1.発達障害グレーゾーンの子どもに叱っても効果がないワケ
発達障害グレーゾーンのお子さんに、正しいことをしつけようと厳しく叱っても、「全然言うことを聞かない‼」と悩んでいませんか?
小さな頃なら、なんとか泣いたり怒ったりしながらも、お母さんがコントロールできていたかもしれませんが、小学校高学年のプレ思春期と呼ばれる時期からは、どんどん言うことを聞いてくれない事態が加速していきます。
なぜ、発達障害グレーゾーンの子どもへ叱ってもうまくいかないのでしょう。
ただの「叱る」「しつける」が通じないのは、ワケがあります。
◆脳の特性の影響
発達障害グレーゾーンのお子さんの、やらない・できないには脳の特性(苦手さ)が影響しているからです。
脳は、細かく役割分担が決まっていて、連携しながら、物事を理解したり色々なことができるように成長していきます。
ところが発達障害グレーゾーンのお子さんは、部分的に「未熟さ」や「苦手さ」があり大人が求める通りにはできないことも多いのです。
例えば、
『先生やお母さんの指示を聞き逃す、同じ失敗や忘れ物を繰り返してしまう』という問題。
これは、
周囲からは、「やる気がない」などと誤解されがちですが実は「不注意」という特性が影響しています。
また、こんなこともありませんか。
『思う通りにならなくて、つい友達や兄弟に八つ当たりしたり手が出たりする』
これは、
一見「わがまま」「自己中」と誤解されがちですが、実は「感情のコントロールが難しい」という特性が影響しています。
つまり、発達障害グレーゾーンのお子さんは、苦手な部分の働きを司っている脳の成長がゆっくりなのです。行動は脳からの司令をうけて行われるので、何度叱っても、罰を与えても、本人の意思で行動を変えるのが難しいのです。
◆自信を無くしママの声かけをシャットアウト
しつけの子育ては、できなかったことを叱ったり、厳しく言ったりして「次は怒られないようにしよう」と思わせて行動を改善させる方法です。
もちろん!
定形発達のお子さんには、しつけの子育てはある程度効きやすいのも事実です。
怒られた
↓
嫌だなと思った
↓
次は怒られたくないな
↓
じゃあ、ちゃんとやろうかな
↓
行動を変える
こんな思考が働くので努力が経験になって成長していくわけです。
発達障害グレーゾーンの子どもたちは、小学校高学年を迎える頃には過去の経験からさまざまな思いを抱えます。
「頑張っているのにうまくいかない」という悔しい思い
「学習についていけない」「友達とうまく付き合えない」などの劣等感
周囲の大人からの叱責、など…
発達障害グレーゾーンの子どもたちは、様々な場面で自信を失い続けながら大きくなっていきます。
自信喪失の状態になった子は、周囲からの注意や助言を素直に受け止めることができなくなります。
つまり、叱れば叱るほど脳はお母さんの声かけをシャットアウトしてしまうのです。
そして、またその態度を叱られる…(ここでもエンドレス負のループ)
その結果、心身ともに不調を来す、攻撃性が強まる、反社会的な行動が増える、学校に行けない、うつうつとした状態になる。
などのいわゆる二次障害と呼ばれる状態になってしまう場合もあります。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちをそんな状態から救い出せるかどうかは、実は「叱り方」が大きく影響していることがわかったのです!
この記事では、今日からできる叱り方のポイントをお伝えします。
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2.将来が不安だった発達の特性がある息子
発達障害の特性をもつ息子(現在大学生)が小学校高学年を迎えた頃、私はこんな悩みを抱えていました。
・友達とのトラブルが多い
・授業を聞いていない
・学校から帰っても宿題をやらない
・忘れ物が多い
・塾や習い事をサボる
・嘘をつく
・ゲームばかりやっていて時間をみて動けない
・人を危険に巻き込むいたずらをする
などなど…
どうして他の子と同じようにできないのかしら?
どうしてこんなに手が掛かるのかしら?
とにかくやるべきことをやらない!
将来に不安を覚えた私は、厳しく叱る子育てをエスカレートさせました。
小学校高学年は中学校入学も視野に入るお年頃。中学校といえば、進路にかかわる成績や内申点も気になってきます…
私も必死でした。
私はストイックな性格なので、できなければ練習すればいい、たくさんやればいい、と思って生きてきたタイプです。
それで人生何とかなってきたので、発達障害グレーゾーンの特性のある子どもにも、それを強いてきました。
テストの点が悪いならたくさん勉強しなさい!
↓
毎日1時間やりなさい!
↓
1時間で点が悪いなら2時間やりなさい!
↓
それでもダメなら、遊びにいく時間を減らしなさい!
↓
(エンドレス負のループ)
昔からの、できていないことを怒って正す、いわゆる日本の“しつけ”ですよね。
私自身もそういう環境で育ってきましたし、子育てと言えば、その“しつけ”のやり方しか知りませんでした。
これをずっと続けた結果、息子が高学年になるころどうなったかというと…
「自信喪失」&「荒れる」です。
そのやり方は発達の特性のある息子には合いませんでした。
かえってこじらせてしまい、いよいよ手に負えなくなってしまったのです。
3.叱り方を変えて『負のループ』を断てば将来が明るくなる
まず、何より先にやったほうがいいことは、ガミガミと言い続ける𠮟り方で繰り返される『負のループ』を断ち切るということです。
叱れば叱るほど子どもに届かなくなってしまうのですから、いっそのこと叱る量を3分の1にしてしまいましょう!
インターネットサイトなどで、発達障害の子どもを叱るときには、穏やかな気持ちで、などのテクニックを使うことを紹介されていますが、普段、ガミガミ指示している人がいきなり穏やかに指示できるようになるのは難しいですよね。
だから!物理的に叱る量を減らしてみる!
「ガミガミ」の量を3分の1にする!まずはここからチャレンジしてみてください。
勉強を頑張らせようと思っても、子どもの自信を失わせてしまっては勉強とは向き合えません。
進路についていろんな選択肢があっても、話し合える親子関係がなければ、教えてあげられることは減ってしまいます。
いくら親がいろんな体験をしてほしいと願っても、子ども自身が「どうせやってもできない」と思っているならチャレンジさせてあげることができません。
「将来をつぶす叱り方を止める」これを意識してみてください。
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4.ママが叱ってばかりを手放す勇気を持つと子どもが変わる!
私は、発達科学コミュニケーションで、発達障害・グレーゾーンの子どもたちの脳を成長させるおウチサポート術を学び、叱ってばかりの子育てを手放す勇気を持つことができるようになりました。
すると、発達障害・グレーゾーンの息子の学校生活も、成績も、家での態度も、ガラッと変わりました!
どんなふうに変わったかと言うと…
・嫌がって全然やらなかった勉強に取り組み始めた
・学校では授業を聞く
・課題や授業ノートを提出する
このようになったのです!
友達との喧嘩もゼロになり、コミュニケーションの苦手さも少しずつ解消していきました。
そして、中3になる頃には高校受験にも挑むチカラをつけ、国数英の筆記テスト&面接を突破し、自力で高校進学の切符を手にすることができたのです!
今では、大学生活を謳歌しています。
もちろん大きくなっても、ちょっと個性的なところは残っているし、苦手なこともあるけれど今ではその息子の個性もしっかり受け止めながら、子どものこれからに思いっきり期待できる親になりました。
「子どもが言う事をちっとも聞いてくれない…」と感じるのは小学校高学年あたりから、更に加速していきます。その後迎える中学・高校をどう迎えますか?
発達障害・グレーゾーンの子どもたちに、変化を起こすために「叱り方」を変えることからチャレンジしてみませんか?
脳に届かないコミュニケーションを少しずつ減らしていきましょう!
執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
おウチコミュニケーション術で子どもの脳にお母さんの声を届かせましょう!