1.いよいよ迎えた新学期初日、せっかく行けたのに…
新学期を迎えて
「今日はがんばって登校できた!」
そう思ったのも束の間、帰宅したらヘトヘトになってバタンキュー。
やるべきことをやらずに昼寝をしてしまったり、
場合によってはご飯も食べずに寝てしまったり。
そして朝を迎えると、
「やってないから、やっぱり行かない」
と、再始動前の状態に戻ってしまう。
不登校の子にせっかく再登校の兆しが見えたのに、どうして続かないの?
そんなとき、ママは
「やっぱりまだ無理だったのかな」
と落ち込んでしまうかもしれません。

一日登校できたのに、また休んだ。
それは「振り出しに戻った」ということではありません。
「行ける力」と「行き続ける力」は、重なっていても同じではないのです。
「2学期は行くと」って言ってたのに動けない…
▼それはストレスからの回復力がまだ育ってないだけ

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2.不登校の新学期、初日は行けたのに続かないのはなぜ?
一日登校できたのに、その後また休んでしまう。
そこには見えない理由があります。
不登校の子にとって
学校へ行くためには、ただ「行こう」と思うだけではなく、
- 朝、行動を始める
- 必要なことに集中する
- 一つの行動を続ける
- 状況に合わせて切り替える
- やることを終える
など、いくつもの力が必要です。
その中の一つとして考えたいのが、「実行機能」です。
実行機能とは
目標に向かって行動を始め、続け、切り替え、終えるために働く脳の力です。
「脳の司令塔」と表現されることもあります。
一つの行動に取り組むときには、
- 「やる」と決める
- 計画を立てる
- 実際に取り組む
- 集中する
- 途中でやめずに続ける
- 必要に応じて切り替える
- 終わらせる
といった力が関係しています。
学校へ行くことも同じです。
「学校へ行く」と決めても、実際にはそこへたどり着くまでに、たくさんの行動をつないでいかなければなりません。
だから、新学期初日は何とか行けたとしても、その疲れが大きければ、翌日に同じことを繰り返す力が残っていないことがあります。
もちろん、不登校の子どもが登校を続けられない理由は、実行機能だけではありません。
子どもの不安や
学校で受ける刺激、
疲れやすさ、
見通しの持ちにくさ
など、さまざまな要因があります。

発達科学コミュニケーションでは、こうした子どもの脳の発達を理解しながら、
「今、その子が動ける状態なのか」
という視点で子どもを見ることを大切にします。
「できない」のではなく、
「今はその行動を続けるための力が十分に働きにくいのかもしれない」
と考えてみる。
この見方が、子どもの不安や行動を捉えるときの一つの手がかりになります。
3.息子の変化ー「家の中で続けられる」が「外でも続けられる」へ
私の息子も、以前は不登校でした。
当時は、
何かに取り組んでも途中で投げ出してしまったり、
最後までやり切ることが難しかったりする姿がありました。
例えば、
本を長い時間読み続けること。
部屋の掃除を最後までやり切ること。
料理のレシピを見ながら、途中であきらめずに完成させること。
以前の息子には、こうしたことが簡単ではありませんでした。
「最後までやって」と言えばできる、という問題ではありません。
行動を始めても、それを続けて終わらせる。
その一連の力が、まだ十分に育っていなかったのです。
そこで、関わり方を変えていきました。
大切にしたのは、最初から難しいことを長時間やらせることではありません。
「これならできそう」と思えることに取り組み、
短い時間でも集中できた経験を積み重ねること。
そうすると、息子には少しずつ変化が現れました。
1時間、集中して本を読めるようになり、
興味のなかった部屋の掃除も、最後までやり切るようになりました。
料理のレシピを見て
「わからない!」
と投げ出していた子が、
途中であきらめず、不器用ながらも最後まで仕上げるようにもなりました。
これは、特別な才能が伸びたということではありません。
「始める→続ける→終える」
という行動の経験を重ねる中で、
少しずつ続ける力が育っていったのです。

そして、家の中で安定してできることがえると、次に起きたのは「外」での変化でした。
学校や集団の中でも、
みんなと同じ量、
みんなと同じスピードで、
取り組める場面が少しずつ増えていったのです。
家の中で一つのことを続けられるようになった。
それによって、
できることの幅が少しずつ広がっていきました。
その変化があって、
再登校後の息子の学校生活は一気に前進していきました。
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4.実行機能を育てるときに大切なのはその子にあった負荷を見つけること
では、行動を続ける力を育てるためには、何を見ればいいのでしょうか。
ここで大切なのは、
「もっと長くできるようにしよう」
と考えることだけではありません。
まずは、
その子の脳が「集中できた」「続けられた」と感じられる負荷を見つけることです。
◆「短時間×取り組みやすい内容」から始める
例えば、
「これならできそう」
「やってみてもいい」
「少しなら頑張れそう」
そんな内容を選び、短い時間で終える。
嫌なことを無理やりやらせて、ダラダラ続けさせることとは違います。
難しすぎることや、
大人が「やらせたいこと」
ばかりでは、
途中で行動が切れてしまうことがあります。
だからこそ、
「気づいたら集中してたね」
「途中でやめなかったね」
と、できたことだけではなく、「続けられたこと」に目を向けるのです。
◆「できた」より「続けられた」に注目する
実行機能を育てるうえで大切なのは、一度だけできたという結果だけではありません。
「始めた」
「続けた」
「切り替えた」
「最後まで終えた」
という経験そのものです。
こうした経験が積み重なることで、行動をつないでいく力が少しずつ育っていきます。
行動を続ける力は、「もっと頑張らせる」ことで育つとは限りません。
その子が「続けられた」と感じられる経験を重ねることも、脳の発達を支える大切な視点です。

もし、不登校の子が
「新学期初日は登校できたのに、また休んでしまった」
ということがあったとしても、
そこで「失敗した」と決めなくて大丈夫です。
一日行けた。
でも、続かなかった。
そこには、
「学校へ行く力は出てきた。でも、今度はそれを続けるための力を育てる段階なのかもしれない」
という見方もできます。
これは、できなかったことを見逃すという意味ではありません。
むしろ、子どもの今の状態を細かく見るということです。
「なぜできないの?」ではなく、
「どこまでならできる?」
「何なら続けられる?」
「次に育てていく力は何だろう?」
と考えてみる。
不登校からの再登校は、一気に元の生活へ戻ることだけが前進ではありません。
子どもの脳が安心モードに戻りながら、少しずつ行動できる幅を広げていく。
その途中には、
「できたけど続かなかった」
という日もあります。
だからこそ、
一度できたことが続かなかったとき、
それを「後退」と判断するのか、
「次に育てる力が見えた」と捉えるのか。
そのママの見方が、
子どもの成長を見つける力にもつながっていくのです。
▼苦手・嫌なことは“やらない”ではなく“動けない…”
不登校の子に合う、次の一歩の育て方があります。

▼動画でもわかりやすく解説しています!2学期登校に必要な準備がわかります。
▼「この間は行けたのに今日は行けない…」
学校を休んでも学校で過ごすための力を育てる時間にできた体験談です


執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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