になってくれています。
3.字義通りの捉え方をする子には、ストレートにシンプルに伝えて理解をさせよう!
では、どうすればいいのでしょうか?
ミスコミュニケーションを起こさない会話に変えてあげればいいのです。
先ほどのペットボトルの例で言えば、「これ、何?」ではなく、「ペットボトル捨ててね」の方がよっぽど円滑なやりとりです。
理解にも行動にもつながりやすい声かけ、これが鉄則です。
コミュニケーションが苦手な子には、まず「シンプル」につたえて「シンプル」に理解・行動させる、これが鉄則!
シンプルなコミュニケーションを理解できるようになるから、人とのコミュニケーションがうまくいったという体験を積むことができます。
そこから、次第に難易度の高いやりとりを習得していくことができるのです。
会話が噛み合っていないなと思う時は、もちろんお子さんの発達障害の特性が影響していることも多いのですが、私たちがミスコミュニケーションにならない形で投げかけができているかどうか?この視点も忘れずに持っておきたいですね!
4.おうちでの親子の会話でコミュ力を伸ばそう!
最後に、最近、我が家であった面白い出来事を少しご紹介します。
袋入りのドーナツを食べた息子、袋の口を開けたまま残りを放置してあったんですね。(こういうルーズなところは今でも時々でます)
私が「ねえ、このまま、ドーナツを置いといたらどうなると思う?」と聞いたら、息子がニヤリと笑いながら「1つずつ減っていく」と答えたのです(笑)。
それを聞いて私は大爆笑、「全部食べるんかーい!」と思わず突っ込んでしまいました。
今の息子は、会話のすれ違いでそういう返しをしたわけではありません。
求められている答え、つまり「袋の口を閉じてドーナツが乾燥しないようにしてね」という意図を汲み取った上で、ユーモアとして返してきたのです。
そこに成長を感じずにはいられない1つのできごとでした。
発達障害グレーゾーンで、学校が辛いと感じる子の多くは、何かしらのコミュニケーションの課題を抱えていることがあります。
学校という場所では、先生からみて「いい子」に見えれば、問題ないと判断されがちですが、子どもは辛さやつまずきを感じています。
どうかそれをそのままにせず、おうちで親子の会話から、お子さんが学ぶ体験を積むことをスタートしてみてくださいね!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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