1.子育てがうまくいかないのは、自分のせい…。自分が大嫌いになってしまった時期も
内山未奈さんの息子さんは現在小学6年生。息子さんが5年生の時に、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学び始めました。現在は、リサーチャーとして発達の研究をしたり、情報発信をしています。
子育てに悩んだ時どのように乗り越えたか、また現在どのような気持ちで活動されているのかをお聞きしました!
――子育てで一番、悩んだ時はいつでしたか?
息子は、幼い頃からトラブル続きで、ずっと大変な子育てでした。他の子を叩いてしまったり、謝りに行ったことも何度もありました。
保育園の頃から、息子は先生に怒られることが続いたので、自信を失っていたのもあったんだと思います。それを本人がうまく言葉にできなくて、激しい癇癪(かんしゃく)として表れていました。
癇癪の矛先がすべて母親である私に向かってきていて、息子の激しい暴言に悩まされていました。一番つらかったのは、小学校4年生の時です。
「子育てがうまくいかないのは、自分の育て方が悪いせい」だと思って、ずっと自分を責めていました。
私は元々ポジティブな人間だったはずなのに、子育てがうまく行かないことで、自分が大嫌いになってしまったんですよね…。前向きになれないのが辛かったです。
――大変な時期が長く続いていたんですね。どう乗り越えましたか?
それが、私の場合はとっても周りの環境に恵まれていて、話を聞いてくれる人が近くにいてくれました。
自分が育った地元に今も住んでいることもあって、近くに高校の同級生がいたんですが、その友達も偶然、発達凸凹のある子を育てていたんです!話を聞いてくれたり、アドバイスをくれたり、力になってくれました。
他にも、昔から知っているお友達が子どもの同級生のお母さんに多かったり、保育園や学校で知り合うお母さんも良い方が多くて有り難かったですね。
私の母も、保育士をしていて子育てのフォローしてくれました。
私のことを否定しないで見守ってくれながら、「でも、子どもの気持ちはこうなんじゃない?」と息子の立場も考えてアドバイスをくれたり。母のことは本当に尊敬しているので、アドバイスは素直に受け入れることができました。
ずっと大変だったけれど、なんとか落ちるところまで落ちずに済んだのは、話を聞いて欲しいときに聞いてもらえる環境だったからだなと思います。
――内山さんのお話を聞いていて、周りの人と良好な関係を築かれていることが伝わってきます。良い意味で“巻き込み力”がある方だなという印象です。
すごく周りに甘えて頼ってますね!
よく発達凸凹の子を育てているお母さんって、学校の先生と対立してしまう人が多いですが、私の場合は先生を信頼して頼るようにしています。
やっぱり関わり方が大事なんじゃないでしょうか?お願いすることがある時は、謙虚な気持ちでお話するように心がけています。
すっかり甘えていて、この間も登校しぶりで学校に着いた時に息子が嫌がった時があったけれど、「せんせ~い!」って呼んで教室まで連れて行ってもらいましたよ(笑)
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内山さんは、お話の中で「私は周りの人に本当に恵まれている」ということを何度もおっしゃっていて、その謙虚な気持ちが周囲の人と良い関係を築かれている秘訣ではないかと感じました。
1人で抱えていると悩みが膨らんできてしまいがちですが、自分から心を開いて周りの人と協力し合える関係をつくっていく力も母親に必要なものだと思います。
2.発コミュを学んで前向きな気持ちに
――周囲の人に相談する以外の方法で、気持ちが楽になったきっかけがあれば教えてください。
発コミュに出会ったことが大きかったです。基礎講座の1回目を受けただけで、ずいぶん変わりました。私の場合は、子どもに対してまったく怒らなくなりました。
今まで色々なところに相談していたけれど、具体的な解決策は見つかりませんでした。
でも、発コミュの場合は脳科学に基づいたメソッドなので、「どうしてこういう対応をすることが大切なのか」説明を聞いて自分の中でスッと納得することができたんですよね。
癇癪だけは私が教わった通りにうまく対応できなくて長引いてしまったけれど、それ以外の困りごとは基礎講座を受講してほとんど解決しました。
――困りごとが解決していって、内山さんの気持ちは前向きになりましたか?
変わりましたね。ふりかえって考えてみると、自分のネガティブな気持ちが息子に移っていたなと思うところがあります。お母さんが前向きになることが大切だなと実感として感じています。
あとは、発コミュを学んでいる他のお母さん達の姿から元気をもらうこともありますよ。
「他のお母さんも悩んでいることがきっとあるんだろうけど、こうやってがんばっているんだから自分もがんばろう!」と思うと前を向くことができます。
落ち込んだとしても、ちゃんと立ち直ることができるようになりました。
何かあったとしても、発コミュの対応をしっかりやっていれば大丈夫という軸ができたことが大きいと思います。
3.悩んでいるお母さんに「1人じゃないよ!」って伝えたい
――発コミュ・リサーチャーとして活動されていますが、これからの夢を教えてください。
どうしても悩んでいる時って“自分は1人”だと思っちゃいますよね。私は悩んでいるお母さんに「1人じゃないよ。大丈夫だよ。私もいるし!」って伝えたいです。
私はたまたま周りに話を聞いてくれる人がいて辛い時は気持ちを吐き出すことができたけれど、それができないお母さんもいますよね。そういうお母さんには「私に話してくれていいよ」と思います。
やっぱり、お母さんには笑顔でいて欲しいと思います。
――悩んでいる時って自分を責めてしまいますよね。自分が育てなければ、子どもはこうならなかったかも…と思ってしまったり。
そうなんですよね。私はそういうお母さんに「そうじゃないよ」って伝えたい。でも、そうじゃないよって励ませるのは、同じ凸凹のある子を育てた経験があるお母さんだからできることだと思います。
私も辛い時は、未来なんて想像できませんでした。
でも、発コミュを教えてくれた清水畑先生のお子さんが息子の年齢よりも大きかったのですが、良い方向に変わられた経験を聞いて、息子も変われるかもって希望を持つことができました。自分より先を行っている人をみることも大切だと思います。
今は発達障がいの診断を受けることに抵抗があったり、診断結果を受け入れられなくて悩むお母さんも多いですよね。でも発コミュってどんな子どもにも、とっても良い影響があるものだと思います。
将来的には、診断ある無しにこだわらず「子どもに困りごとがあるんだったら発コミュをやっていこう!」というぐらいに広まっていったら良いなという想いがあります。
まだ発コミュを知らなくて悩んでいるお母さんに、これからも届けていきたいと思います!
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辛かった経験も明るい口調でお話してくださる、あたたかい人柄の内山さん。自分が悩んだからこそ、お母さん達の力になりたいという強い想いが伝わってきました。
「個性があるのは、当たり前の世界を作りたい!」という大きな夢を持って活動されています。
内山さんの場合は、周りに同じ発達凸凹の子を持つお母さんがいたこと、自分のことを否定しないで話を聞いてくれる人がいたことが助けになったようです。
もし周りに話せる人がいない場合は、一歩踏み出して、同じ境遇のお母さんと繋がれる方法を探してみるのも良いのではないでしょうか。
お母さんの前向きな気持ちは、子どもにも伝わります。自分が笑顔になれる方法を見つけて、毎日を過ごしていきたいですね!
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執筆者:滝麻里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
発達科学ラボには、同じ悩みを持つお母さん達と繋がりながら、子育ての具体的な解決策が得られる環境があります!