1.不注意のある子はなぜ返事をするのに話が伝わっていないの?
子どもとの会話で気になることがありませんか?
・やってほしいことを伝えて「分かった」と返事もしたのに、ちっともやらない。
・後になってもう一度確認すると、伝えた内容がちゃんと伝わっていない。
・子どもと『言った・言わない論争』が勃発する。
そんな経験はありませんか?
発達障害、特に注意欠陥・多動症(ADHD)の子は、不注意、また過集中という特性をもっています。
不注意と過集中は全く反対の特性に思えますが、どちらも必要な時に必要な注意をコントロールできないというものです。
そのために、注意が散漫になったり、ほかのことに没頭しすぎたりして、
・お母さんの話を聞いていない
・聞いているつもりで途中から聞いていない
・「きっとこういう話だろう」と勝手に推測して最後まで聞かず、早とちりしてしまう
などということが起きてしまいます。
加えて、お母さんが話してくると、声かけの内容を理解できているかいないかは関係なく、子どもは「分かった~」「はーい」と返事だけを返します。
子どもが全く返事をしなければ、お母さんは「わたしの声かけが聞こえていないな」と分かりますが、立派な返事が返ってくると「伝わったな」と勘違いしてしまいますよね。
このように、注意散漫、または他のことに没頭していて、声かけの内容の理解がだいたいなのに、子どもが良い返事を返してきた結果、『言った・言わない論争』が起こってしまうのです。
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2. 返事はいいのに伝わっていない、発達障害グレーゾーンの娘との会話。
わが家の小学4年生の次女は発達障害・ADHDグレーゾーンです。
ゲームやYouTube、漫画など読んでいると過集中になりやすく、声をかけても反応をしないことがあります。
全く反応がなければ、こちらも話し方が悪かったと思い、話し方を変えたりしていたのですが、いい返事を返してくることがありました。
そんな時はわたしもつい、自分の話が伝わったものと思っていました。
しかし、後になって、その話がどうもきちんと伝わっておらず、「こうだと思っていた」「そんなこと聞いてない」と言われることが良くあったのです。
例えば、娘だけが祖父母宅へお泊りに行くときのこと。
「お泊りに持って行く物の準備は出来ているから、自分で行きたいときに歩いて行ってね(徒歩数分の距離)。弟が病気で、お母さんは送ってあげられないからね。」と伝えていたとします。
娘はゲームをしながら「わかった!」と返事をしました。
しかし夕方になり日が暮れそうになっても行かないのです。
「暗くなって寒くなるから、そろそろ行ったほうがいいんじゃない?」
と声をかけると
「え、おばあちゃんが迎えに来るんじゃないの?」と言うのです。
わたしはそんなことは一言も言っていません。
「お母さんそんなこと言った?言ってないよ。」
「え〜、言ってない?言ったでしょ!」
娘の中ではきっと、『自分で行きたいときに歩いて行って』の部分を聞き逃し、勝手に『お母さんは送れない。おばあちゃんが迎えに来る。』と記憶してしまったようなのです。
それは以前、おばあちゃんが迎えに来てくれたことがあったからかもしれません。
いずれにしても、きちんと聞いて返事をくれたと思っていた娘は、話しの内容をきちんとは理解できていなかったのです。
これは、わたしが娘の発達障害・ADHDグレーゾーンの不注意の部分をきちんと理解できずに、指示を出した結果でした。
そこでわたしは娘に声をかける際に、『あること』を取り入れることにしました。
すると、娘は不注意のために話を聞き逃すことが減り、親子の『言った・言わない論争』を解決することができたのです。
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3.不注意のある子との会話の始め方のポイントは、目を合わせること!
『あること』とは、名前を呼びながら身体に触れることです。
声をかける前に、肩を優しくトントンとたたいたり、頭をなでたりしました。
すると娘は顔をあげて私の顔を見るので、その状態で話を始めるようにしたのです。
あまりに過集中の時には、急に触れられることにビックリする様子があったため、ゲーム画面や漫画のページの前で手をヒラヒラと振って、わたしの存在に気づかせてから、目を合わせて、話をするようにしました。
発達科学コミュニケーションには指示出しのテクニックというものがあります。
指示を出す前には、必ず本人の注意を引きます。
名前を優しく呼んだりするのですが、娘は名前を呼ぶと返事を返してきます。
そのため、わたしは娘の注意が向いていると思って指示を伝えていたのですが、よく観察すると、娘の視線はこちらに向いていませんでした。
つまり、聞こえてはいるけど、きちんとこちらに注意が向いていない状態だったのです。
この状態で話をしても、話の内容は右の耳から左の耳への状態…
わたしはそのことに気が付いたため、聴覚だけではなく、視覚でもしっかりとこちらに注意が向くように促してから、指示を伝える工夫をしたのです。
おかげで、娘は不注意でわたしの話を聞き逃したり、勘違いしたりすることが減り、親子で「言った」「言わない」論争をすることが激減したのです。
そしてこれをくりかえすうちに、娘からも聞き逃したことを「え?もう一回言って」と聞き返してくることが増えてきました。
いかがですか?
発達障害・ADHDグレーゾーンのお子さんとの会話で、「言った」「言わない」論争が勃発することがありますか?
もしそうなら、お子さんの不注意の部分を理解して、いい返事に惑わされずに、目を合わせることから会話を始めてみてくださいね。
執筆者:小林ほなみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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