1.子どもが爪を噛む癖は「やめさせる」ほど悪化することがある?
学校が苦手な子や不登校になっている子。
ふと子どもを見ると爪を噛んでいる。
「また爪を噛んでいる」
「何度言ってもやめない」
そう思い、多くのお母さんはまず「やめさせなければ」と考えたくなります。
爪を噛むことは衛生面が気になりますし、深爪になってしまうなど心配なことも多くあります。
だからこそ、やめさせたい気持ちが大きくなるのは自然なことですよね。
けれど実際には、やめさせようとするほど繰り返されるケースも少なくありません。

今回のスタディコンサル(オンライン勉強会)では
新たな視点から爪嚙みの理由についてのレポートが発表されました。
それは、爪噛みは単なる習慣や癖ではなく、子どもの脳が自分の感覚を調整しようとしている行動である場合があるから、というものです!
周りから見るとやめてほしい行動でも、子どもにとっては必要な行動であるため、爪噛みだけをやめさせることは難しいのです。
逆に言えば、子どもの脳の働き方を理解しながら関わることで、爪噛みは少しずつ減っていきます。
「行きたい」と言うのに当日止まってしまう…
▼わがままなのではなく、動く力がまだ育ってないだけでした

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2.子どもの爪噛みは「感覚を落ち着かせようとする行動」だった
子どもの爪を噛む癖は、「やめさせるべき癖」と思われがちですが、実際は一つの原因だけで起きているわけではありません。
原因としては、
- ストレスや不安を落ち着かせようとしている
- かたいものを噛む感覚を求めている
- 集中している
- 無意識に手が口元へ向かってしまう
などが考えられます。
この中でも見落とされやすいのが、感覚を求める「感覚刺激」の視点です。
学校が苦手な子の中には発達の特性があり、感覚に過敏さや鈍さがあるケースがあります。
その場合、指先や口に入る刺激を使って、脳がストレスからくる不快感や落ち着かなさを自分で調整しようとします。
つまり爪を噛むという行動は、
「今感じている違和感や不快感を落ち着かせようとする行動」
として起きていることがあるのです。
実際に爪を噛むことで、
- 不快感や緊張感が一時的に下がる
- 一定の感覚刺激に注意が集中し落ち着きやすくなる
- 足りない感覚刺激を補い、自分の状態を保ちやすくなる
といったことが脳の中で起きています。
特に子どもは、まだ「注意されて止める力」よりも、「感覚で自分を落ち着かせる働き」の方が優位です。
そのため爪を噛むことは単なる悪い癖ではなく、感覚を自分で調整しようとする自己調整行動として起きている場合があります。
だからこそ、「やめなさい」と外側から止めようとするだけでは、かえって強く繰り返されてしまうことがあるのです。

3.「やめさせなきゃ」と思っていたママが観察することで見えてきた本当の対応策
Niccoto講座のオンライン勉強会で新たな視点から爪嚙みについて研究し、発表してくれたレポートを紹介します!
Niccoto講座受講中のSさんも小学生の息子さんの爪噛みに悩んでいるお母さんでした。
息子さんの爪噛みは、小学校入学をきっかけに強くなっていきました。
手の爪だけでなく足の爪まで噛むようになり、巻き爪で病院に通うこともありました。
赤くなった指先を見るたびに胸が痛くなり、
「また噛んでる…」
「どうしてやめられないんだろう」
そんな言葉が頭の中をぐるぐるしていました。
息子さんに対しても、
「やめようね」
「痛くなるよ」
と伝えるしかありませんでした。
でも変わらない現実に、焦りだけが増えていました。
あるときSさんは、爪噛みの原因について最初は心理的なものと考えていましたが、それ以外の理由もあるのではと思い、子どもがどんなときに爪を噛むのか観察するようにしました。
その結果、
- 心理的ストレス
- 特定の感覚刺激を求める行動
- 「段差」へのこだわり(一度噛んでガタガタになると、その出っ張りが気になってさらに噛み取ろうとする)
これらの様子が見られたそうです。
このことから、「やめさせる」関わりではなく、それぞれの原因にアプローチする必要があることに気づきました。

そこからSさんの関わり方が変わっていきました。
「やめさせる」のではなく、
この子が心地よく落ち着ける感覚を増やせないだろうか
という視点を持てるようになったのです。
そこでまず意識したのが、爪を噛んでいないときの関わりでした。
手をつないだり、マッサージをしたりしながら、
「爪きれいだね」
「かわいい手だね」
と声をかけるようになりました。
また、
「今度この爪が伸びたら切らせてほしいな」
と、整えることや爪を育てることを親子で共有する時間も増えていきました。
すると少しずつ、
「噛んで落ち着く」だけではなく、「整っている気持ちよさ」にも意識が向くようになっていったのです。
また、感覚を求める行動や段差へのこだわりについては、感覚を別の形で満たせるかもしれないという視点に切り替わりました。
口の中の刺激を求めているときにはグミを使って口腔の感覚を満たしました。
指先を噛もうとする様子が見えたときには、指先を軽く「ぎゅっ」とつかむ刺激を一緒に試しながら、別の感覚の入れ方を伝えていきました。
すると息子さんにも少しずつ変化が出てきたのです。
「噛んで短くする」だけではなく、
「伸びたら整える」
という流れが生まれ始めました。
今では、爪をどう扱うかをSさんが決めるのではなく、息子さん自身が選ぶ場面も増えてきているそうです。
この子が動き出したのは
▼特別な子だったからじゃありません

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4.子どもが「爪を噛む以外でも落ち着ける」を増やしていくこと
オンライン勉強会のチームメンバーもSさん同様爪嚙みに悩むママは多く、新たな気づきとなりました。
爪噛みへの関わりで大切なのは、
「どうやってやめさせるか」ではなく
重要なのは、
子どもが「噛む以外の方法でも落ち着ける」経験を増やしていくこと。
爪噛みがある子どもは、感覚刺激を使って自分を調整している場合があります。
だからこそ、「ダメ」と止めるだけでは、落ち着くための手段そのものを失ってしまうことがあります。
そこで必要になるのが、
別の形で心地よく落ち着ける感覚を増やしていく関わり
です。
爪噛みはやめさせたい困った行動と捉えるだけではなく、
「この子はなぜ爪を噛むのだろう?」
と観察することで、本当の対応策が見えてきます。

オンライン勉強会で一緒に学ぶ仲間たちです!
まずは観察することから始めてみませんか?
何か新たな発見と解決の糸口が見えてくるかもしれません。
記事では書ききれなかった
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執筆者:三吉あいこ
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
▼学校ストレスや発達特性による困りごとを親子の関わりでサポートする方法をお伝えしています。


