聞きたい!不登校の友だち問題!不登校を経験しても仲間づくりが上手になるわけ

不登校になって家に引きこもりがちにな中学生は、友だちとの付き合い方に不安を感じている様子はありませんか?今回は、元不登校さんから、どのようにして友だちとつながり、仲間をつくってどんどん世界を広げていけるようになったのかをお聞きしました。

1.不登校になってからの仲間づくりは、ハードルが高い?

不登校で学校に行っていないと、人とのコミュニケーションに不安を感じてしまう子も多いです。中学生にもなると、周りはどんどん大人びて見え、部活などで仲間をつくっていき、将来に向けて進路の選択などもしはじめます。そうなると久しぶりに友だちに会っても話が合わず、外へ出て人と会うことがますます億劫になってしまいがちです。

我が家の中学2年生の息子も、1年生の時は、不登校でも時々友だちと遊びにいくことがあったものの、2年生になってからは全くなくなりました。

オンラインのフリースクールで、仲間や先生たちと一緒にオンラインゲームを楽しむことはありますが、やはり、リアルで知っている友だちと一緒に遊びに行ったりゲームをしたい、という希望があるのですが、自分から声をかけて遊びに誘う勇気はないようです。

今回、漫画家の棚園 正一さんに、ご自身の不登校体験を綴った著書「学校に行けない僕と9人の先生」と「学校に行けなかった僕と9人の友だち」を元に、たくさんの先生や友だちと出会いと別れを通して、どのようにして、さまざまな場所で仲間を作り、そこで出会った人たちと充実した未来を手に入れたのか、お話を伺うことができました。


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2. 中学までは「学校に行くため」の友だちづくり

ーー小学校1年生で不登校になり、その後、様々な先生や友だちと巡り合っていき、また学校に行けなくなって…と繰り返していましたが、そのたびにまた友だちを作ろうと、果敢にチャレンジされていったのは、どのような思いからでしょうか?友だちを作らなきゃいけない、と思っていたのでしょうか?

「小・中学校の間は、『友だちを作ろう』とは思っていませんでした。『学校に行かなきゃ』というのはずっと思っていました。学校に行くために、友だちを作ろうとしていました。うまくやらなきゃいけないことの一つ、でしたね。」

ーー先生たちも、様々なタイプの先生がいたと思いますが、その先生たちともうまくやらなきゃ、と思っていたのでしょうか?

「小・中学の時は、そのように意識していた訳ではなかったですね。
ただ、先生によって、クラスの雰囲気が大きく変わるので、なんとかそれに合わせようとはしていたかもしれません。合う先生、合わない先生はいました。」

ーーうちの息子は、それまで仲良くしていた友だちとも疎遠になり「どうせバカにされている」というように受け取っているようです。
そんな思いはありましたか?

「僕もありましたよ。中学校までは、学校に行っていない間同級生たちにどう思われているんだろう、と考えていました。」

ーーそれでも、小学校の頃からたびたび良い出会いをしてこれらているとは思うのですが、学校に行けない自分、という劣等感もある中、出会いを引き寄せていることはすごいことです。
自分から、うまく友だちづき合いができていっているのはどうしてでしょうか?

「中学生まではずっと受け身でした。自分から頑張ろう、と思ったのは、中学校を卒業して専門学校に入った時です。

なぜそこで変われたのかというと、中学校3年生の時、ほとんど登校していない自分に話しかけてくれた子がいたんです。その子が自分のことを知っていてくれたのは、2年生の時の担任の先生が、僕が家で描いた絵をクラスに定期的に飾ってくれていたおかげでした。クラスのみんなも、顔は知らないけど『絵を描いている子』という認識を持っていてくれていたようです。
中学校を卒業して、自分も中3の時の同級生みたいに友達に話しかけていってもいいのかな、と思うようになりました。」

ーーそのような勇気をもらえるような良い出会いを経験して、大人になる過程の中でだんだん自信もついていったということもありそうですね。

ーー

中学生くらいまではまだ人間関係について意識して行動するのは難しい時期だと分かりました。でも、たった一つの出会いが将来につながることもあります。そんな機会を見逃さないようにサポートしてあげたいですね。


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3. 不登校からの卒業は、仲間との充実した生活

ーー中学卒業後の専門学校時代から友達作りに果敢にチャレンジしていくことができた秘訣はありますか?

「小学校、中学校、の時は、自分から友だちに話しかけるようなタイプではなかったですね。今は全く逆転しています。そういう元不登校の人の話はよく聞くのですが…。自分という人間を認めてもらえる人と場所があるということを知ることが自信に繋がっているんだと思います。色々な人と会っていくうちに分かってくる、という感じですね。」

ーー専門学校を卒業されてから、フリースクール(高卒認定予備校)を自分で探してこられていますよね?
進路を迷っても、挫折することもなく、自ら居場所を探したのはどうしてでしょうか?

「何かが僕の中で一気に変わったわけではないんです。
ずっと学校が苦手で行くことが出来なくて、専門学校にはなんとか行って、でも、定時制高校を選んで行ってみたけどまたダメだったのですが…立ち止まってしまうことはありませんでした。不登校になってから10−11年ほど経っていたので、また同じことを繰り返す事がいやだったんですね。
痛みに慣れる、というか、いつも同じ状態でいることに疲れてしまっていたこともあります。(エネルギーもたまって)上を向き始める時期がやってきた感じです。
その時に、なんとなく聞きかじっていた『大検』『フリースクール』というワードが頭の中に出てきたんです。」

ーーフリースクールは、どんなところでしたか?

「最初は正直、ネガティブな印象を持っていたんです。学校に行けない子が行く場所。社会からの脱落者が行く、というイメージを勝手に抱いていました。自分もそうだからしかたないと。

でも実際入ってみたら、そんな自分の勝手なイメージとは全く違う場所でした。帰国子女や勉強ができる子、中学を卒業してそのまま来た子、周りに馴染めない子、いじめにあった子もいました。『学校に行ってない』といっても、こんなに色々な人がいるんだ、ということに衝撃を受けました。」

ーーそこで自分を、自分のままでいい、と認められるような体験があったのですよね。

「フリースクールでの生活で何よりよかったことは、そこで楽しく過ごす』ことができたことと、一気に同年代の友人たちができて、一緒に遊んだり、キャンプに行ったり旅行に行ったり、勉強もすることができました。そんなふうに過ごすことが、それまであまりなかったので、友人たちと一緒に歩くだけで、誇らしい気持ちになりました。

それまでは、周りが羨ましかったんです。学校が嫌いで行けなかったのに、すごく学校に憧れがあって、街で同年代の子が高校に通っている姿を見ては『いいな』『ああいうふうに自分がなれたらな』と思っていました。

そのフリースクールに通い始めて友だちができてから、周りが羨ましく感じなくなりました。自分の方が楽しめているとさえ感じることができて。その頃から、学校に行かない生き方も、ありなのかもしれない、陽のあたる道を歩いても大丈夫なんだ、と自分を肯定できるようになりました。」

ーー仲間ができて、すっかり心が安定し、周りのふつうの高校生を羨むことがなくなって、自己肯定感が高まったのですね。「不登校」の自分はいなくなって、仲間とともに試行錯誤しながらも一歩ずつ自ら歩んで行かれた様子がよく分かりました。

棚園先生、ありがとうございました!

4.自分をそのまま受け入れてもらえることが、自己肯定感を高める第一歩

いかがでしたか?

今回お話を伺って、「自分」をそのまま認めてもらえる人と場所が、いかに大切かを改めて感じました。そして、たった一人との出会いから、行動が変わったり、そこから広がる世界があることもわかり、不登校で行動範囲が狭い子でもチャンスがある、とヒントをいただきました。

ですが、繊細な子などは、周囲の大人が「ここに行きなさい」「この人と会いなさい」と勧めても、そもそも外に出るのが億劫だったり、人に会うこと自体が怖くなってしまっていることもあり人との交流なんて難しい、と躊躇してしまうこともあるかも知れません。
繊細な子には、安心して人と繋がれる場所を用意してあげるとよいと思います。

我が家の息子は、家にいながら参加でき、ゲームを通して活動できるオンラインフリースクールに参加しています。メンターさんとの面談や、ゲームでの交流の際には、いまだに顔出し、声出しNGなのですが、スタンプやチャットを駆使してなんとかコミュニケーションをとっているようです。
返事に時間がかかってしまっても、辛抱強く待ってくださることもあり、本人はとても居心地良く楽しめているようです。

友だちと一緒にゲームがしたい、という本人の希望をメンターさんと共有して、さらに楽しい活動ができるように環境を整えています。

不登校の子どもは、心の中では色々な人と関わってみたい、友だちを増やしたいと思っていても、すぐに行動には移すことができないでいるかもしれません。

私たち親が、子どもが望んでいることや、我が子に合いそうな人と出会えるチャンスを用意してあげる。

押し付けずに、「これはどう?」「嫌ならいいよ、やりたいと思ったらいつでも言ってね」と子どもがプレッシャーにならない声かけをしてあげる。

そんな関わり方で、少しでも不登校の子の世界を広げるお手伝いをしてあげることが、未来の子供のためにできる私たち親のできることなんですね。

不登校のお子さんのお友だち問題で悩まれているお母さん、まずはお子さんが興味のあることで、楽しめそうな場所から、外の人たちと繋がれる機会を探してみましょう!

執筆者:菊池 のりか
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)

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