1.発達凸凹キッズの中学入学準備、ネット情報を見てやっていませんか?
発達障害グレーゾーンの小学生のお子さんがいらっしゃるお母さん、我が子が中学生になったときのことを想像できますか?
お子さんが中学に入る前に準備をしておかなくちゃと思っていることはありますか?
「中1ギャップ」という言葉もある通り、小学生から中学生になという環境の変化はとても大きいものです。
小学校ではクラス担任の先生がほとんどの教科を教えてくれていたのに、中学校に入ると教科担任制。
なかなか一人ひとりの先生全員に子どもの特性を理解してもらおうというのは難しいかもしれません。
また、授業の難易度も上がり定期テストも始まります。
そのため、一般的には、ネットや子育て雑誌等で、
「中学入学前までに学習習慣をつけましょう!」
「春休み中にこのドリルで復習しましょう!」
「苦手意識を克服させましょう!」
と、子ども側に要求することが多く掲載されるのが一般的にいわれる中学進学準備です。
果たして、発達凸凹の子どもに、「これもあれも」とやらせることで、中学校生活を本当にスムーズに過ごすことができるのでしょうか?
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2.小学校・通常級で問題なかったから中学生になっても大丈夫…とは限らない
今回は、私の反省も踏まえつつ、発達障害グレーゾーンの子が中学進学前にやっておきたいことをお伝えしたいと思います。
我が家の息子は小学校を通常級で過ごしました。担任の先生の温かいサポートと理解あるお友達に囲まれて、いつもニコニコと楽しく通っていました。
中学校も、なんの迷いもなく通常級に進んだのですが…
小学校と違い、全教科の先生に発達の特性を理解して対応してもらうことは難しく、成績表は目を覆いたくなるような数字が並んでいました。
毎日がHappyタイプの息子は楽しく学校に行ってはいましたが、人知れず自信を失っていたことは間違いありません。
実は、発達障害グレーゾーンの子は、中学校という今までと違った環境の中で、自信を失う機会がとても多くなります。
なぜかというと、中学校では高校進学にむけての「評価」が本格的にスタートするからです。勉強も生活態度も評価基準にそって順位をつけられます。
発達障害グレーゾーンの子にとってはこの「評価」が大敵です。発達の特性による苦手により、厳しい評価をされてしまいがちで、子どもは自信を失い、お母さんは大慌て!!
本人の努力でなんとかなることと、そうでないことが発達障害グレーゾーンの子にはあるのです。
3.中学生の発達障害グレーゾーンの子への支援の難しさ
発達の特性によって「できないこと」がある場合は、学校のサポート状況を調べておきましょう。
中学でのサポートは自治体や学校によって違いますが、支援を受け始めるのには時間がかかるので早めの行動が肝心です。
息子が通う都内公立中学では、通常級に通う発達障害グレーゾーンの子のために、週に1回、支援員さんが学校に来て「取り出し授業」を行ってくれました。
「取り出し授業」とは、特に苦手な授業を個別に指導してもらう制度です。
息子のように不注意傾向が強く、先生がワーッと喋った内容をうまくキャッチしきれない子には、ありがたい仕組み。
私は息子のため、学校に発達の検査結果を持って支援要請をしても、はじめは取り合ってもらえませんでした。
なぜなら、息子はただ忘れ物が多く、成績が悪いだけで、授業の進行に悪影響がないからです。授業中歩き回るわけでもなく、先生の授業進行を妨害するわけでもない。
それよりも反抗期真っ盛りのリーダータイプの子の対応に手を取られるため、「他に手がかかる子は、もっといますから」と言われて対応してもらえず…
1年生のときは学校を頼るのを断念しました。
その後、2年生に進級し、担任の先生もスクールカウンセラーも変わったのを機に、もう一度検査結果を持って相談に行きました。
そこでやっと、区の特別支援検討委員会にあげてもらうことになったのですが、これにとても時間がかかるのです。
我が家の場合、夏休み前に学習の支援を申し入れて、区の検討会に上げてもらえるのが12月、検討会で通れば3月以降の支援スタートになります、と言われました。
その後、我が家は運良く早めに支援を受けるチャンスをもらいましたが、申請しても通らないお子さんもいると聞きます。
また、中学生になると、特別なサポートを受けていることを周りに知られるのを嫌がる子も出てきます。そのため、申請が通ってもお子さんの意思で支援を受けない選択をするケースもあります。
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4.お母さんができる!お子さんが困らないための2つの対策
◆対策1 お子さんの「得意」「不得意」を理解しよう!
発達検査を受けたことがないなら、できること・できないことの凸凹を把握するために受けるてみるのも、一つの方法です。
検査や観察でお子さんのことが分かったなら、何をどのように伸ばしていくか戦略を立てましょう。
困りごとがあるとどうしても、「できないこと」から対応しようとしてしまいがちですが、発達障害グレーゾーンのお子さんにとって、そのやり方は実を結びません。
巷の、「中学入学前にやっておくべきワークはこれ!」というような問題集をやらせても効果がないんですね。
「得意」と「苦手」をしっかり理解して、「得意」から伸ばしてあげるという、これまでには持てなかった子育ての視点を持つことが必要です。
また、お母さんがお子さんの特性を知って、学校の先生に根気強く伝え続けることも大切です。
支援を活用しないにしても学校の担任の先生には、我が子の“取り扱い説明書”を共有してみると良いでしょう。
◆対策2 お子さんの「自信」をお家で満タンにしてあげておく!
中学校に入ると、勉強も生活態度も基準に沿って「評価」される環境に変わります。この「評価」が実は曲者で、子ども自身の自信を失わせる原因になるのです。
外で自信をつけることができない子は、どこで自信をつければいいのでしょうか?
それがズバリ「家」なのです。
発達障害グレーゾーンの子の支援は現在の日本では十分とは言えません。家庭に丸投げされているのが現状です。
だからこそ、お母さんに子どもの発達を加速させる対応をマスターしてもらいたいのです。
発達に欠かせないのが自信。自信がない子は自立できません。将来を見越した時に一番大切になるのは子どもの「自信」です。
もし今、お子さんの発達の課題が原因で、親子関係がギクシャクしているのなら、迷わずにお子さんを伸ばすための対応を手に入れてほしいと思っています。
中学校生活はたったの3年しかありません。その時になって焦らないように、今から準備を進めてみませんか?
今、小学6年生のお子さんなら、中学入学まであと2ヶ月。
(4年生、5年生ならたっぷり準備の時間があります。)
たった2ヶ月ですが、されど2ヶ月です。しっかりとお子さんの得意を把握したら得意なことをたくさん認めてあげましょう。お母さんの対応が変われば2ヶ月でもびっくりするくらい、お子さんは自信を持つことができるようになります。
ゲームでもいい。遊びやスポーツでも、おやつを食べているときでもいいんです。
「いつもゲーム熱心にやってるね」
「集中力があるねぇ」
「サッカーしてる姿かっこいいよ」
「ごはん綺麗に全部食べてくれてありがとう!」
「たくさん食べるから体力ついてきたよね!」
と、子どもが自信を持てるような声かけをしてあげましょうね!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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