発達障害グレー高校生がバイト不採用でさらに人嫌いになっても立ち直って再挑戦できたサポートとは

発達障害グレーっ子も高校生になるとバイトしてお金を稼ぎたいと言うかもしれません。バイト面接で不採用となり落ち込んだ0-100思考でコミュニケーション苦手な凸凹っ子でも、やる気を取り戻しバイトに再挑戦できるようになったサポートをお伝えします。

1.発達障害グレーっ子に高校生アルバイトをお勧めする理由

高校生になったらバイトしてみたい!自分で働いて稼いだお金で○○を買いたい!と思っているお子さんは多いのではないでしょうか。

親御さんとしても、アルバイトをするということを社会人になる第一歩として経験してほしいと思っている方もおられるでしょう。

社会の一員として働く責任感や、異年齢のアルバイト仲間や先輩、社員さんやお客さんなどの先生や家族以外の大人から受ける刺激も良い経験になりますし、これまでの自分の世界から飛び出して、世の中の仕組みを垣間見ることもできるでしょう。

高校生アルバイトだとしても、仕事では社会人に求められるマナーを身につけなくてはなりません。敬語の使い方や、お客さまの応対のしかた、チームで働くうえで必要な、報告・相談・質問の仕方などのコミュニケーションスキルを磨くこともできますね。

特に私が高校生でアルバイトをお勧めする上で、大きなメリットと考える点があります。
それは、たとえば何かミスをしたとしても「高校生だからできなくてもしょうがないか~」と優しい目で指導してもらえるという点です。

時には、ミスして注意されたり忙しくて大変な思いをしたりしながら、頑張って働いた結果、お給料をもらうという経験がセットになって自信につながっていきますよね。

この記事では、我が家の発達障害・グレーゾーンの息子がアルバイトを始めるまでに、たった一度の不採用から意気消沈してしまった息子が、やる気を取り戻し、立ち直るために家庭でどんなサポートをしたのか、お伝えしていきます。


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2.勇気を振り絞って挑んだバイト面接が不採用でやる気はどん底に

我が家には、現在高校2年生の発達障害・グレーゾーン男子がいます。

自閉症スペクトラム(ASD)傾向で、0-100思考で一度「ダメだ…」と沈んでしまうと上がってくるのに大変時間がかかります。小さいときから「どうしてできないの?」「〇〇したらダメでしょ」と注意され続けていることが多く、ずっと積み重ねてきた否定される体験の記憶がよみがえり、落ち込んだり、動けなくなったりしてしまうのです。

また、コミュニケーションが苦手という面もあります。

そんな息子が、高校1年生の2学期を半分ほど過ぎたころ、自分もバイトしてみたいな~、と言い出しました。周りの友達の多くがアルバイトをしていて、自分もやってみたくなったそうです。

高校生が雇ってもらえるとなると、ファミリーレストラン、ファストフード、等が主流。でも人と接するのは嫌だから、と、アルバイト求人サイトをチェックし、考え抜いて、スーパーの品出しアルバイトを見つけました。

コミュニケーションに苦手意識のある息子は電話をかけるのも一大事です。何日か迷ったすえに勇気を出して電話をかけました。面接のアポイントを取れたことで、やる気は急上昇。夜にもかかわらず、今から証明写真を撮って、履歴書を書く!と大騒ぎです。

字を書くことも苦手なのですが、一生懸命ていねいに履歴書を書きあげました。

面接は無事終わり、帰宅すると、「緊張したー!品出しだけじゃなくてレジもすると言われたけど、採用されたら頑張る!」と、言っていたのですが、結果は不採用でした。

その後は一切アルバイトについて話すこともなく、すっかり諦めモードになってしまいました。

私が、
「ほかにもこんなバイトがあるよ」「面接がないバイトもあるよ」とアルバイト情報誌をもらってきても見る気配はありません。

「何でもいいから当たって砕けろ、数打ちゃ当たる!」
「たった一度断られただけなんだから、次!次!」と励ましても全く反応もなくなってしまいました。

意気消沈した息子にどうにかしてやる気を取り戻してやりたいという一心で、次のようなサポートを行った結果、やる気を取り戻すことができたのです!


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3.再チャレンジする気力を生むための安心できる環境づくり

◆ 原因を見極める

ただ励ますだけでは効果もなく、どうしようか考えていたところ、家族にはアルバイトの話をしなくなった息子ですが、オンラインゲームをしながら友達には、面接が怖い、人が怖い、と言っているのが聞こえてきました。

そこで、面接ではどんなことを聞かれたのか、何が嫌だったのか、息子の言うことを一切否定せずにじっくり聞いてみました。

「怖いおじさん(=店長さんのこと)がめっちゃ詰めてきた」と言うので
「採用するためにはいろいろと聞きたいよね~、一緒に働くんだからね~」とアルバイトの面接の意味を伝えました。

さらに、一緒にテレビドラマやバラエティー番組などを見ながら、「この芸人さんの顔怖いよねー、でも面白いよねー」など、人を見た目で判断しないこと、怖い顔でも優しい人がいるということを伝えるようにしました。

◆ 失敗体験を乗り越えるために肯定で自信を授ける

普段の会話を肯定することで、面接のような場面でも、自分の意見に自信を持って言えるようになります。

「ちゃんと話、聞けているね」
「その反応、いいね」

私が分からないことを質問して教えてくれたら…
「今の説明はとてもわかりやすくて、お母さんも理解できたよ」

等と、子どもが自分が話したことに自信を持てるようになる言葉かけをしていきました。

◆ 安心できる環境を与える

だんだん自信がついてきたタイミングで、父親の知り合いの飲食店でアルバイトを募集していることを知り
「お父さんの知り合いのお店なんだけど、お客さんにおしぼりを出したり、洗い物したり、やってみる?」と伝えると…「やってみる!」

「接客は嫌だ、人が怖い。」と言っていた息子が「やってみる!」という気持ちになることができました。

お店に伺うと、店長さんの第一印象は怖めの顔つき…
私は心配しましたが、息子は「話してみたら顔怖いけど良い人そう!」と明るい表情で「働いてみたい!」と言い、働かせてもらうことになりました。ここでもやる気を取り戻すことができたのです。

親としても、知り合いのお店ということで、発達障害グレーっ子初めてのアルバイトの不安も激減し、あらかじめ息子の特性もお伝えすることができていたので、安心してお願いすることにしました。

当初は週3回で働いていたのですが、今では、自分から回数を増やして週4回通っています!

我が子のような0-100思考やコミュニケーションが苦手な発達障害グレーっ子も、いずれは社会に出ていく日がやってきます。その日までにたくさんの成功体験を積んで、たとえ失敗して落ち込むことがあっても、再びチャレンジしていける力をつけてあげたいですね。

思春期を過ぎても高校生になっていても、まずは良くお子さんを観察し、原因を見極めることから始めましょう。せっかく出たやる気を逃さずに、途中でくじけることがあっても成功体験まで育てて自信にしていけるサポートがお母さんにもできますよ!

執筆者:岡千恵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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