1.説明や文章が下手だから子どもが何を伝えたいのかわからない
近年、学校ではディベートといって、お互いの意見を出し合って議論をさせたり、プレゼンテーションをしたりという取り組みが多くなってきました。
自分の意見を相手に伝えるということは社会生活においても大切なことです。
そんな中、我が子に話をさせると何を言っているのかよくわからない…
文章を書かせると話があっち、こっちと飛んでいってなんだかよくわからない。
伝えたいという気持ちはわかるけど、なんだか空回り。
うちの子このままで大丈夫?そんな不安がよぎりませんか?
発達障害グレーゾーンのお子さんに多い困りごとの多くはワーキングメモリという脳の働きが関係しているんです。
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2.発達障害グレーゾーンの言語性ワーキングメモリを理解しよう
ワーキングメモリは2種類ありますが、特にその中でも言語性ワーキングメモリが説明下手や作文の苦手につながっていきます。
言語性ワーキングメモリとは言葉や数などの音声情報を一時的に覚えたりその情報を使って考えたりする力です。
この力が弱いと指示を聞き逃したり、話を聞いても筋道を立てて話せなかったりということが起きます。
なので闇雲に「作文をたくさん書けば上手になる」「説明をたくさんすれば上手になる」というだけでは解決していかないんです。
日常生活の中で、親子の会話からワーキングメモリを使う行動をお母さんが促すことで少しずつ伸ばしてあげることができます。
ワーキングメモリが弱くて勉強に取り組めなかった発達障害グレーゾーンの息子がどう成長していったのかについてお話ししますね。
3.ワーキングメモリの弱さが学校嫌いを引き起こしていた
息子は言語性ワーキングメモリが弱く、文の意味を理解するのが苦手でした。
一度に複数の言葉を理解し整理するのが苦手で、物語の内容を説明させると「だれが」とか「なにが」「どこで」など情報を正しく説明できない…といったことがよくありました。
また、加えて複数の文章がつながると前後の関係が整理できなくなってしまう困りごとも。
読書が苦手、読書感想文も苦手、とにかく「整理する」のがとっても苦手だったのです。
だから、学校で起きた出来事を聞いてみても息子が言っていることと、先生が言っていることがズレる、なんていう“不思議”なことがよく起きていました。
息子が何かを誤魔化そうとして嘘をついていると最初の頃は思っていました。
しかし、実際には息子はそんなつもりはなく、脳が覚えたり整理したりできる情報の量に限りがあり、わかった情報だけで説明していたということだったんです。
こんな苦手さは学習面ではもちろんのこと、人とのコミュニケーションなどにも影響を与え、息子はどんどん“学校嫌い”になっていきました。
では、我が家で発達障害グレーゾーンの息子のワーキングメモリの弱さを、学習面で壁にぶつかった時にどうサポートをしたのかをご紹介しますね!
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4.ママのインタビュー作戦でワーキングメモリを伸ばしていこう
おすすめはママがインタビュー上手になるということです。
例えばこんな日常の会話。
「今日さ、先生が、太一くんの背中をトントンしてたんだよ」
こんなふうに、聞いただけではすぐに状況を理解しにくい話をしたとしましょう。
ここからママが情報を整理しやすいようにインタビューをしてあげます。
・先生はどうして太一くんをトントンしたの?
↓
「寝てたから」
・先生は、太一くんを起こしてあげたのね?
↓
「うん」
・何の時間に寝てたの?
↓
「国語の時間」
このように区切って、答えを導き出します。
そしてそれを私が整理して話します。
「国語の時間に太一くんが寝ていて、それをみた先生が背中をトントンして起こしたんだね。」
というふうに言い換えをして、説明の仕方を教えてあげることをよくやっていました。
また、うちの子は視覚からの情報の方が得意でしたので、作文を書くときは同じく私がインタビューし、聞き取った内容を付箋1枚に1エピソードを書いて、あとから並べ替えて、文章の構成を考えることもやっていました。
こんなふうに息子の頭の中を整理しやすいように投げかけを上手にして
↓
「こういうことなんだね!」と整理してあげる。
つまりワーキングメモリの補助をしてあげるということです。
これをずっと繰り返すことで息子は、頭の中の情報を整理するのが上手になっていきました。
お家の中で、子どものペースに合わせて日常会話の情報を整理する機会をたくさん作ることで、脳は発達していきます。
ママのサポートで発達障害グレーゾーンのお子さんが自分の思いをママに伝えられるようになったら、次は自信を持ってお家の外で思いを伝えられる子になっていきますよ。
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執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)