お子さんの中学校生活を応援したいお母さんへ 発達障がいグレーゾーンの子どもの行動力を伸ばすシンプルな鉄則

発達障がいグレーゾーンの子どもが中学生になると、お子さんの「行動」に関する特性が中学校で苦戦する原因になりがちです。だからこそ今からやっておきたいのは「指示を聞いて行動に移す」という脳のルート作りです!

1.発達障がいグレーゾーンの子どもの「3つの大きな課題」とは?

春から、お子さんが中学生になるご家庭も多いと思います。

中学生になることを考えると、なんだかもう不安しかない!そんなお母さんもいらっしゃるかもしれません。

例えば…

・時間にルーズ
・行動の切り替えが苦手
・忘れ物が多い
・身の回りの整理整頓が苦手
・人の話の理解力が弱い
・自主性、主体性がない
・物事の見通しがつけられない
・空気が読めない、マイペースなど
・対人関係が心配
・衝動性が強い
・勉強の苦手アレコレ

などなど…挙げ出したらキリがないという方もいるかもしれませんが、まずは大きくわけると「3つの大きな課題」があるということを覚えておいてください!

それは

1)行動面の課題
2)対人関係の課題
3)勉強の課題

お子さんに当てはまるものはあるでしょうか?

今日はその中から行動面の課題を発達の特性から紐解いて行きます。

2.行動面に苦手があると中学校で苦戦します!

中学生になると教科ごとに先生が異なります。小学校の頃のように担任の先生の配慮だけでは乗り切れないという、中学校だからこその悩みも出て来ます。

お子さんの「行動」に関する特性は、実は「評価社会」の中学校で発達障がいグレーゾーンの子が苦戦する原因になりがちなのです。

特に、行動面の課題が目立ちやすいのは注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向のある子どもたちです。ご存知のお母さんも多いかもしれませんが、ADHDの子にはこんな特性があります。

●不注意傾向が強い!
気が散りやすく集中力が続かない、忘れ物が多い、整理整頓ができない、などの特性がみられます。

●多動性が強い!
多動性は中学生くらいになると落ち着いてくる子も多いです。

それでも落ち着きがなかったり貧乏ゆすりをするなど、絶えず手足を動かす。おしゃべりがやめられない。そんな特性が垣間見える子もいます。

●衝動性が強い!
衝動を抑えられず些細なことで喧嘩をしやすい、など対人関係でのトラブルの原因にもなりやすい特性の一つです。

ADHD傾向の強い子は楽しいことには夢中になれるのに、嫌だ、面倒だと思うことに対してはすぐに集中力が切れてしまいます。

わかりやすい例で言うと、授業中は先生の話をちゃんと聞いていないのに休み時間になると友達と盛り上がっちゃって、盛り上がったついでに次の授業に遅れてしまう…

コレ!先生に怒られやすい典型的なパターンです。

また、不注意の問題は学校生活での「評価」を大きく左右します。

忘れ物やうっかりミスが多く約束を忘れて同級生に迷惑をかける、とか先生にしょっちゅう怒られる、とかそんなことが起こりやすくなるのです。

我が家の現在高1の息子はADHD傾向が強いので、ここで述べた例をほとんど中学校で体現してくれました。

息子は身体能力は高いので親としては「体育だけでも頑張ってくれ!」と思うのですが、なんせ体育着を忘れていく…

体力測定のような記録計測の授業でも体育着を忘れていく。特別に放課後居残りで先生が記録を測ってくれると言っているのに、その約束を忘れて帰ってきてしまう…。

やればできるのにやらないから、唯一の頼みの綱の体育の成績ですら危機的状況になるわけです…

小学校の頃まではこんなおっちょこちょいな息子も、いつもニコニコしていてどの友達とも仲良くできる可愛い男の子というキャラでなんとか乗り切ってきました。でも中学にいくとそう簡単には行きませんでした。

中学生になると行動も勉強も、全てが成績をつけるための「評価」に直結していくのです。

そうなると、この行動の苦手を持った子たちは苦戦し始めます。

もちろん学校と連携してこの苦手をサポートするという選択肢がないわけではないのですが、授業ごとに先生が異なる中学生になるとそのサポートは難しいのが現状です。

3.中学生になる前にやっておきたいのは「指示を聞いて行動に移す」脳のルート作り

だからこそ!今からやっておきたいのが「指示を聞いて行動に移す」という脳のルート作りです。

このルート作りは、残念ながら学校で習得するのは難しいのです。

発達障がいグレーゾーンの子どもたちは指示の受け取り方に癖があったり行動の切り替えが苦手だったりします。子どもに伝わりやすい言い方、行動を起こしやすいサポートの仕方が必要になってきます。

だからこそ、お子さんの特性を知っているお母さんの手でしっかりトレーニングしてあげてほしいのです。

行動するには
・相手の言葉を聞いて
・反応し
・理解して
・頭に留めながら
・行動に移す

という脳のさまざまな活動が影響します。だから行動を起こすことは脳の発達と直結するのです。

苦手なことをガミガミ言い続けることで子どもの自信と行動力はUPするでしょうか?答えは「No!」です。

発達障がいグレーゾーンの子にやる気を起こさせ、行動を起こさせるためには、今までやってしまっていた逆効果なコミュニケーションを見直すことが大切です。

そして中学生になると先生では対応しきれない、気づかない、我が子の”良いところ”をしっかり伸ばしてあげる存在にお母さんがなって欲しいのです。

そのためにお母さんにしてほしいことは、「肯定すること」です!

でもこの「肯定すること」って案外難しいんです。

だから、肯定するのが苦手で「頭ではわかっているけど、うまく褒められないんです!」というお母さんに練習してほしいのは否定的な注目をやめることです!

子どもの「いいところ」を見つけてあげると、困りごとを減らすことにつながります。

子どもの特性を理解し、良さを受け入れていくことで子育ては楽になっていくと同時に、子どもの発達を加速させることができるのをご存知ですか?

少しくらい勉強が苦手でも、少しくらい先生に叱られても、行動できるチカラがあればいろいろなことにチャレンジできます!

お子さんが中学生になる前に、行動を起こすための自信と、行動を起こすための脳のネットワークをしっかり作ってあげませんか?

中学校はグレーゾーンの子ども達にとって試練の連続です。

新しい環境で前向きに行動できるチカラをお母さんの手で授けられるように「肯定すること」を意識してみてくださいね!

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
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