夏休みが始まりますね。学期の区切りは環境や心情の変化が起きやすい時期。それゆえ不登校が加速したり、再登校のきっかけが起こりやすい時期でもあります。学校が苦手なお子さんと向き合っているママにぜひ覚えていてほしい正しい対応をお伝えします。
1.不登校、再登校はどちらもおうちでの対応がカギ
4月に新学期が始まったと思ったらあっという間に7月。もうすぐ1学期も終わりますね。
学校が苦手なお子さんと向き合っているお母さんにとっては、進級・進学は新しい学年の始まりなので、みんなと同じスタートラインから始められる絶好のチャンスでした。
春休みにエネルギーを回復できて動き出したお子さんにとっては、「また頑張ろう」と気持ちの切り替えがしやすい時期でしたし、「みんなより遅れている」という気持ちをリセットしやすいメリットもありました。
一方で、環境の変化が苦手な不安が強いタイプのお子さんにとっては不安MAX。
1学期のスタートは新しい先生は誰だろう、クラスメイトが変わる、勉強が難しくなるかな、などなど不安の方が先行してしまい、このタイプのお子さんは逆に登校に向けてのブレーキがかかってしまったのではないでしょうか。
環境や心情の変化が起きやすい時期は子どもの心は荒れやすいので安心を作るサポートが必要です。
お子さんの学年によっては進路をめぐる不安からお子さんもお母さんも荒れやすいなんてことも。
「不登校が加速しやすい子」「再登校のきっかけをつかみやすい子」どちらもおウチでの対応がカギになってきます。
2.学校生活の「壁」はつぎつぎとやってくる
学校が苦手なお子さんにとっては、学校生活の「壁」は次から次へとやってきます。
4月は頑張って通っていたけど、頑張りすぎて息切れをし、5月はGW明けに学校にいけなくなる子。
6月になり、勉強や行事が一気に本格化するとキャパオーバーしてしまう子。
学期の始まりは新しい環境が新鮮で興味を持って登校していたけど、7月の夏休み前あたりから学校生活が面白くないと感じる子。
9月は1学期の辛さを十分に回復できずに迎える夏休み明け。
そのまま10月11月不登校が続くお子さんもいれば、行ったり休んだりを繰り返すお子さんもいる。
1月に入れば、次の新学年の不安を感じて登校できなくなってしまう子。
1年間を通じて、さまざまな壁にぶつかる学校嫌いのキッズたち。
これを「不登校スパイラル」と私は呼んでいます。
子どもたちはこうやって次々とやってくる壁と常に戦っているんです。
3.学校に行けることが「いいこと」行けないことが「悪いこと」ではない
学校に登校しても発達しにくい子がいるのをご存知ですか?
例えば、授業に参加しているけど、先生の話は聞けていない、勉強は理解できていない。
「学校」にいるけれど、ただぼーっと過ごしているだけ。
また、一方で、とにかく学校に来させてください、と先生は言うけれど、実際は、発達のつまづきをそのままにして学校に戻すことだけにこだわってもうまくいかないことがほとんどです。
今までは、不登校の悩みはどこかに相談したり見守るというのがセオリーだったかもしれません。
だけど、その実態はカウンセリングに行ってもママの悩みを聞いてもらえるけど、毎日の子どもとの関わりはほとんど教えてもらえない。
不登校は「とにかく見守る」と言う意見もあるけれど、見守っているだけでは変化が起きにくくて子どもが変わりにくいんです。
4.学校にいけなくても「脳を発達」させよう
例えば、集団に苦手意識があり学校へ行けなくなる場合は脳の特性が関係していることがあります。そのまま放置しておいても改善されることはありません。
まずはおうちでお母さんとの1対1の楽しい会話から始めます。お母さんが意識して会話していくことで、子どもはコミュニケーションが成立する経験を積んでいきます。何度も繰り返し学んでいくようにします。
おうちでお子さんの好きなオンラインゲームをママと一緒にするのもいいかと思います。協力しながら攻略するゲームだと自然と会話をする機会も増えますよね。
何よりもお子さんの好きなものにママが合わせることでコミュニケーションのハードルが下がるので、簡単に取り組むことができます。
ママ「こっちの道を進む方がいいんじゃない?」
子ども「この道の先には魔物がいるから、反対の道から進もうよ」
ママ「わかった。じゃあそうしてみようか。」
など、お子さんが自分で考えた意見をママに伝え、受け入れられたと感じることができればそれだけでもコミュニケーションの小さな成功体験になって行きます。
こうした経験を積み重ねていくことでお子さんはコミュニケーションを学んでいくことになります。
おうちで1対1の会話ができるようになれば、人数を二人に増やし、三人に増やして会話をしていくことで集団に対応できるようになっていくのです。
不登校の子どもたちにとって発達を加速させることが不可欠ということを知っている大人はあまりいません。
私は不登校の悩みを発達の視点から解消する、不登校の子との関わり方を教える専門家になると決めました。そして、私は学校にいてもおウチで過ごしていても、脳を育てる方法をママたちにお教えしています。
不登校のお子さん、登校しぶりのお子さんを合わせれば、120万人以上いると言われている「学校嫌いキッズ」
私一人ではとてもではありませんが、120万人に届けるのは難しいので一緒に広げてくれる仲間を増やすための活動もしています。
不登校の悩みは「発達の視点」から解消する。
ぜひ覚えておいてくださいね。
執筆者:清水畑亜希子
発達科学コミュニケーショントレーナー
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