子どもが言うこときかない…無視される毎日に疲れたママ
わが家には、注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーの小学4年生の男の子がいます。
息子は、小学生になっても歯磨きや着替えなどの基本的な生活ルーティンが身につきませんでした。
息子は、学校から帰宅すると、服や靴下をあちらこちらに脱ぎ捨て、ランドセルはほったらかし、宿題の存在は忘れ去っていました。
注意しなければ家の中ではゲームやYouTubeばかり見ています。
私は、そんな息子に、
「ゲームをやめなさい!」
「早く着替えなさい!歯磨きは!」
「脱いだものは洗濯機に入れて!」
「お夕飯終わったの?宿題は?早くやりなさい!」
「お風呂に入りなさい!」
などの声かけ指示をするようにしました。
そして、息子は、小学校3年生の頃からふと気づけば反抗することが多くなりました。
私の声かけ指示は大声から、やがて
「前も言ったよね!」
「何度言ったらわかるの!」
と、怒鳴り声になり、
「うるさい!」
「わかった、後でやる!」
「もう、いい加減にして!」
と最終的には反抗してくる息子と言い合いで毎日カオス状態。
逆に息子が反抗してこないときは完全無視です。
最初はゲームに夢中だから聞こえないのかな?とも思っていましたが、 どうやら私の声だけが聞こえていないようでした。
実際、父の声は聞こえているのです。
私の言葉は誰に受け止められるわけでもなく、ただの騒音となっていきました。
「疲れた…」
私は、自分一人で怒鳴りちらしている日々に疲れ果てていきました…。
子どもが言うことをきかないときに脳で起きていること
なぜ、私の声は聞こえていないのでしょうか?
脳は大きく2つに分けることができ、内側に本能的な脳があり、ここに感情の脳があります。
外側には理性的な脳があり、「聞く」「見る」「理解する」「考える」などの脳があります。
基本的な生活習慣が身についてないADHDグレーのお子さんに、ついつい大人は、
「ゲームをやめなさい!」
「早く着替えなさい!歯磨きは!」
などと強い口調で一方的に指示を出し続けてしまいがちです。
ADHDグレーのお子さんは、感情の脳が未熟なことが多いです。
強い口調で指示を出してしまうと、感情の脳の未熟性によって、「怖い!」といった委縮や「いやだ!」といった反発を招いてしまいます。
すると、「聞く」脳がある外側の理性的な脳はうまく働きません。
お母さんの声を聞く準備ができず、指示を出す声をシャットアウトしてしまいます。
私の声は本当に息子に聞こえていなかったのです。
言うこときかない子どもの脳に声を届ける3つのテクニック
では、言うこときかない10歳の子どもの脳に、どんどん声が届くテクニックをご紹介します。
ポイントは3点です。
① できていないことは見て見ぬふりをする
②「 気づいているよ」と知らせる声掛けをする
③子どもの行動に対して感謝を言葉にして伝える
この3つは、子どもを認める声かけです。
これにより、子どもの耳が開きお母さんの声に注意が向きます。
➀できていないことは見て見ぬふりをする
子どものできていない行動やできていない事に対するママのイライラな気持ちは、一端スルーします。
➁「気づいているよ」と知らせる声掛けをする
「〇〇のゲームしてるのね」
「楽しそうだね」
「△△食べたね」
など まるで実況中継しているかのように見えたままを言葉に出します。
子どもの行動を実況中継しているようなイメージです。
信じられないかもしれませんが、これらの声かけが子どもを褒める言葉になりかわるのです。
イライラしたり無視をする子どもの反応があっても、返事や反応を待たなくてよいのでママのストレスがありません。
子どもにも「ママが気づいてくれている」という安心感を与えることにつながるのです。
➂子どもの行動に対して感謝を言葉にして伝える
何かの良い行動が見えたら感謝の言葉を子どもに伝えます。
「お菓子のゴミ捨ててくれてありがとう」
「お皿さげてくれたんだね。ママ助かったわ~」
という感じです。
実際にわが家のADHDグレー10歳の息子にこの声かけを続けること2週間。
あっという間に反抗、無視ばかりの態度が嘘のように素直で穏やかな息子になりました。
いかかでしたか?
やることは3つだけです。
①できていないことは 見て見ぬふりをすること
② 「気づいているよ」という意味を込めて「子どもの様子を実況中継する」
③子どもの行動に対して感謝の気持ちを伝える
ママの気分や体調にもよりますが、毎日1つからでもこの声かけをはじめてみませんか?
執筆者:一宮えり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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