1.不登校の子どもの「わがまま」は本当にわがまま?
「学校へ行けないだけでも心配なのに、家では好き放題。」
そんな毎日が続くと、お母さんは将来が不安になりますよね。
例えば、
・朝は起きたくないと言って昼近くまで寝ている
・ゲームばかりやりたがる
・約束を守らない
・「明日は学校へ行く」と言ったのに行けない
・嘘をついたように見えてしまう
こうした姿を見ると、
「このまま甘やかしていいの?」
「家ではしっかりさせなきゃ」
と思ってしまうのも無理はありません。
だから、
「早く起きなさい!」
「ゲームは○時間って決まりでしょう!」
「約束したんだから守りなさい!」
と、何とか正そうとしてしまいます。
けれど
不登校の子どもが安心を取り戻していない状態で
できないことを無理に正そうとすると
子どもの不安がさらに強まり
かえって動き出す力を失ってしまうことがあります。

大切なのは
わがままを直そうと厳しくすることではなく
その行動の奥にある子どもの状態を理解することなのです。
「2学期は行きたい」「2学期は頑張りたい」と言うけど本当?…
▼すぐに疲れる、怒りっぽくなるのはストレスへの耐性がまだ育ってないだけでした

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2.その「わがまま」は防衛モードのサインかもしれない
不登校の子どもの
「わがまま」に見える行動は
性格や甘えではなく
不安やストレスから脳が自分を守ろうとしているサインかもしれません。
強い不安やストレスを感じたときに
脳が「挑戦すること」よりも「自分を守ること」を優先している状態を
「防衛モード」と呼ぶことができます。
例えば
学校へ行けない経験が続いたり
失敗への怖さや自信の低下が重なったりすると
子どもの脳は安心できる状態を求めるようになります。
すると、
・やろうと思っても体が動かない
・何かに取り組む気力が出ない
・小さなことでイライラする
・安心できるゲームや動画に気持ちが向かう
といった行動として表れることがあります。
これは「怠けている」「甘えている」ということではありません。
不安やストレスから自分を守るために、脳が安全な場所を探している状態なのです。
そして、不登校になると、生活リズムの乱れを心配するお母さんも多いですよね。
「朝起きないのは、本人の気持ちの問題なのでは?」
と思ってしまうこともあるかもしれません。
ですが、思春期の子どもは、もともと睡眠リズムが後ろにずれやすい時期です。
これは成長に伴う自然な変化であり、本人のだらけや意志の弱さだけが原因ではありません。
さらに、不登校による不安やストレスが重なると、
心や体のエネルギーが低下し、起きようと思っていても起きることが難しくなる場合もあります。

このように
不登校の子どもの「わがまま」に見える行動は、
防衛モードによる心の反応や
思春期特有の発達の変化から起こることがあるのです。
大切なのは
行動だけを見て判断するのではなく、その背景にある子どもの状態を理解することです。
3.「困った子」ではなく「困っている子」だと見方が変わったママの体験
発達科学コミュニケーション講座を受講されたHさんのお話を紹介します。
Hさんは、小学3年生、小学1年生、年少さんの3人のお子さんを育てるお母さんです。
特に悩んでいたのが、小学1年生の次男くんでした。
HSC(人一倍繊細な子ども)の特性があり、小学校へ入学して3日目から学校へ行けなくなりました。
さらに、お母さんを悩ませていたのが、一見「わがまま」と思える行動でした。
例えば、
・自分はゲームを先に終えたのに
お兄ちゃんがゲームを始めると
「お兄ちゃんだけずるい!」と怒る
・お兄ちゃんがお友達からお菓子をもらうと
「僕も今すぐ同じものが欲しい!」と大騒ぎする
・「僕がお風呂に入らないから、ママも入っちゃダメ」
と強く要求する
母子分離不安や強いこだわりもあり
自分の思い通りにならないと癇癪を起こすことも少なくありませんでした。
Hさんは、毎日のように対応に追われ
「どうしてこんなにわがままなんだろう」
と疲れ切っていたそうです。
幼稚園や保育園で働いた経験があり
HSCについて学び
子育てコーチングの資格も持っていたHさん。
それでも、自分の子育てになると迷いがなくならず、
「子育ての軸を持ちたい」
という思いから、発達科学コミュニケーションを学び始めました。
そして学ぶ中で大きく変わったのは、
「困った行動をなくすこと」
ではなく、
「困った行動の見方」
でした。
「この子は私を困らせたいのではない。」
「安心できないから、この行動になっているんだ。」
Hさんはそのようなことに気づいたことで
子どもの行動を「わがまま」と決めつけるのではなく
その背景にある気持ちを見るようになりました。
すると
目の前の行動をすぐに止めることよりも
「なぜこの行動が出ているのか」と一度立ち止まって考えられるようになりました。
子どもを変えようと焦る気持ちが減り
子どもの状態に合わせて関わる余裕が生まれていったのです。

次男くんは徐々に落ち着きを取り戻し始めました。
今では
不登校だったお兄ちゃんと一緒に登校できるようになり、
別室登校だけでなく、
参加できる授業や学校行事も少しずつ増えていったそうです。
この子が動き出したのは
▼特別な子だったからじゃありません

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4.子どもを変えるのではなくママの見方を変える4つの視点
Hさんが学んで実践したのは、子どもを変える方法ではありません。
子どもの脳が安心して動ける状態を育てることでした。
発達科学コミュニケーションでお伝えしている4つの型には、共通する視点があります。
◆できていないことより、できていることを見る (肯定の声かけ)
子どもを評価するのではなく、今できていることをそのまま認める。
「勉強を始めたんだね」
「ここまで作ったんだね」
という関わりが、子どもの安心につながります。
◆困った行動の奥にある気持ちを見る (困った行動への対応)
癇癪や強い要求だけを見ると、親子のやり取りは苦しくなります。
その行動を止めることだけではなく、
「なぜこの行動が出ているのか」
という背景を見ることが大切です。
◆できないことを急がず、動けることから広げる (行動力UPの声かけ)
苦手なことを無理に進めようとすると、防衛モードが強くなることがあります。
まずは子どもが動きやすいことから、小さな成功体験を積み重ねていきます。
◆安心して気持ちを話せる場所をつくる (ホームカウンセリング)
子どもの言葉をすぐに否定したり、正そうとしたりせず、
「そう感じたんだね」
と受け止める。
安心できる経験が増えることで
子どもは少しずつ自分で考え、動く力を取り戻していきます。

不登校の子どもの「わがまま」に見える行動には、理由があります。
大切なのは、その行動だけを見て、
「甘えている」
「直さなければ」
と判断することではありません。
その奥にある不安や困り感に気づくことで
親子の関係や子どもの安心感は少しずつ変わっていきます。
もし今、お子さんの言動に振り回されていると感じるなら、
「どうしたら言うことを聞かせられるか」
ではなく、
まずは
「この子は今、何に困っているのだろう」
という視点から見てみてください。
その見方の小さな変化が、子どもが自分らしく動き出すための土台になっていきますよ。
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執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)




