1.「ママのせい!」なんでも母親のせいにして八つ当たりするのはなぜ?
朝、登校準備を促しているのに、子どもはダラダラしてなかなか動かない。
「早く着替えて」
「もうテレビ見てたからこんな時間だよ」
「昨日遅くまでゲームしてたから朝ぼーっとしてるんだよ。遅れちゃうよ」
そう声をかけているうちに、結局時間切れ。
すると、
「ママのせいで遅れる!」
「遅れるならもう学校に行かない!」
「なんでちゃんと言ってくれないの!」
と、ママのせいにされてしまう…

ママからすると、
「いやいや、ちゃんと言ったでしょ。
動かなかったのはあなたでしょう?」
と言いたくなりますよね。
そんな毎日が続くと結構しんどい。
「ママのせい!」となんでも母親のせいにする子どもは、本当にママのせいと思っているのではありません。
本当は、不安や自信のなさをうまく言葉にできない…
そんな行き場のない気持ちを、いちばん安心できる相手であるママに気持ちをぶつけるしかない状態なのです。
けれど、この姿は限られた家庭だけで起きていることではありません。
こんな子どもの困った行動も、正しいステップで対応することで、次第に一人で落ち着いて行動できる子に変わっていきます。
「2学期は行きたい」「2学期は頑張りたい」と言うけど本当?…
▼すぐに疲れる、怒りっぽくなるのはストレスへの耐性がまだ育ってないだけでした

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2.本当は「失敗するのが怖い…」子どもの本音とは?
なんでも母親のせいにしてしまうのは、原因として、脳の発達のしかたと、これまでの経験の積み重ねがあります。
子ども自身も本当は、
「学校に行く準備をしないといけない」
「時間通りに行かなければいけない」
ということは頭では理解しています。
それなのに動けない。
そして、うまくいかなくなると「ママのせい!」と言ってしまう。
その背景には、主に3つの理由があります。
- 準備や段取りが苦手
- 失敗体験が多く自信がない
- 不安を言葉で表現するのが苦手
だから、
「どうしたらいいかわからない」
「また失敗するかもしれない」
「でも怖いと言えない」

という気持ちがいっぱいになり、脳は防衛反応を起こします。
それがママを責める言葉として出ているのです。
これは反抗ではなく、ママに助けを求める隠れたサインです。
決して、親の育て方が間違っているわけではありません。
3.母親がやってはいけないNG対応
「またママのせいにしてる…」
そう感じるたびに、心が折れそうになるけれど、ここで対応を間違えると、子どもの不安はさらに強くなり、責める言葉も増えてしまいます。
「あなたが遅いんでしょ」
「ママはちゃんと起こしたよね」
こう言いたくなる気持ちは自然です。
けれど、正論をぶつけられたり感情的に返してしまうと、子どもはさらに防御的になってますます本音を言えなくなります。
また、なかなか動かない行動だけを見て「早く!」「何回も言ってるよ」と急き立てることもおススメできません。
問題は行動そのものではなく、その背景にある不安です。
責めるよりも先に、落ち着かせる。
動かすよりも先に、安心させる。

それが、遠回りに見えていちばんの近道です。
この子が動き出したのは
▼特別な子だったからじゃありません

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4.なかなか動き出せない子どもが自分で動けるようになる3つの関わり
では、どうしたら「人のせいにしない子」になっていくのでしょうか。
子どもの脳が安心して動ける状態をつくり、少しずつ「自分でできた」という記憶を増やしていくことです。
①過去のネガティブな記憶を書き換える
不安が強い子には、ネガティブな記憶が残りやすいことがあります。
学校で怒られた。
うまくできなかった。
恥ずかしかった。
そんな記憶が強く残ると、学校に行く前から不安になり、朝の支度も止まりやすくなります。
そこで、おうちで育てたい力があります。
- 叱られたことを引きずりすぎない力
- 自分の気持ちを言葉で語る力
おすすめは、学校の写真を見ながら、お気に入りの1枚を選んでもらう方法です。
「この写真のどこが好き?」
「このとき、何が楽しかった?」
「誰と一緒にいたの?」
と聞いてみます。
楽しかった場面を思い出すことで、学校に対するポジティブな記憶を引き出しやすくなります。
ネガティブな記憶は、ポジティブな記憶で上書きされることで、少しずつ薄れていきます。
学校での楽しい生活をイメージできるだけで、不安や恐怖を引きずりにくくなる子もいます。
また、写真を見ながら話すことは、自分の気持ちを言葉にする練習にもなります。
「ママのせい!」ではなく、
「本当は不安だった」
「失敗するのが怖かった」
と言える力につながっていきます。
②行動できた体験を積ませる
脳は、行動することで発達していきます。
不安が強くなり、動けなくなって行動量が落ちると、ますます自信をなくしてしまいます。
だからこそ、子どもの行動量が低下しない会話が大切です。
ポイントは、当たり前のことを肯定することです。
- 朝、起きてきた
- ご飯を食べた
- 使った物を片づけた
- 歯を磨いた
こうした小さな行動を見つけて、言葉にして肯定します。
たとえば、
「お着替え始めるんだね」
「ご飯、しっかり噛んで食べてるね」
「ズボンはけたね」
「宿題、ここまでやったんだね」
「朝の支度、がんばってるね」
途中で止まっても、取りかかったことを肯定します。
大切なのは、完璧にできたかどうかではありません。
動き始めたことを、脳に「できた経験」として残していくことです。
ただし、行動させなきゃと思って、
「あれしなさい」
「これしなさい」
とプレッシャーをかけるのは逆効果です。
必要なのは、「苦手」に注目する子育て習慣を手放すこと。
そして、「できていること」「得意なこと」を認めて、自信を育てることです。
③感情を落ち着かせる会話をする
感情のコントロールが苦手な子は、ストレスがたまると一気に爆発してしまいます。
無気力になったり、イライラしたり、突然「ママのせい!」と責めるような言葉が出ることもあります。
そんなときは、まず観察します。
- どんな場面でイライラしやすいのか
- どの時間帯なら落ち着いているのか
- どんな声かけなら受け取りやすいのか
そして、穏やかに過ごせる時間帯に、親子の会話を増やしていきます。
このとき大切なのは、親の意見をすぐに言わないことです。
「そう思ったんだね」
「それが嫌だったんだね」
「本当はどうしたかった?」
と、まずは子どもの言葉を受け止めます。
何かをさせようとするよりも、まず脳を落ち着かせる会話をする。
それが、感情のコントロールを育てる土台になります。
5.「ママのせい!」が減る子育ては、受け止めることから始まる
不安が強く、自信がなく、自分の気持ちをうまく言葉にできないだけの子ども達。
おうちで関わりを整えていくと、子どもは少しずつ自分の気持ちを整理し、言葉にして伝えられるようになっていきます。
「ママのせい!」と責めていた子が、
「本当は不安だった」
「どうしたらいいかわからなかった」
と言えるようになる。
その変化は、子どもが自分で考え、自分で決め、自分で動く力につながっていきます。

子育ては、いつでもやり直せます。
責める前に、安心させる。
動かす前に、できていることを見つける。
そこから、子どもの行動は変わり始めますよ。
Q&A(よくある質問)
Q1.「ママのせい!」と言われたら、まずどう返せばいいですか?
まずは正論で返さず、子どもの感情を落ち着かせることが大切です。
「困ったんだね」
「遅れるのが嫌だったんだね」
と、気持ちを受け止める言葉から始めてみてください。
Q2.叱らないと、わがままになりませんか?
叱らないことと、何でも許すことは違います。まず安心させたうえで、できた行動を肯定し、自分で動ける状態を育てることが大切です。
Q3.登校前に八つ当たりする子にはどう対応すればいいですか?
登校前は不安が高まりやすい時間です。急かすよりも、前日のうちに準備を減らしたり、朝にできた小さな行動を肯定したりして、脳が安心して動ける状態をつくることが効果的です。
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執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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