1.高学年の反抗期の子どもに手を焼いていませんか?
発達障害グレーゾーンの子どもが高学年になって、イライラしたり、急に怒ったりと感情の起伏が激しくなってきて、対応に困っていませんか?
声をかけたら「うるさい!」など言われて、「何でそんなこと言うの!」などお母さんも感情的になってしまって、怒ってばかり…ということはないでしょうか?
わが家の発達障がいグレーゾーンの小学6年生の息子は、不安が強く感情のコントロールが苦手なタイプです。
そんな息子が小学校高学年になったとき、反抗的な態度や言動が増えてきました。
・口答えばかりしてくる
・攻撃的な言い方をしてくる
・注意しても聞かない
・親の介入を嫌がる
・親と話をしたがらない
このような反抗的な態度が目立ってきました。
何を聞いても、指示しても「うるさい!」「知らん」「わかってる!」
と、投げやりな返事が返ってきて、会話にならない状態でした。
叱り続けてばかりいたためにネガティブな感情が蓄積され、本当の自分の気持ちを素直に伝えることができずに、息子は暴言と言う形で表現してきたのです。
そんな息子に私は
「その態度は何なの!?」とイライラして、叱りつけて言うことを聞かせようとばかりしていました。結果、子どもとバトルになってしまう毎日に苦悩していました。
元々持っていた感情のコントロールが苦手と言う特性に加え、反抗期でさらに自分の苛立ちを抑えるのが難しくなってきている息子…。
そんな息子に私も感情的に対応してしまって状況が悪化する一方でした。
そして、反抗期のグレーゾーンの子どもへの具体的な対応がわからずに、負のスパイラルから抜け出せない状態になっていました。
高学年になって発達障がいグレーゾーンの子どもがイライラして反抗的になるのには、理由があります。
2.なぜ高学年の発達障がいグレーゾーンの子どもは難しい?
小学校高学年の時期は、「二次性徴」で体も心も急激に変化します。
高学年という時期は、親から自立したい気持ちとまだ自分ではできないことが多いという現実に、態度が反抗的になったり感情が不安定になることがあります。
また周囲から自分がどのように見られるか、非常に敏感になる時期でもあります。
周りと自分を比べたりして、できないことに劣等感を持ちはじめます。
とくに発達障がいグレーゾーンの子どもは、苦手なことも多いので「できないこと」に直面して葛藤を感じやすく、ストレスをかかえたり、不安な気持ちになりやすいのです。
そして、それをうまく表現できず文句や暴言という形で表現してしまうのです。
お母さんもその暴言についイライラしてしまいますが、発達障がいグレーゾーンの子どもが反抗的になっている時にやってはいけない対応があります。
そのNG対応とはどんなことでしょう。
3.子どもがイライラしている時にやってはいけないNG対応
まず、発達障がいグレーゾーンの高学年の子どもに接する時、お母さんに避けてもらいたいNG対応をお伝えします。
◆感情的になる
子どものイライラや反抗的な態度に、お母さんが感情的に反応して叱ってしまうと、余計に子どもの文句や暴言を悪化させることになってしまいます。
発達障がいグレーゾーンの子どもは、叱られたり注意をされてもすぐに行動を改善することは難しいのです。
感情的に対応して、怒ったり、命令口調の叱り方はますます反発することにつながり、親子でイライラが増してバトルに発展してしまいます。
◆質問・尋問する
声をかけても無反応、「わかった」しか言わない、そんな子どもに「どうして答えないの?」「聞いてるの?」「何か言いなさい!」などと問い詰めても、子どもは余計にうっとうしく感じて反抗心が高ぶります。
また発達障がいグレーゾーンの子どもは、自分の気持ちや考えを整理して伝えることが苦手なので、質問や尋問をする事は、さらに子どもを追い詰め事態を悪化させてしまう場合もあります。
では、子どもが怒ったり、イライラしたり、暴言を吐いたりしているときは、どのように対応すればいいのでしょうか。
4.近すぎない距離感が大事!まずは○○して対応しよう!
これからご説明する方法は、子どもと普段の肯定的な関わりがしっかりできているからこそ効いてくる対応です。
普段の生活の中でお子さんに肯定的に関わることをまずは意識してください。
それでは、子どもが感情的になって反抗してきた時の対応を説明します!
子どもの感情の起伏が激しくなっている時、怒っているとき、暴言を吐くなどの態度が見られた時は、まずは距離感を取りましょう。
スルーして距離感を取ること(子どもの感情に巻き込まれないこと)です。
子どもが、感情的な態度で接してきたら、注意や叱ったりせずに、最初からスルーしてくださいね。
お母さんが取り合わないと子どもが落ち着いてくるので、まずは落ち着かせることを優先します。
そして、落ち着いて何か次の行動を始めたり、良い行動をし始めたらそのことを(良い行動のみ)を即座にほめましょう。
例えば次の行動へうつったときに
「テレビみるんだね」
「おやつたべるんだね」
「ごはん食べるんだね」
など行動したことそのままを言葉にして声をかけてあげるだけでいいのです。
子どもの感情の起伏に「取り合わずに待つ」ということは、子どもをよい行動に導いたり、気持ちを切り替えさせることに欠かせないのです。
落ち着かせて、気持ちが切り替わったことを脳に伝えると、だんだんその積み重ねで感情コントロールもできるようになります。
そうなると、声かけをしたときに暴言やイライラした態度で表現せずに、自分の言葉で気持ちを表現することができるようになってきます。
普段の肯定的な関わりをしっかりした上で、この距離を置く対応を組み合わせてやっていくと、親子でイライラしなくていい環境がつくれます。
反抗期は、お母さんの対応も変えていかなければならない時期です。
お母さんが感情的に関わることなく、まずは子どもの感情を落ち着かせること、感情のコントロールができる力をつけてあげることを意識するとお母さんもイライラせずに、子どもとの信頼関係を築くことができますよ。
執筆者:山南 あや
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)