不登校の子どもに「暇ならお手伝いさせよう」は要注意!子どもの自信を育むお手伝いの決め方

不登校の子どもに「暇なんだからお手伝いくらいさせないと」という想いが出てきませんか?しかし、発達凸凹の子ども達はおウチのお手伝いが苦手なケースも多いもの。子どもの自信にもつながる「お手伝い」を、得意を生かして習慣化するコツをお伝えします!
 

1.暇なんだから、不登校キッズにお手伝いしてほしいお母さん

子どもが不登校になって、自宅にいる時間が増えると、「何かさせないと!」という気持ちが出てきませんか?

学校に行っていたときは、「学校を頑張っているのだから仕方ない…」と目をつぶっていたことも、「学校に行かないなら家の中でちゃんとさせないと」という焦りに変わると思います。

一般的な不登校解決本の中でも、不登校中の過ごし方について、「お家の人のお手伝いをしてもらって、役割を与えましょう。役割を担うことで自信も育むことができます!」等と書いてあります。

洗濯物たたみ、掃除機かけ、ゴミ捨て、お料理、トイレ掃除…など、子どもでもできるお手伝いはたくさんあります。

けれど、得意不得意が激しい発達凸凹キッズに、お家の人の手伝いをしてもらうのはちょっと注意が必要です!自信を育むどころか、自信を失わせるきっかけにもなりかねないのです。

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2.よかれと思ってお願いしたお手伝いが息子を追い詰めた

我が家の息子は、小学4年生の時に不登校になりました。

発熱からの学校のお休みから、1週間たっても、2週間たっても学校に行く気配のない息子に親も先生も焦るばかり。

家の中で毎日遊んで暮らしているまま、どんどん欠席日数が増えていく状況で、私が考えたのは、「学校に行かないならせめて、おウチで勉強したりお手伝いしたりしてもらおう!」ということでした。

そこで当時、私と同意見だった主人が「学校に行かない日は朝、カーテンを開けてね。それは〇〇(息子)の役割だよ。」と伝えたのです。

私も主人も、息子のためを想い、スモールステップでできることを増やしていき自信をつけて、学校復帰につなげたいという気持ちがありました。

最初の数日は、朝起きて声かけするとカーテンを開けてくれたものの、その後はやってくれなくなってしまい、更に朝も起きられなくなっていきました…

カーテンを開けるくらいできるでしょ?
学校休むんだからそのくらいやらないとダメ人間になっちゃうよ!
暇なんだから家族の役に立つことくらいしようよ。

そんな想いを胸にかかえながら、他にも一緒にご飯を作ろうと誘ったり、トイレやお風呂掃除手伝ってと誘ってみましたが、息子は嫌な顔をするだけでした。

3.お手伝いは子どもをよく観察して決めること!

不登校の子どもに「暇なんだからお手伝いさせたい」と思っているお母さん。

暇なんだから手伝いくらいさせないと!
勉強ができないなら生きていくための基本的な力をつけさせないと!

という焦りを捨てましょう。

発達凸凹のある不登校の子どもは、得意なことと苦手なことの差が大きくて、学校でつらい思いをしています。

だから、お家でまで「やるべきこと」を強要されると、心を休めることができずに対して恐怖心を抱いてしまうこともあるんです。

我が家の息子も、カーテンを開けるというお手伝いをしなくなってしばらくたった後、

「カーテン開けるのが僕の役割だよって勝手に決められて言われたのがちょっと怖かった」

と教えてくれました…

親としては、よかれと思ってのお手伝いも、子どもが納得しないまま、楽しくないままやらせても、子どもが元気に成長できないどころか、逆にネガティブな感情まで抱かせてしまっていたのです。

不登校の子どもが動き出すために必要なのは、「どんな自分でも大丈夫なんだ」と思える安心感

行動力をアップさせて脳の働きをポジティブに活性化させてあげることができるような、楽しく動き出せるきっかけ

その2つをお母さんが用意してあげることが最優先課題です。そんなお手伝いを見つけられたら、おウチの中でどんどん発達させてあげられますね。

子どもを良く観察して、どんなことが好きなのか、どんなことなら嬉しそうに動けるのかを見極めましょう。

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4.お手伝いの王道でなくてもいい!得意なことで子どもに頼ってあげよう!

我が家の場合、料理の中でも、クッキーの型抜きや餃子の皮つつみなど、火を使わない手伝いで、やった後に美味しいものが食べられるというご褒美が待っているものはOKでした。

それ以外の家事の手伝いは苦手だし、興味がないので、ほとんどしてくれませんでした。

「この子にしてもらえるお手伝いがあまりないなぁ」と悩んだものの、私は「お手伝い=家事」ということにこだわりすぎていたことに気が付きました。

それからは、電気製品のごちゃごちゃした配線をきれいに整えてもらったり、私が使っているパソコンの作動が重たくなってきたら無駄なファイルを削除してくれたり、そんなお手伝いの依頼をしました。

それは、パソコンやゲームが好きだったり、小さな頃からおもちゃやいらなくなった機械製品をなんでも分解することが好きだったからです。

その他にも、You Tubeを見ることが好きなので、それを利用して、「チャーハンをパラパラに作るコツ調べてくれる?」とお願いしたり、ニュースでよく理解できないことを「今のどういう意味なんだろ?わかる?」と聞いて調べてもらったりもします。

これが、我が家の息子の「お手伝い」。

得意なお手伝いをしてくれたときは、

「上手にできてるね!丁寧じゃん!」
「さすが、電気系は詳しいね!」
「お母さんにはわからないから〜本当にありがとう!」
「助かったよ〜!」

と、やってくれたことを具体的に褒めたり、感謝の気持ちを言葉にして伝えるようにしています。

不登校になってから4年たち、得意なことでのお手伝いをやってもらっていたことで、引きこもりがちでも得意なことが増え、自分から進んで「〜やろうか?」と気配りしてくれる力もつきました。

今でも洗濯物たたみや食器洗い、料理などはしてもらえませんが、そのような生活スキルは、もっと一人で暮らすことがイメージできるようになってからが息子のタイミングなのかなと感じます。

不登校でおウチで過ごすことが多くても、お手伝いの中で「自分は何が得意なのか」ということもだんだんわかってきて、将来を考える選択肢も増えてきました。

不登校だからということは関係なく、お手伝いは人のために働くことで得られる喜びを知れたり、自立する力を知るためのとても良い活動です。

だからこそ、子どもが伸びるお手伝いを、子どもの「好き」からお母さんが選んであげて、子どもが進んでやり遂げてくれる、そんなお手伝いを探してみてくださいね!

きっと、好きなことならワクワクしておウチで動いてくれると思いますよ。

執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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