1.ICT教育により変化する子ども達の学び
2020年度教育改革の施行により小学校でのプログラミング教育が必修になりました。
そして、今後急速に広まっていくと考えられるのが、ICT(通信情報技術)を活用した授業・学習です。最近よく聞くICT教育は、簡単に言うと「タブレット・パソコンや電子黒板などの情報通信機器を活用した学習を取り入れること」です。
今年度は”プログラミング”や”ICT教育”が始まると言っていた矢先に新型コロナウィルスが発生。子どもたちを取り巻く学習環境は急速に変わりました。
外出自粛で、両親が在宅で仕事を始めたり、学校によってはオンライン授業が始まったり…。
子ども達がインターネットに触れる機会も以前より格段に増えたと思います。
学びが急速にオンライン化していくこれからの時代、子ども達が”成長する”ために必要なこととは何でしょうか?
2.プログラミングの授業から見えた子ども達がワクワクして学ぶ瞬間
一つ印象的なエピソードがあるのでご紹介します。当時小6の娘の担任の先生とお話をしていた時のこと。
「このクラスの子たちと一緒にプログラミングをやって初めて”プログラミングっていいかも”と思いました」と先生がおっしゃったのです。
それまではプログラミングの授業と言えば、「前に進む」の指示をここに入れて「この合図で止まる」の指示をその次に入れてくださいね、と先生が説明をしそれに沿って子どもたちが画面を操作する。
こんな感じの授業だったそうです。
みんなが言われた通りに同じことを同じようにやって
「はい、これがプログラミングです!」
…って。
これでは、なかなか子どもが興味を持って学ぶのは難しいですよね?
娘のクラスは、プログラミングの理論とか法則とかよりもまずは「自分でやりたい!」「俺たち・私たちに自由にやらせてよ!」という積極的な雰囲気のクラスでした。
そのため先生も、自由にやらせてくれたそうです。
プログラミングのお題は迷路を作ってその中でうまく人を動かすというもので「壁に突き当たったら曲がる」などさまざまな指示を並べて迷路ゲームを作ります。
これを子ども達が自由にやるので、壁があるのにスルーして人が直進してしまうなど色々な問題が発生します。
そうなった時に子どもたちは必死で考え、友達同士で「どうやったらいいの?」とディスカッションしていたそうです。
クラスメイトに発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんがいるのですが、彼はプログラミングが得意でわからない事があるとみんなで彼を呼んでは「ここはどうするんだ?」と質問していました。
彼も得意分野で活躍できて自信がついたし、質問した周りの子も彼に教わって問題が解決したり理解が深まって、子ども達の間でいい関係が生まれてみんなイキイキしていたそうです!
子ども達が好奇心をもって学ぶってこういうことなんだな、と改めて実感した出来事でした。
「好奇心」を持って何かに取り組んだとき、子ども達はグーンと成長します!
3.子どもの好奇心を育むためにお母さんが果たせる役割は大きい!
今、私の住む地域では公立の小・中学生には1人1台、タブレットが配布されています。
でもこのタブレット、正直な感想としては紙のドリルがタブレットの画面になっただけ…。
もちろん、先生方の管理面から考えるとデータで一覧としてみられるので、提出・未提出がすぐにチェックできて業務効率化に役立つとは思います。
しかし、子どもたちの興味関心を伸ばして、学習意欲を高めることもできる便利な道具を子どもたちにとってあまりメリットがないまま、というのは少しもったいないと感じました。
どんなに便利なツールがあっても子どもが主体的に学べる使い方、好奇心を持たせられるような周りの大人達の働きかけがなければ、子どもがそれによって伸びることは難しいと思います。
デジタルなことが苦手なお母さんだと、オンラインやプログラミングと聞くと苦手意識を持ってしまい、お子さんに自分では教えられないと敬遠してしまう方も多いのではないでしょうか?
しかし発達障害やグレーゾーンの子ども達、とくに学習の課題を抱えている子は、特性に合わせてパソコンやタブレットをうまく活用することで学習が苦でなくなったり、子ども達の発想力、思考力がグンと伸びる可能性もあります。
お子さんの特性に合わせてパソコンやタブレットを日々の学習に取り入れてみると、お子さんの学びがより楽しく、効果的になるかもしれません。
今のうちに、ご家庭でお子さんと一緒にパソコンや学習アプリに触れてみるのも、オンライン化していく学習への準備になると思います。
今は、習い事でプログラミング教室に通う子も増えています。お母さんが関心を持ってお子さんに「どんなことやってるの?教えて!」と言って教わってみるのも良いかもしれません。得意なお子さんだと人に教えてあげられた経験が自信になるはずです。
どんなに便利なツールが増えたとしても、子ども達が成長するためには「好奇心」を育むこと、そして周りの大人の関わりが大切です。
子どもが「好奇心」を持つためには、お母さんが「好奇心」を持っていろんなことにチャレンジしている姿を子どもに見せてあげることも大切!日々ワクワクしながら過ごしている姿を子どもに見せられるお母さんになりましょう。
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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