この動画でお話ししている2人
お話しする人
三浦由記子さん
失敗を嫌がる息子さんとの子育てに悩み、関わり方を見直してきたママ。怒るのをやめられなかった葛藤と、子どもの気持ちを聞くようになった歩みを語ります。
聞き手
清水畑亜希子さん
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー
三浦さんの学びと実践を支え、親子の変化を近くで見守ってきた恩師。対話を通して、変化のきっかけをひもときます。
1.子育てで怒らないようにしたいのに、また怒ってしまう…
子どもの間違いを直そうとしたら、激しく逆切れされた。落ち着いて教えるつもりが、いつの間にか自分も怒っている。
「子どものために言っているのに!」
「怒らないようにしたいのに、どうしてまた言ってしまうんだろう」
そんなふうに、子どもへの心配と、自分へのもどかしさの間で苦しくなることはありませんか。

今回の動画で体験を語る三浦由記子さんも、息子さんの将来が心配で、一生懸命に言い聞かせていたママでした。
子どもへの関わり方を学び始めてからも、すぐに怒るのをやめられたわけではありませんでした。
怒るのをやめられず苦しかったママが、失敗の中にも子どもの成長を見つけられるようになるまで。
その歩みには、今の関わりを見直す手がかりがありました。
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2.「正しくやらせなきゃ」の正体は、子どもの将来への不安だった
当時の三浦さんが気にかけていたのは、息子さんが先生から指摘されたことでした。
漢字の止め・はねも、先生に言われたとおりにできるよう、書き直しをさせていたそうです。
夕方6時以降に帰宅してから、塾の宿題に2時間ほどかかることもありました。
『バツ』をつけられることを嫌がって怒る息子さんに、
「先生に言われたでしょ」
「バツをつけないって、直さなきゃ意味がないでしょ」
「何のために勉強してんのよ」と言い返す。
終わるまで夕食を待たせてしまうほど、『やりきらせようと必死だった』と振り返ります。

友達とのトラブルでも、人に迷惑をかけてはいけないという思いが強く、息子さんが悪いことをしたのだと考え、責めたり怒ったりしていたといいます。
三浦さんには、このままでは将来どうなるのだろうという強い不安がありました。
『できることがあるなら何でもしたい。』その思いで子育てに向き合っていたのです。
学びを通して三浦さんが振り返ったのは、大人が先に進む道を決め、指示を繰り返していたことへの気づきでした。そこから、息子さん自身が考えて動く機会に目を向けるようになります。
「どうする?」と本人に聞き、考えたり決めたりする余地をつくる。
ママとして許容できる範囲なら試してみる。
そして、うまくいかなかったときに考え直す。その経験を楽しめるようになったと語っています。
この子が動き出したのは
▼特別な子だったからじゃありません

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3.怒るのをやめられなかった自分を支えた、仲間との学び
ただし、三浦さんがお子さんへの関わりを考え直すことができたのは簡単ではありませんでした。
関わりを見直そうと思っても、三浦さんは最初から怒るのをやめられたわけではなかったのです。
注意することが癖のようになっていて、急には変えられない。学んだとおりにできない自分にも、苦しさを感じていたそうです。
支えになったのは、継続して子育てを学ぶ場(Nicotto講座)で、同じように悩むママたちと話すことでした。
お互いに試したことや、うまくいった関わりを分かち合う中で、自分と同じような人がいると感じられたといいます。

そのことが励みになり、自分もまたやってみようと思えるようになりました。三浦さんの変化には、一人で頑張り続けずにすむ環境もあったのです。
息子さんとの会話では、友達とのトラブルが起きたときに、何かきっかけがあったのかもしれないと考えるようになりました。すぐに責める前に、何がしんどかったのか、何が嫌だったのかを聞くことを心がけたそうです。
すると息子さんは、我慢していたことや、言われて嫌だったことも話してくれるようになりました。
思春期になっても本音を話してくれることを、三浦さんは大きな変化として語っています。
子どもの味方になることは、相手を傷つける行動まで認めることではありません。
行動への対応と、本人の気持ちを聞くことは、分けて考える。その視点は、私たちも家庭での会話で大切にできそうです。
4.失敗を嫌がる子が失敗しても対処できる子になった!
中学生になった息子さんは、今もプリントの管理が苦手で、なくすことがあるそうです。それでも、以前は先生に聞けなかった子が、「プリントをもう1枚ください」と頼めるようになりました。
三浦さんが喜んでいるのは、困ったあとに自分で対処できるようになったことです。なくしたという出来事の中にも、助けを求められるようになった成長を見つけています。
友達と電車で花火大会へ出かけたときには、事前に説明していたにもかかわらず、逆方向の電車に乗ってしまったこともありました。
そこで間違いに気づいた息子さんは、次の駅で降り、駅員さんに聞いて乗り直したそうです。

三浦さんはその話を、息子さんが「たくましくなった!」と感じた出来事として語っています。
先生に指摘されないよう先回りしていたママが、失敗したあとの行動に成長を見いだしている。
この受け止め方にも、三浦さん自身の変化が表れているように感じます。
動画の最後に、三浦さんは、息子さんに『自分の思う道を進んでほしい』と話しています。やりたいことに向かって自分で考え、一人ではしんどいときには誰かに助けを求めながら進んでほしい。それが、今の三浦さんの願いです。
5.「何をさせようか」よりも「何を感じている?」という視点で子どもを見てみよう!
みなさんも、いつもついつい注意してしまう場面を一つ思い浮かべてみましょう。
例えば、宿題が進まないとき。
「早くやって」と伝える前に、どこで困っているのかを聞いてみる。
次に何をするかを、本人と一緒に考える。
不登校でずっと外出が難しい子にも、家の中で気持ちを話したり、小さなことを選んだりできる場面はあります。
今日から一度も怒らないママになる必要はありません。
子どもに何をさせるかを考える前に、今、何を感じているのかを聞いてみる。
いつもの日常に取り入れられそうな場面は、どこにありますか?
▼子どもの怒る姿の奥にある理由まで、知ってみませんか?
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よくある質問(Q&A)
Q1.怒らないようにしたいのに、子どもに怒ってしまうときはどうしたらいいですか?
A.今日から一度も怒らないようにしようとするのではなく、注意する前に「今、この子は何を感じているんだろう?」と考えてみましょう。この記事の三浦さんも、最初から怒るのをやめられたわけではありません。子どもに何をさせるかを考える前に、困っていることや嫌だったことを聞く関わりを少しずつ増やしていきました。一人で頑張らず、同じように悩む仲間と学びながら関わりを見直すことも支えになります。
Q2.失敗を嫌がって怒る子には、どう関わればいいですか?
A.すぐに間違いを直したり正しい方法を教えたりする前に、まず子どもの気持ちを聞いてみましょう。「どうする?」と本人に聞き、自分で考えたり決めたりできる余地をつくります。ママが許容できる範囲なら一度やってみて、うまくいかなかったときにどうするかを一緒に考えることで、失敗しても立て直す経験を増やしていくことができます。
Q3.子どもが失敗したとき、親はどうアドバイスしたらいいですか?
A.失敗そのものを指摘するだけでなく、その後に子どもがどう対処したのかにも目を向けてみましょう。この記事では、プリントをなくしたときに先生へもう一枚お願いできたことや、電車を乗り間違えたときに駅員さんへ聞いて乗り直せたことを成長として捉えています。親が先に答えを教えるのではなく、「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、必要なときには助けを求めながら自分で解決する経験につなげていきましょう。
執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーション アンバサダー)
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