すぐ手が出る発達障害グレーゾーンっ子の脳のしくみを知って、行動を改善する方法はコレ!

「手だけは出さないで!」とお悩みのママさんへ。発達障害・グレーゾーンのすぐ“手”が出るタイプのお子さんは、なぜ“手”が出てしまうのでしょうか?脳の特性から読み解いて脳を発達させることで行動を改善する方法をお伝えします。

1.すぐ“手”が出るのが悩みだった次男

発達障害の診断あるなしに関わらず、“手”が出てしまう子は一体どんなタイプなの? ということで、我が家の次男の事例をご紹介しますね。

我が家の次男は発達障害の診断はありません。でも“人のモノ”へのこだわりが強いのです。

例えば、お友達が自分の見たことがない、興味のある文房具を持っていたとします。

そうすると好奇心が止まりません!

「見せて見せて!」とガンガン我が道をいきます! そして、自分が納得いくまで、そのモノを観察して、納得しないとお友達に返せないんです。

そうすると、どういうことが起こるかと言うと…「もういいでしょ!返して!」と言われてしまうんですよね。

相手が女の子だと、「返してって◯◯ちゃんが言ってるじゃない!」と仲間が集ってしまい、さらにややこしくなることがあります。

しまいには暴言をぶつけてくる女の子なんかも出てきて、その状況と言葉にキレてしまう次男…

なんとも自分が巻いた種とはいえ、こうなっては自分もどう対応していいか分からなくなるようです。

結果として、手が出てしまったり、モノを投げてしまったりしていました。

手が出る、ということは、相手が怪我をする可能性があるということ。

とても危険です!子どもを加害者にも被害者にもしたくないですよね。

今回は、”手”が出てしまうという脳の仕組みと、その対応策についてお伝えしていきます。

2.”手”が出るということから、脳の特性を読み解こう!

あらゆる行動の司令は脳から出されています。手が出る、あるいはモノを投げるという行動を、脳の働きの観点から読み解いてみましょう。

脳は部位によって、つかさどっている内容が違っているんです。

手が出る、物を投げる、どちらも体を動かしていますよね。脳の運動をつかさどる部分が関係しています。

手が出そうになったとき、『ぐっ』と我慢して自分の感情をコントロールできるのが理想的です。

でも、結局手が出てしまうという状況は、まだその感情をコントロールするという脳の部位が発達途上だということなのです。

感情のコントロールが育ってくれば、運動機能とのネットワークも強化されて、イラっとしても手が出すのを我慢できるようになるはずなのです。

3.脳の特性を利用した脳を発達させる改善策はコレ!

発達障害の診断あるなしに関わらず、その子の特性によって、脳の「得意」と「苦手」の差が大きい場合があります。

そんなときは、ぜひ「得意」から伸ばすことを意識して毎日のコミュニケーションをとっていくといいですね。

脳の得意な部分は、様々な経験を積み重ね、多くの情報を得て、発達していきます。

そうやって得意な部分が成長すると、他の役割の脳とつながって連携をし、成長が他の部分にも波及していきます。

我が家での実例をご紹介します。

もともと、「考える」脳を使うのがあまり得意ではない次男。得意ではないので 「どうしたらいいと思う?」と聞いてもすぐ返答できません。

そこで私が実践した行動は…「脳に届きやすい言い方」に切り替えて 「考える」脳を育てる会話をする!ということです。

我が家は子どもが4人できょうだいも多いですし、私自身も本当に慌ただしい生活スタイルです。

そんなときに起こりがちな言い方といえば、「◯◯~!アレやったー?コレやったー?」と遠くから叫ぶ!

これではなかなか脳には届きません。その結果、お互いにイライラしてきてバトルになりがちでした。

この対応を変えました。ちょっと手を止めて、次男の近くに寄っていって、 耳元で “笑顔で” “ゆっくりと” “優しい声で” 目を合わせながら「~やった?」とささやくのです。

そうすることで、子どもの脳へスムーズに伝わります。

また、好ましくない行動をしようとしたときには、 同じように 耳元で 「よく考えてごらん」「今度からこうやってみようよ」と提案型の話しかけをします。

そうすることで怒ったり、叱ったりしてネガティブな感情を蓄積させるのではなく、「聴く」脳を活発に働かせます。

活発に働くということは、脳の成長につながりやすい、ということです。

成長した「聴く」脳は、今度は他の役割を持つ脳、ここで言えば「考える」脳と連携を始めます。

こんな考え方をもとに、「聴く」→「考える」という脳のパイプを作るための声かけを、家で丁寧にやっています。

子どもたちの発達って、脳の仕組みからみていくと、こんな感じで働いているんです。感心しちゃいますよね。

“手”が出る子! “モノ”を投げちゃう子!で終わらせず、子どもの特性を脳の仕組みから考えてみてください。

そうすることで、より良く子どもの脳に働きかけ、今までよりもより良い親子のコミュニケーションがとれるはずです。

脳の仕組みをもとにした発達科学コミュニケーションを実践し、子どもたち一人ひとりの個性の芽を伸ばしていきたいですね。

執筆者:遠藤有里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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